佐藤優「プーチンが戦争を5年以上続ける気でいる証拠を日本メディアは見落としている」
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プーチン大統領は2月21日にモスクワで、連邦議会に対する「大統領年次教書演説」を行った。日本のメディアは詳しく取り上げていないが、佐藤優氏によると、ロシアを大きく変える「ある計画」が語られていたという。(作家・元外務省主任分析官 佐藤 優、構成/石井謙一郎)
プーチンは米国の脅威を
肥大化させて認識している
ロシアのプーチン大統領が2月21日にモスクワで、連邦議会に対する「大統領年次教書演説」を行いました。日本のメディアは、読み込み不足のためか、詳しく取り上げていません。しかし、大いに注目すべきポイントが幾つもあるので、紹介しつつ解説を加えます(日本語訳は私によるものです)。
この演説は、ウクライナへ軍事侵攻を始めてからの1年間を総括する意味を持ちます。全体を聞いて抱いた印象は、「プーチン大統領は、米国の脅威を実態よりもかなり肥大化させて認識している」ということです。プーチン大統領は、こう語りました。
第2次世界大戦後に構築された国際秩序を変更しているのは、米国であるとの認識を示しています。
特筆すべきは、核実験再開への言及です。プーチン大統領は、「悪魔崇拝」(サタニズム)を実践する西側連合の長である米国が新たな「核カード」を切ろうとしている、という考えを持つに至っています。これは危険な兆候です。演説の関連箇所を見ていきましょう。
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