会長からのご挨拶・日弁連Diary

会長からのご挨拶


日本弁護士連合会 会長 渕上 玲子


今年の8月は戦後80年ということで、テレビ、新聞等でさまざまな関連報道がありました。8月6日に広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式、9日には長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典が開催されました。昨年、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)がノーベル平和賞を受賞したこともあり、広島では過去最多の120の国と地域が参列したとのことです。


アントニオ・グテーレス国連事務総長から、今年創設80周年を迎えた国連は、戦争の惨禍から将来の世代を救うという使命のもと、世界大戦後の惨憺たる状況の中からその教訓をもとに誕生し、80年を経た今も、核軍縮は私たちの最優先課題のひとつである、とのメッセージが寄せられました。


日弁連も、6月の定期総会で「被爆80年に際して「核兵器のない世界」の実現を目指す決議」を採択しました。


12月12日には長崎市で人権擁護大会を開催します。大会前日の11日には、「再び戦争の惨禍が起こることのないように〜「危機の時代」の私たちの選択〜」をテーマにしたシンポジウム(第2分科会)を行います。

また、「分ける社会を問う!〜地域でともに学び、育つインクルーシブ教育、ともに生きる社会へ〜」をテーマにしたシンポジウム(第1分科会)も同時に開催します。2022年に行われた国連障害者の権利に関する条約に基づく対日審査の結果として出された第1回総括所見では、「障害のある人の脱施設化」と「インクルーシブ教育(障害のある子もない子もともに学ぶ教育)」が勧告されました。これらを踏まえ、インクルーシブ教育をテーマに多角的な議論を行う予定ですので、教育現場で働く方々も、ぜひご参加いただければと思います。

いずれのシンポジウムも、会場「出島メッセ長崎」のコンベンションホールで開催いたしますので、一般の方の参加も大歓迎です。


さて、私の任期も残り6か月となりました。10月から始まる秋の臨時国会では、通常国会で積み残しになった、選択的夫婦別姓制度に関する法案の審議と、再審法改正法案の成立に、全力で取り組んでいかなければなりません。


日弁連は日本最大の法律家団体として、さまざまな法制度の改善を提案し、実現してきました。今、社会が強く期待するこの2つの法改正について、多くの市民のみなさまと協働し、実現していきたいと思っています。ご支援のほど、お願い申し上げます。



2025年(令和7年)10月1日
日本弁護士連合会会長

渕上 玲子会長のサイン



2024年・2025年度会長 渕上 玲子(ふちがみ れいこ)

プロフィール

  • 1977年 一橋大学法学部卒業
  • 1983年 弁護士登録(司法修習第35期)
  • 2017年 東京弁護士会会長
  • 同年 日本弁護士連合会副会長
  • 2020年・2021年度 日本弁護士連合会事務総長
  • 2024年・2025年度 日本弁護士連合会会長


主な日弁連委員履歴

  • 2005年〜2006年・2008年〜2012年 日弁連公設事務所・法律相談センター副委員長
  • 2011年〜2015年・2017年〜2018年 東日本大震災・原子力発電所事故等対策本部委員
  • 2012年〜2014年 日本司法支援センター推進本部事務局長
  • 2014年〜2015年 総合法律支援本部事務局長
  • 2016年〜2019年・2022年〜2024年 同本部副本部長
  • 2017年〜2019年 法曹養成制度改革実現本部副本部長
  • 2017年〜2018年 司法修習費用給費制存続緊急対策本部副本部長
  • 2019年〜2020年 総合法律支援本部本部長代行


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日本弁護士連合会(日弁連)の活動に関する情報をご紹介します。


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