NTTはドコモも東西も通信事業が低迷...脱・苦境に生成AIへ巨額投資も、財務悪化で「グループ再々編」の火種再燃
詳細はこちら
NTTは携帯電話など伝統的な通信事業が苦戦している。その中で成長のチャンスを見出しているのが、生成AI(人工知能)ブームの追い風で拡大するデータセンター事業だ。特集『株価、序列、人事で明暗! 半期決算「勝ち組&負け組」【2024秋】』の#13では、巨額投資による財務悪化が顕在化する中で浮上した課題に迫る。(ダイヤモンド編集部 村井令二)
本業の通信事業が足を引っ張り
グループ連結は減収減益の苦難
NTTグループの「本業」が厳しさを増している。2025年3月期の連結業績は、営業利益と純利益が減益の計画だ。24年3月期は過去最高益を更新したが、一転して利益成長に歯止めをかけるのは「二つの通信事業」の不振である。
まずは、NTT東日本とNTT西日本が手掛ける固定電話などの地域通信事業だ。音声通信の契約が減っているだけでなく、光通信サービス「フレッツ光」の純増数も縮小。コロナ禍の巣ごもり需要で一時的に好調だったが、コロナ明けで行き詰まりが顕在化した。
すでに電気料金や人件費の高騰でコスト削減効果も限界に達している。それでも24年3月期は、不要になった局舎や社宅などの不動産売却で地域通信事業はなんとか増益を維持したが、今期はこの効果が剥落し、25年3月期の地域通信事業の営業利益は前年比33.7%減の2900億円の計画だ。
NTT東西の不振があらわとなる中で、もう一つの通信事業の不振が、100%子会社のNTTドコモの携帯電話事業だ。
次ページでは、通信事業が低迷する一方で、成長事業への巨額投資で顕在化した「グループ再々編」の課題に迫る。
記事一覧
最新決算で「勝ち組&負け組」が鮮明に!製造業、金融、不動産、流通...主要業界の業績・財務を徹底分析
2024年11月25日
#1【財閥系化学3社】三井が「勝ち組」も、PBRは三菱と住友と同じ1倍割れ!株価上昇のカギは"脱・石油化学"?
2024年11月25日
#2【大和ハウスvs積水ハウス】積水が初の売上高4兆円で宿敵・大和を猛追も、不動産開発と米国で待ち受ける"茨の道"
2024年11月26日
#3証券業界「2つの追い風」で業績絶好調の陰に落とし穴..."手数料ゼロ戦争"の負け組は?
2024年11月29日
#4西武HDが「赤プリ」跡の都心旗艦ビルを4000億円で売却へ!私鉄業界では異例の"不動産回転型ビジネス"に参入した懐事情
2024年12月2日
#5日本製鉄のUSスチール2兆円買収は「お買い得」か?パナソニックやアサヒビールの巨額M&Aと徹底比較!
2024年12月2日
#6すかいらーくがM&Aで拡大路線に転換も「稼ぐ力」に意外な弱点...資さんうどんは本当に"お買い得"だった?
2024年12月3日
#7【重工3社】航空機ビジネスの「稼ぎ方」で明暗!ボーイング低迷の影響を受けにくいIHIが、三菱と川崎を凌駕!?
2024年12月3日
#8【ガス会社3強対決】大阪が時価総額で24年ぶり「下剋上」も東京が逆襲、東邦も株主還元強化で"自己資本削りレース"苛烈化!?
2024年12月4日
#9【総合商社バトル】伊藤忠の三菱・三井越えが目前!?利益1000億円超を積み上げての「首位奪還シナリオ」の全貌とは
2024年12月4日
#10【ヤマダデンキvsビックカメラ】王者ヤマダをビックが猛追!立地・在庫回転・ECの三番勝負で徹底比較、軍配は?
2024年12月4日
#11【製薬大手4社"稼ぐ力"徹底比較】武田とアステラスで「大規模リストラ」が必須になる理由
2024年12月5日
#12【上場地銀20行】運用利回りランキング「ベスト&ワースト10」!名古屋や京都がワースト転落、ベスト1位は?
2024年12月5日
#13NTTはドコモも東西も通信事業が低迷...脱・苦境に生成AIへ巨額投資も、財務悪化で「グループ再々編」の火種再燃
2024年12月6日
#14【3メガ銀対決】みずほが最高益予想で三井住友を"猛追"も、収益で5000億円もの大差がついた「2つの理由」
2024年12月6日
あなたにおすすめ