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独立行政法人環境再生保全機構 ERCA
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A3-01 バイオマス資源利用の自然資本への影響評価手法の開発

研究開発責任者

角谷 拓(国立研究開発法人国立環境研究所)

研究開発概要

自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)において検討されている枠組みは、企業に自社のサプライチェーンに内在する様々な自然関連リスクの報告と低減を求めるものである。本研究開発では、バイオマスプラスチックを含むバイオマス資源利用の自然資本への影響評価手法を高度化し、TNFDに準拠した評価枠組みを確立することを目的とする。特に、バイオマス資源となる代表的な農産物を含む農畜産物(48種)の生産量データ、サプライチェーン分析、生物多様性指標を評価可能にすることを目標とする。目標達成のため、TNFDにおいて枠組みの検討が進む自然資本への影響の評価と開示に関連する既存の評価手法や各国の取り組み等の情報収集を実施する。その上で、農作物を含むバイオマス資源を中心としたサプライチェーンに内在する自然資本、とりわけ農業生産活動により大きな影響を受けることが予測される生物多様性への影響を全球スケールで評価するツールの高度化を行う。それをふまえ、バイオマス資源サプライチェーンに直接的あるいは間接的に関わる企業と連携し、企業単位での影響評価手法の開発を行う。これらを通じて、バイオマス資源利用に関連するセクターにおけるTNDF枠組みに準拠した評価手法を確立し、実装への道筋をつけることでサーキュラーエコノミーシステムの構築に貢献する。

進捗・成果

  • 全球をカバーする生物多様性情報を統合し、農地を直接利用する生物種(5,000種以上)について空間分布情報を整備し1km程度の解像度で利用可能な形に整備を実施した。
  • 農地の農作物の生産情報を取得、48種の農作物別に整理し、それを生物種の空間分布情報と対応させる形で利用可能な形に整えた。
  • TNFDに係る現状の各報告基準、枠組、既存の評価手法及び評価ツールが設定している評価軸に関する情報収集を行った。また、本研究開発に参加するメーカーを中心に文献調査やヒアリング調査を実施し、バイオマスプラスチックに関わる定性的な情報収集を行った。具体的には、想定しているバイオマスプラスチックの種類、原材料の調達先(バイオマスペレットの素材等)、バイオマス素材の原材料(穀物、糖類、植物油等)、バイオマス素材の原材料の原産地をヒアリングし、サプライチェーン分析及び評価指標の改定を含む枠組みの再検討を実施するための情報収集を行った。
ティーエヌエフディーに対応した自然資本への影響を評価、可視化するため、バイオマスプラスチックを含むバイオマス資源利用の環境影響評価指標とサプライチェーン分析の高度化を行う。

図1. 研究開発の概要

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