ぺヤングファンは販売休止中も
他の焼きそばに「浮気」をしなかったのか?
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販売再開決定で溢れる歓喜の声
なぜ「ぺヤングロス」が続出したのか?
「ペヤングきたああああ」「ペヤング待ってたよ!」「ぺヤング、愛してる」「これからは心置きなく食べられるんだね!」
今ネット上では、こんな声が渦巻いている。
昨年、容器にゴキブリと見られる昆虫が混入していたことが発覚し、製造・販売元のまるか食品(群馬県)によって自主回収された即席麺「ぺヤングソースやきそば」。
異物混入騒動を受けてまるか食品は、品質管理の徹底を期すため、昨年12月11日以降、全商品の製造・販売を休止していたが、この度その取り組みに一定の目途がついたと発表した。ぺヤングの製造は5月に再開され、6月8日から関東地区を皮切りに順次販売が再開されるという。販売再開は当面主力の「ペヤングソースやきそば」のみで、「ペヤングソースやきそば超大盛」などが店頭に並ぶのは、もう少し先になりそうだ。
冒頭の声は、この半年ぶりの「吉報」を受け、ぺヤングの販売再開を心待ちにしていた熱烈なファンのものだ。世間は彼らを「ぺヤンガー」と呼ぶ。彼らはいったい、ぺヤングの何にそれほど惹かれ、歓喜しているのか。その実態を分析することで、ペヤングの「商品力」を解き明かしたい。
そもそもぺヤングは、従来からコアなファンが多いことで知られている。人気の理由は、消費者の間に一貫したブランドイメージが浸透していることだ。パッケージは1975年の発売当初からほとんど変わっておらず、容器についても競合製品が発泡スチロール製を採用しているのに対し、プラスチック製を採用してきた。そのレトロ感が「たまらなく好き」というファンは多い。
ぺヤングの販売停止期間中、ぺヤンガーたちは「いったい、いつになったら食べられるんだ?」「ぺヤング以外の焼きそばなんて......」「おれは一生ぺヤングを食べ続ける!」などとつぶやき続けた。人間、手に入らないものは余計に欲しくなるものだが、ぺヤンガーたちはまさに禁断症状とも言うべき、「ぺヤングロス症候群」に陥っていたのである。
異物混入という騒動が起きながらも、自社製品がここまで消費者に愛されていたことに改めて気づかされ、販売再開に臨むメーカーも身が引き締まる思いだろう。まるか食品は、「直接聞いたことはないけれども、世間にそのような声があることは認識していました」と語る。
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