超巧妙なアップルの租税回避策
対策のカギは実は日本が握っている
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スターバックス、アップル、グーグルなど米系多国籍企業の租税回避がG8やG20で取り上げられ、大きな問題となっている。脱税でも節税でもないグレーの租税回避にどう対処すべきか。
実はこの問題は、米国の知財戦略と深く結び付いており、対応は簡単ではない。しかし放置しておけば、非米系のIT企業は、競争上大きな不利をこうむることになる。わが国が議長を務めるOECD租税委員会での対応がカギを握る。
ダブルアイリッシュ・
ダッチサンドウィッチ
米系多国籍企業の租税回避がG8やG20で取り上げられ、大きな問題となっている。租税回避というのは、違法な脱税でもない合法な節税でもない、いわばグレーの分野で、アグレッシブなものは、私法上は問題がないものの、その結果もたらされる税効果は認められない(税法上は認められない)ものである。
しかし、どのようなスキームが「アグレッシブ」なのかについては、なかなか統一基準を設けることが難しく、ケースバイケースで考えていくしかない。
第47回で、英国スターバックス社のスキームについて取り上げたが、今回は最も巧妙なスキームといわれている、ダブルアイリッシュ・ダッチサンドウィッチを紹介してみよう(次ページの図参照)。
米国アップル社は、アイルランドに2つの法人(子会社Aと子会社B)を設立する。B社は、米国のチェック・ザ・ボックスルールを使ってA社の支店となる会社形態とする。
チェック・ザ・ボックスルールというのは、ある事業体を法人課税するか、出資者などの構成員に直接課税する(パススルー税制)かを、自ら選択できる(どちらを選択するか四角いボックスにチェックをつける)制度で、米国特有の制度である。
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