韓国・尹大統領が日本の「安保3文書改定」を黙認した理由、元駐韓大使が解説
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韓国メディアの報道は
抑制されたものが多い
韓国メディアにおいて、安保3文書に関する報道では、大きく3点が取り上げられている。
第一は日本の反撃能力保有に関するものである。
各紙は、日本による反撃能力の行使にあたり、韓国外交部が事前承認を求めたと報じている。
中央日報は、当初事実関係を中心に淡々と報じていたが、19日になって、「表現は反撃能力だが、事実上は敵基地などを先に打撃できる『先制攻撃能力』ではないか」として、「韓国めぐる安全保障環境に大きな波紋」と題する記事を掲載した。
また、別の記事では、日本に事前協議を求めていることを明確にしつつ、「日本が憲法内の専守防衛概念を変更せず、厳格な要件内で(反撃能力)行使が可能だとした点に注目する」とし、日本に慎重な対応を求めている。
朝鮮日報は、安保文書の改定は、保守強硬派の念願である「反撃能力」の保有を明記したことだとし、自国はもちろん「日本と密接な関係にある他国(米国)に対する武力攻撃が発生した場合も敵国を攻撃できる。事実上先制攻撃を行う可能性を開いたものだ」との警戒感を示している。
その一方で、日本が敵国と友好国を以前に比べて明確に区分し、中国・北朝鮮・ロシアを仮想敵国に、米国・韓国・台湾を協力国・地域としたと指摘している。
中国については「日本と国際社会にとって深刻な懸念」「わが国の総合的な国力と同盟国・同志国等との連携により対応すべき、これまでにない最大の戦略的な挑戦」とした。また、北朝鮮については「従前にもまして一層重大かつ差し迫った脅威」、ロシアは中国との戦略的連携強化の動きから「安保上の強い懸念」とした。
その一方で韓国については「地政学的にも日本の安全保障にとって極めて重要な隣国」と位置付けた。
ハンギョレ新聞は「軍事大国に進む日本...約70年ぶりに『敵基地攻撃能力』を備える」と題する記事で、「『専守防衛』の原則により、70年以上にわたり『防衛』だけにとどまってきた日本の安保政策が、攻撃能力を持つことになる歴史的転換点を迎えた」と論評した。
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