岸田首相が訪米で真に交渉すべき「リアル日本有事」への日米大軍事連携
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北のミサイルを乗っ取る
スゴイ兵器が日本にはある
今回は『リアル 日本有事』(麻生幾著/角川春樹事務所」という本を紹介したいと思います。これは小説ですが、小説というよりも軍事・外交機密を調査報道できる日本で屈指の記者による「機密暴露」の本と言えます。
たとえば、「NEWS」という兵器を日本が持っていることをご存じでしょうか。宇宙・サイバー空間を防衛するためのシステムで、米国とも一部を共有していますが、なんと北朝鮮がミサイルを発射する兆候を掴めば、このシステムが稼働し、北のミサイルが発信している電波をキャッチアップして、誘導そのものを乗っ取り、日米が自由に北のミサイルの方向を変えられる機能を備えています。
こんなSFみたいな話をすると、眉唾と思う読者もおられるでしょう。しかし、著者の麻生幾氏が小説家になった経緯を知る私は、この小説に登場する大量の軍事機密はすべて事実だと思っています。
麻生氏はもともと『週刊文春』時代の私の部下でした。入社数年で、公安や自衛隊など機密保持が厳重な組織の重要情報を手に入れる凄腕記者になりました。拉致被害者として認定された有本恵子さんなど3人の失踪留学生の存在を明らかにしたのは、麻生氏のスクープです。
しかし、軍事・外交機密の取材には、公務員の守秘義務違反の問題が存在します。記者はニュースソースの秘匿が認められていますが、公務員は守秘義務違反で馘首の可能性さえあり、特に軍事機密となると、彼らを巻き込む危険があります。
実際麻生氏も、治安組織から取材源を特定するため尾行されることが多くなり、記者としての活動が困難になりました。家宅捜索を受けて、資料などで公務員に迷惑をかける可能性を考え、取材資料は弁護士事務所か麻生氏とは無関係と思われる私が預かっていたほどです。
これが、彼がノンフィクションから小説家に転身した理由です。第一作は50万部以上のベストセラーになった『宣戦布告』。1996年、北朝鮮の小型潜水艦が韓国海岸に座礁しましたが、これをヒントに、もし北朝鮮の潜水艦が日本の海岸に座礁した場合、どういう展開になるか取材して小説にしようと提案したのが私でした。当時は現在より、有事法制の整備はさらに遅れていて、日本防衛の脆弱性がこの小説で明らかになり、話題を呼びました。
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