住友化学が過去最悪の巨額赤字!株価反転に不可避の「3大リストラ策」の大本命
詳細はこちら
住友化学が創業以来最大の赤字に陥り、苦境に立たされている。株式市場は石油化学業界全体が抱える構造問題を解決する再編や、成長著しい半導体や蓄電池の部材供給といった成長事業への大胆なシフトを求めているが、それ以上に赤字出血を止めるための事業売却を決断できるのかを注視している。特集『バブル再来!株価を動かす重大ニュース 人事、再編、物言う株主の思惑...記者が総力取材』(全18回)の#11では、住友化学の株価を反転させるために必要なリストラ策を挙げるとともに、本命リストラ策に関するヘッジファンドのしたたかな計算を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 金山隆一)
住友化学が克服すべき三つの課題
再編と成長領域の育成より先に打つ手は?
住友化学は創業以来最悪の2450億円という巨額の赤字が確実となった。大手化学6社で唯一の赤字で復活のシナリオも見えていない。2018年1月に859円だった株価は足元では308円(2月26日現在)と約3分の1に下落している。
同社はいち早く石油化学コンビナートの海外進出を決め、シンガポールとサウジアラビアで大型のエチレンセンターを操業。医薬品事業にも進出した。住友グループの白水会の「御三家」という名門で、産業界の代表として経団連に2人の会長を輩出、現在も十倉雅和会長が経団連の会長を務めている。だが、石油化学業界が共通して直面する三つの課題で解決の糸口を持っていない。
一つは日本全国にあるコンビナートの再編。もう一つは温暖化ガスの排出削減に向けた脱炭素の取り組み。そして石油化学に代わる新しい成長領域の拡大だ。とりわけ今世界が注目する半導体材料や電気自動車(EV)の部材などの事業拡大が求められている。
住友化学は4月に抜本的な改革を打ち出す。どこまで踏み込めるかは日本の産業の将来にも関わってくるが、あるヘッジファンド関係者は「即座に手を打てる具体策に乗り出さない限り、株価は下がり続ける」と指摘する。次ページでは、過去最大の赤字に沈んだ住友化学が迫られる三つのリストラ策を挙げるとともに、本命ともいうべきリストラのシナリオについて具体的に解説する。
記事一覧
大手企業や業界の「株価を左右する」重大ニュースを大公開!トップ人事、買収、物言う株主...
2024年2月28日
#1セブン&アイ、「井阪社長交代」なら株価に動きも!?次期トップの有力候補2人の実名
2024年2月28日
#2日本製鉄が巨額買収でグループ再編!?山陽特殊鋼、愛知製鋼...10銘柄の出資変更を徹底予測
2024年2月29日
#3ENEOSの「減損爆弾」が爆発秒読み!?命運握る洋上風力「秋田県沖プロジェクト」の結果を大予想
2024年3月1日
#4任天堂創業家ファンド幹部が日本株への投資方針を開陳!買収案を撤回した東洋建設への「次の一手」とは
2024年3月4日
#5経営陣による買収で株価上昇も!?「MBOしやすい会社」ランキング!23位DeNA、14位ノジマ、1位は?
2024年3月5日
#6イオン系ウエルシアと統合のツルハHDが検討していた「幻の非上場化構想」と「ドラッグ再編次の火種」
2024年3月6日
#7任天堂創業家の買収提案で東洋建設の株価は2倍に!物言う株主の「イベント相場」を徹底解説
2024年3月7日
#8ソニーも日立も激変!それでも株主価値向上を意識しない「取り残された世界」の企業をアクティビストは狙う
2024年3月8日
#9孫正義、柳井正、豊田章男...「カリスマ退任」なら株価は下落する?長期政権トップの通信簿【前編】
2024年3月11日
#10三井不動産に「最恐投資家」が自社株買い要求!近年狙われたソフトバンク&大日本印刷との意外な共通点とは
2024年3月12日
#11住友化学が過去最悪の巨額赤字!株価反転に不可避の「3大リストラ策」の大本命
2024年3月13日
#12大林組、清水建設も標的に!「アクティビスト天国」の建設業界で次に狙われるゼネコン・サブコン5社を大予想
2024年3月14日
#13三井住友銀&みずほ銀の株価は15年ぶり高値も、リスク懸念の「大口融資先企業」とは?
2024年3月15日
#14東電HDの株価上昇の鍵は?数千億円の利益が転がり込む可能性がある「虎の子」イベントの正体
2024年3月18日
#15楽天の株価は携帯赤字減と資金繰り改善で上昇も、いまだくすぶる「グループ解体危機」
2024年3月19日
#16「EV失速、HV回帰」は日本の自動車株に追い風?日産ホンダ協業で分かった不都合な真実
2024年3月20日
#17岡藤正広、三木谷浩史、永守重信...「カリスマ退任」なら株価は下落する?長期政権トップの通信簿【後編】
2024年3月25日
#18東京エレクトロン、レーザーテック...半導体株を動かす「業界最注目の重要指標」とは?
2024年3月28日
あなたにおすすめ