LOVE in Letter

【体験談】骨髄移植経験者 遠津直輝さん

15歳の夏に急性骨髄性白血病を発症した遠津さんが実際に受けた治療について教えて頂きました
広報誌「BANK!BANK!_Vol.02」

移植治療は、どうやって行われるの?

骨髄移植、さい帯血移植って何をするの?

みなさん、「骨髄移植」や「さい帯血移植」という言葉を聞いたことはありますか?

白血病や再生不良性貧血など、重い血液の病気にかかった患者さんが、ドナー(健康な人)から血液を造る細胞を分けてもらって、その力を回復させる治療法のことです。

もちろんドナーが見つからなければ移植は受けられないし、副作用などさまざまな危険も......。

骨髄移植を受けた遠津直輝さんに骨髄移植の治療の実際について教えていただきましたのでご紹介します

(造血幹細胞事業広報誌「BANK!BANK!_Vol.02」より)【PDF:1.4MB】

入院前〜入院

発症は15歳の夏、突然に。
風邪のような体調不良に加え、少しだけ体に青アザができたため病院へ。
検査を受けた結果、翌日からすぐ入院することに。
わけがわからず不安・・・

治療スタート。
さまざまな種類の点滴を受け、髪が抜けはじめる。
年齢が若かったため、告知はなし。「原因がわからないまま入院したくない!」と、ごねる。
後日、「急性骨髄性白血病」だと告知される。頭が真っ白になり、現実を理解できないまま、ただ涙があふれる。
友人たちの「治らない病気じゃない!」「席を空けて、帰りを待ってるよ」という言葉に勇気づけられる。友人の温かさが心の支えに。

治療、そして移植

日によって体調の差が激しい。
調子がいいときは2泊3日で自宅に戻り、お腹いっぱい食事をする。
この時間が、次の治療に向けた心身のリフレッシュに。

「骨髄移植は、どこかを切ったりするのではなく、ドナーの細胞は腕の静脈から点滴で入れる」と知らされ、驚く。
移植中は常にインフルエンザのような状態でつらい。
医師ですら一日一度しか入れない無菌室にいるため、身の回りのことをひとりでやらなければならない。
病人にとっては、かなりの過酷さ。両親でさえ、カーテン越しの会話。

移植後から退院後

個室から大部屋へ移動。わずかな湿しんが出て「体が拒否反応を示しているのか」と不安に。
移植前後に10日ほど絶食したため、体重が38kgに・・・
食欲が戻らず、乳幼児用のせんべい1枚が精一杯。
医師から「あとは食べられれば、いつでも退院できる」と励まされ、頑張って食事をする。
「はい治った!」ではなく、退院後もさまざまな制約が。
1年間は生食禁止、外出時は感染症予防でマスク+長袖。
月イチの検査はドキドキ。闘病生活を乗り越えられたのは周囲の人々の温かい支えがあったから。
何より命をいただいたドナーさんに心から感謝の日々。
10年たってようやく安心できる。日によって体調の差が激しい。

現在

今現在、私はおかげさまで元気に毎日を過ごしています。
そして、ボランティアを通じて自分の経験を発することで「つなぐ、つながる、つなげる」をモットーに
これからも、感謝の気持ちを行動につなげてどんどん伝えていけたらなと思っております。

いま、あなたにできること

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