部門長挨拶
2021年度当初のご挨拶
2021年4月
研究部門長 伊藤順一
[画像:部門長]2021(令和3)年度の開始にあたりご挨拶申し上げます.
コロナ禍の中で新年度を迎える事になりました.昨年度は,テレワークや出張制限など,例年とは異なる対応を行いつつ研究業務を進めましたが,本年度も引き続き,公衆衛生に最大限配慮し,研究業務を進めてまいりたいと考えております.
産業技術総合研究所では,昨年度から第5期中長期計画が開始され,「持続可能な社会の構築」に資するため,世界に先駆けた社会課題の解決に向けて,産業界や社会,国との連携を深め,社会的・経済的価値につながるイノベーションの創出を目指した研究開発を推進しています.
当部門は「強靭な国土と社会の構築に資する地質情報の整備と地質の評価」に向けた研究開発の中核機関として,引き続き研究業務を進めてまいります.当部門では,最新の知見に基づく活断層・津波・火山に関する地質情報の整備を行うとともに,地震・火山活動および長期的な地質変動の評価・予測手法の開発を行います.また,「サステナブルインフラ研究ラボ」にも参画し,地震動によるインフラ被害の評価・予測技術について,産総研内の複数の研究領域との融合研究を進めてまいります.
また,「地質調査のナショナルセンターとしての地質情報の整備」の一翼を担い,地質図・データベース等の整備においては,知的基盤整備計画に則っとり,火山地質図や活断層データベースに代表される地質災害に関する情報整備を着実に実施いたします.特に本年度からは,社会が必要とする新たな新たなシリーズの地質図類の作成やデータベースコンテンツの充実を進める予定です.
以上のミッションを達成するためには,国内だけでなく海外にも目を向けた最先端の研究・開発が必要であり,所内外との融合研究・共同研究も進めてまいりたいと考えています.
研究の成果の利活用を進めるにあたっては,防災・減災施策の立案や対応にあたる国,地方公共団体,企業等が必要とされている情報の仕様(項目,分解能,精度等)や,必要とされるタイミングを見極めることが重要であると考えます.そのために,ユーザーニーズの把握により一層努めてまいります.
部門内・GSJ・産総研他領域の研究者との連携・融合,国内外の研究者・研究機関等との研究協力を進め,「社会の中で,社会のために」社会と共にあゆんでいく研究組織として日々研鑽を積んでまいりたいと思います.
本年度も,皆様のご指導とご協力を賜りますよう,何卒よろしくお願い申し上げます.