セブン&アイ創業家・伊藤家の持ち株5580億円に相続問題、「三井物産」が引き受けの公算

ダイヤモンド編集部
有料会員限定
記事をクリップ
URLをコピー
記事を印刷
Xでシェア
Facebookでシェア
はてなブックマークでシェア
LINEでシェア
noteでシェア
セブンの死角#3Photo:JIJI

セブン&アイ・ホールディングス(HD)の創業者、伊藤雅俊氏が3月に死去した。伊藤家は雅俊氏名義を含め時価評価額5294億円もの同社株式を所有しているとみられ、その一部の株式が三井物産に売却されるとの公算が大きくなっている。商社の系列に属さず「等距離外交」を行ってきたセブン&アイHDが、ついに三井物産との提携深化に動くのか。特集『セブンの死角 伊藤忠&三菱商事の逆襲』(全15回)の#3では、伊藤家のセブン&アイHD株式の行方に迫る。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

伊藤家の求心力の低下を防ぐ秘策として
社員への株式の再分配も浮上

セブン-イレブン・ジャパン(SEJ)は、総合商社の系列に属さず、独立していることを強みとしてきた。コンビニ最大手の強い交渉力で取引先を競争させることで、競合に対して優位に立てたからだ。

SEJを傘下に持つセブン&アイ・ホールディングス(HD)は三井物産の出資を受けている(持ち分比率1.8%)のだが、それでも、三井物産は「取引先の一つ」(SEJ社員)という扱いなのである。

このドライな姿勢が端的に表れたのが、SEJのヒット作、セブンカフェを巡る取引だ。三井物産はセブンカフェに企画から関わり、コーヒーの味の作り込みに協力。当然、コーヒー豆の納入は任せてもらえると期待していた。ところが最終段階で、丸紅と競争させられたのだ。取引先を競わせることで商品力を高めるのがSEJの方針だと理解していた三井物産だったが、この出来事はさすがにトラウマになったようだ。

しかし足元で、微妙だったSEJと三井物産の関係が変わる可能性が浮上している。

次ページでは、セブン&アイHDの創業家である伊藤家の資産の詳細や、伊藤家が株式を三井物産に譲渡すると見られる理由、さらに、伊藤家の求心力低下の影響緩和策として浮上している社員への株式の分配に迫る。

記事一覧

予告

コンビニ3社の最終バトル、総合商社が本格参戦で狙う「ゲームチェンジ」の全貌

2023年7月24日

#1

【スクープ】セブン営業マネジャーは年収1000万円超、新人事制度で給与アップ&ダウンの実例を初公開!

2023年7月24日

#2

セブン-イレブン永松社長が激白!「2倍以上のペースで店舗拡大」と8割の社員の年収増やす強気の理由

2023年7月24日

#3

セブン&アイ創業家・伊藤家の持ち株5580億円に相続問題、「三井物産」が引き受けの公算

2023年7月25日

#4

ローソン&三菱商事が大勝負!「アマゾンに勝つ新型ECプラットフォーム」の全貌

2023年7月26日

#5

セブン強さの源泉「食品開発・鉄の結束」に綻び!?中食ベンダーの経営悪化&撤退で揺らぐ王座

2023年7月27日

#6

セブン・ファミマ・ローソン、社員の声に見る真の姿...「年功序列」「三菱商事や伊藤忠に不満」

2023年7月28日

#7

伊藤忠の元エース・ファミマ細見社長「コンビニの常識を変える」戦いで打倒セブン宣言

2023年7月29日

#8

ローソン竹増社長が激白「売上高を10%以上伸ばす」秘策でセブン猛追へ

2023年7月30日

#9

セブンFCオーナーの悲痛な叫び!問題再燃3大リスクは「社会保険料」「留学生雇用難」そして...

2023年7月31日

#10

絶頂セブン-イレブンの死角、「食品開発力と調達力」の強みが弱みになり"下剋上"リスク浮上

2023年8月1日

#11

ファミマ&伊藤忠「広告事業」の野望、店舗やアプリを媒体に5年後利益100億円を目指す

2023年8月2日

#12

三菱商事の出世巧者、ローソン竹増社長「8年目のジレンマ」と後継者問題の行方

2023年8月3日

#13

「セブンにしっかり言わせてもらう」総菜メーカー社長が直言!価格転嫁や収益改善は必須

2023年8月4日

#14

災害時の頼みの綱コンビニに、食料安保のインフラ役が「丸投げ」されている不都合な真実

2023年8月5日

#15

ローソン店内調理「できたて弁当」の人手不足問題、在宅勤務の"アバター店員"が救世主に?

2023年8月6日

番外編

セブン「退職金70万円超減」も!社員の不信を招いた新人事制度見直しの"巧妙な手口"とは?

2023年8月18日

あなたにおすすめ

特集

アクセスランキング

  • 最新
  • 昨日
  • 週間
  • 会員

最新記事

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /