かつての兄弟国がなぜ戦闘状態に?ウクライナ紛争の背景を読む
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世界は対立や紛争にあふれている。米中の覇権争い、イラン核問題、アフガニスタン、イスラム過激派テロ、台湾の緊張や北朝鮮核ミサイルなど、キナ臭さは高まる一方だ。この緊迫した世界情勢を解説した新刊書『世界の紛争地図 すごい読み方』からの一部抜粋で、世界各地の対立と紛争の背景をわかりやすくコンパクトに伝えていく。今回は、ロシアの電撃的なクリミア半島併合で火を噴き、今も緊張状態が続くウクライナ紛争について解説する。
ウクライナの欧米接近で
ロシアとの関係が険悪化
東西冷戦時代、旧ソ連はアメリカと覇権を争っていたが、冷戦終結とともに超大国の座から転げ落ちた。しかしその後、長期政権を敷いたウラジーミル・プーチン大統領の下、強国として復活。最近は対外的にも強硬姿勢が目立っている。そのスタンスが明確に表れたのがウクライナ紛争である。
ロシアは2014年に同国南部のクリミア半島を一方的に併合した。そればかりか、その後も国境地帯で挑発を繰り返しているのだ。
そもそもロシアとウクライナは民族や宗教、言語の面で非常に近いうえ、旧ソ連時代はともに連邦構成国だった。つまり兄弟のような関係といえるのだが、近年、両国の関係はうまくいっていなかった。
その原因のひとつは、ウクライナが西側の欧米諸国に接近しようとしていたことにある。
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