デンソーが仕掛けるパワー半導体"再々編"、ローム・東芝連合を巻き込む「大連合構想」の全貌
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トヨタ自動車グループのデンソーが、日本のパワー半導体業界再編の中核になろうとしている。すでに日本政府の補助金で、ロームと東芝がパワー半導体の共同事業に乗り出して業界再編は進んでいるが、デンソーは「二つの仕掛け」で再々編を狙う。これにより、ドイツのインフィニオンテクノロジーズやスイスのSTマイクロエレクトロニクスに対抗する大連合が国内に形成される可能性が出てきた。特集『半導体の覇者』の#2では、その全貌を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 村井令二)
パワー半導体再編の
鍵を握るデンソー
日本のパワー半導体業界の「合従連衡」が、再び活発化しそうな雲行きだ。
デンソーは9月30日、ロームに出資する方針を発表した。すでにロームは東芝と連合を形成して、経済産業省の補助金を活用した巨額投資に乗り出している。
これによりデンソーは、国内のパワー半導体再編の鍵を握る存在になろうとしている。加えてデンソーには、日本のパワー半導体メーカーの再編を後押しするもう一つの計画がある。関係者によると、早ければ年内にも明らかになる見通しだ。
パワー半導体メーカーとしてのデンソーは、東芝、三菱電機、富士電機などの競合メーカーと比べれば存在感は小さい。それでも、トヨタ自動車グループのTier1サプライヤーであるだけに、車載用パワー半導体の供給力拡大に関しては圧倒的に有利なポジションを築いている。
次ページでは、デンソーが台風の目となりつつある国内パワー半導体の「業界再々編」の全貌を明らかにする。デンソーが再編を仕掛ける"もう一つのプラン"とはどのような中身なのか。
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