先端技術チーム房前主任研究員が土木学会 建設マネジメント委員会 グッド・プラクティス賞受賞、受賞記念講演を行いました。
令和6年8月5日(月)、東京都新宿区四谷の土木学会にて、土木学会建設マネジメント委員会 研究成果発表会・表彰式が開催されました。
グッド・プラクティス賞は、「建設マネジメントの実務において,創意工夫に富み建設マネジメントの発展に貢献が認められる意欲的な取り組み」に授与されます。
本取り組みは、危険で負担の大きい災害対応の働き方を実際に変革(=DX)したものです。低コストで入手が容易、扱い方が簡単な機材を用いて、 ドローン、LiDER、AI、VR、点群、デジタルツイン、クラウド、準天頂衛星みちびき等の技術を上手に組み合わせることで、 国土交通省緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)等の災害調査における働き方をDX(安全性の向上・低コスト・負担減・省力化・迅速化)しました。
また、鹿児島県・(公社)鹿児島県測量設計業協会と協働し、災害査定の「デジタルを用いた新たな働き方」に取り組み、 令和5年にはDX災害査定(点群・VR等のデジタルツイン)を実施、その効果が実証されました。
さらにVTOLと呼ばれる、航空機(高速で移動でき低燃費)とヘリコプター(離発着が容易で空中での静止や自由な移動が可能)の両方の特性を有する機体を用い、 山国川の約30kmを、ドローン発進から約1時間で点群・3Dモデルを作成するなど、新たな技術の社会実装に向けた取り組みを行っています。
研究成果発表会・表彰式には対面で約30名、オンラインで500名が参加しました。
受賞記念講演では、能登半島での国土交通省緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)で行った実際の活動を中心にDXの取り組みをお話しました。 能登半島では遠方からドローンを用い大量の写真撮影を行い、それらの写真からAIが自動的に点群・3Dモデルを作成しました。 それらをインターネットを通じPCだけではなくスマートフォン等で誰でも自由に三次元の災害情報を活用できる取り組みを行いました。
測量は現地で行わず、得られたデジタルツイン(点群・3Dモデル)をマウスでクリックするだけで、面積や横断面図を得ることができます。 この取り組みでは、顕著に安全性の向上、省力化、工期短縮が可能となり、また多くの方が情報を得てそれを活用できるようになりました。
下記URLから自由に使用できます。なお本ポータルは、迅速に公表するため、共同執筆者の南竹が手作りで作成しました。このため、調査直後24時間程度で公開が可能となっています。
令和6年能登半島地震被災地VR,点群データ
近年、激甚な災害が高頻度で発生し、国民の防災分野での建設業界への期待が高まっています。しかし、少子高齢化等の影響で従来の仕事のやり方では期待に応えることが年々困難になりつつあります。
防災対応への社会のニーズに応えることができるよう、行政や自治体、業界団体や大学、学会とも協働し、DXを進めたいと思います。