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地震地下水研究グループ | メンバー紹介 | グループの詳細ページへ

南海トラフ巨大地震の短期・中期予測をめざして,地下水および地殻変動観測およびその解析を実施しています.産総研では大規模地震対策特別措置法に基づき東海地震予知を目的として1970年代後半から地下水観測を行い,気象庁へ観測データ・解析結果を提供しています.一方,近年,南海トラフ巨大地震の想定震源域の深部延長部分で,通常の地震よりも低い周波数の「深部低周波微動」や数日程度継続する「深部ゆっくりすべり」が3-8ヶ月に1回発生していることが明らかとなり,これらの現象が南海トラフ巨大地震の短期・中期予測につながる可能性があることがわかりました.産総研では2006年から四国・紀伊半島・東海地域周辺で東南海・南海地震の予測のための新規観測点を整備し,地下水だけでなく地殻変動や地震の観測を開始し,さらに,防災科学技術研究所や気象庁と観測データのリアルタイム相互データ交換を行っています.南海トラフ巨大地震の予測精度向上に不可欠な深部ゆっくりすべり・深部低周波微動の迅速・詳細な解析のために,観測・解析手法開発の研究を実施します.

東海・東南海・南海地震の想定震源域と,産総研が新たに整備した東南海・南海地震予測のための観測点および既存観測点.

地震地下水研究グループのホームページ

https://unit.aist.go.jp/ievg/tectonohydr-rg/index.html

グループメンバー紹介

グループ長 松本 則夫 Norio Matsumoto

南海トラフ巨大地震の予測に資するための地下水データの時系列解析方法の開発,東海地域で想定される前兆すべりによる地下水変化の推定,ボアホールひずみ計の原位置キャリブレーション法の開発などを行ってきました.今後は孔内ひずみ・傾斜データの時系列解析や深部ゆっくりすべりの解析方法の開発を行い,南海トラフ巨大地震の予測をめざします.

主任研究員 木口 努 Tsutomu Kiguchi

孔井内で計測するVSP (Vertical Seismic Profiling),物理検層や地殻応力を用いて,透水性亀裂の特性評価など岩盤の物性や構造の解析をこれまで行なっています.近年は,岩盤の粘性効果による掘削孔井断面の楕円状のクリープ変形をモニタリングする原理によって地殻浅部の応力方位を測定する手法の開発と適用を行っています.

HP: https://staff.aist.go.jp/kiguchi.t/index.html

主任研究員 北川 有一 Yuichi Kitagawa

地震に関連する地下水変化のメカニズムの研究を行ってきました.特に,地震・地殻変動に対する地下水応答の観測データを用いて,多孔質弾性論の検証と発展を行ってきました.最近は,プレート境界でのすべりの監視を目的として,南海トラフ沿いの東海〜紀伊半島〜四国における地下水等総合観測施設の整備を行い,地下水と地殻変動を用いた短期的SSEの検出に取り組んでいます.

主任研究員 板場 智史 Itaba Satoshi

東海・東南海・南海地震の予測を目指して,プレート境界で発生する深部ゆっくり滑りの高精度なモニタリングや,メカニズム解明に関する研究を行っています.高精度なモニタリングに必要な,地殻変動データ解析手法開発や,高感度ひずみ観測に必要な技術開発を進めています.

主任研究員 落 唯史 Tadafumi Ochi (2020年10月1日より文科省出向中)

GNSS等様々な測地データを用いて西南日本の地殻変動をモニタリングし,その結果をからプレート境界面の固着やゆっくりすべりの時間変化をモデリングします.これまでに駿河・南海トラフにおいて主にGNSSデータによる解析を進め,地域間の多様性,深部低周波微動等他の活動との位置関係を明らかにしてきました.引き続き解析期間を過去に広げたり,短い時間スケールの揺らぎに注目したりして全容を明らかにしていきます.

研究員 矢部 優 Suguru Yabe

Hi-netやF-net, DONETなどの地震波データを用いて,低周波微動と呼ばれるスロー地震の地震波シグナルを解析しています. 時空間的な活動の特徴を明らかにし,スロー地震の震源物理を研究しています.

テクニカルスタッフ 脇田 由美子 Yumiko Wakita


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