大塚家具に学ぶ「災い転じて福となす」方法

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長期戦になりそうな親子喧嘩
その一方で業績は予想以上の回復

イメージ一新を狙い企業ロゴも変更。ただし本社エントランス(写真)はまだ旧ロゴのまま
Photo:DOL

大塚家具の創業者で前会長の大塚勝久氏と、長女で現社長の大塚久美子氏の親子喧嘩は、長期戦になりそうだ。今年3月の株主総会で両者は熾烈な委任状争奪合戦を展開し、その場では久美子氏に軍配が上がり、いったん、勝負は決着したかに見えた。

ところが、勝久氏はその結果に納得しなかった。久美子社長勝利の後ろ盾の一つになった、9.75%の株式を保有する大塚家の管理会社の社債償還を求めて法廷闘争に打って出た。

それに対し久美子社長は真っ向から対決姿勢を示している。

そうした親子喧嘩は、外から眺めている分には十分に面白い。しかし、同社の他の株主や社員にとっては大変な迷惑だ。「喧嘩は家庭で思う存分やってほしい」と言いたくなるはずだ。

その喧騒をよそに、足元の同社業績が持ち直している。お家騒動の後、実施した「お詫びセール」が好調だったこともあり、今年5月の売り上げは昨年の1.7倍に上った。それに伴い、今年6月の中間期の見通しを1億2600万円の赤字から、3億5900万円の黒字に上方修正した。

業績回復の背景には、久美子社長の"親しみやすい店作り"の経営方針が一般消費者に受け入れられたことがある。それに加えて、反省の趣旨で行った、「お詫びセール」のイメージが消費者心理にアピールした面が大きい。

特に、久美子社長自らが取った、セールの店舗でガーベラの花を顧客に手渡すという行動に、消費者の多くは相応の誠意を感じたのだろう。その意味では、経営者自身が責任逃れをしない、真摯なスタンスを評価したと言える。

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