ロシア経済の「中国経済圏入り」が着々と進行、大幅なマイナス成長は回避
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2022年のロシア経済は大幅なマイナス成長を回避した。欧米諸国中心の経済制裁が続く中、新興国への原油輸出や第三国経由での制裁の"抜け穴"を利用し、経済は一応平静を保っている。しかし、人民元経済圏化は着実に進んでいる。(第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト 西濵 徹)
2022年の成長率のマイナス幅は
想定を大きく下回る2.1%にとどまる
ロシアによるウクライナへの侵攻は、来月には開始から1年半がたとうとしているものの、現時点においては依然として事態収束の見通しが立たない状況が続いている。
ロシアによるウクライナ侵攻開始を受けて、欧米諸国などはロシアに対する経済制裁を発動した。その後も事態が深刻化していく過程で制裁を強化していった。
さらに、経済制裁に合わせて、欧米を中心とするグローバル企業が評判リスク(レピュテーションリスク)を嫌気してロシア事業から撤退するなどしたため、ロシアへの対内直接投資や証券投資など資金流入の動きも大きく縮小した。
このため、当初はロシア政府内においても昨年の経済成長率は大幅なマイナス成長(最大でマイナス12%)に陥ることが懸念された。しかし、現実には昨年の経済成長率はマイナス2.1%と2年ぶりとなるマイナス成長に陥ったものの、当初想定されたマイナス幅を大きく下回るものにとどまった。
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