迫る緊迫の衆院選、日本初の女性首相はいつ生まれるか?田原総一朗の見解
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7月4日に投開票が行われた東京都議会議員選挙は、自民・公明合わせても議席数は過半数に届かず「勝者なき都議選」となった。秋までに行われる衆議院選挙の前哨戦ともいえる都議選。この結果を受けて、果たして自民党は変われるだろうか? また、女性初の首相の誕生はいつになるのか? 先月、再び菅首相と面会したジャーナリスト・田原総一朗氏に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド社編集委員 長谷川幸光)
都議選の苦戦、逆風の東京五輪開催、
迫る次期衆院選...菅政権の行方は?
1934年、滋賀県生まれ。1960年に早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。1964年、東京12チャンネル(現・テレビ東京)に開局とともに入社。1977年にフリーに。テレビ朝日系「朝まで生テレビ!」等でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。1998年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ「城戸又一賞」受賞。早稲田大学特命教授を歴任(2017年3月まで)、現在は「大隈塾」塾頭を務める。「朝まで生テレビ!」「激論!クロスファイア」の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数。近著に『こうすれば絶対よくなる!日本経済』(アスコム)、『新L型経済 コロナ後の日本を立て直す』(KADOKAWA)など。 Photo by T.H.
――東京都議会議員選挙の投開票が7月4日に行われました。自民党は33議席と、議会第1党を都民ファーストの会から奪回しましたが、前回に続き、過去2番目に少ない議席数です。今から12年前、自民党は衆議院選挙に敗北して野党に転落しましたが、その直前に行われた都議選の38議席を今回、下回ってしまいました。
自民党33議席に対し、都民ファーストの会は31議席(※(注記)選挙後7月6日に1人除名)、たった2議席の差だ。公明党は擁立候補23人全員が当選したが、自民・公明合わせても過半数に届かなかった。
要因はやはり、菅政権の新型コロナウイルス対策に対する不信感にある。世論調査では、7割以上の人が、東京オリンピック・パラリンピック(以下、東京五輪)の延期または中止を求めている。しかし、菅政権は何としても東京五輪を開催したい。東京五輪の開催が大前提であり、中止ということはまったく考えていなかった。
緊急事態宣言も東京五輪ありきのため、前回の緊急事態宣言を解除した根拠もよくわからない。東京五輪の開催が近づいたために解除したが、感染者が増加し、慌てて緊急事態宣言を再び発出した。
菅政権の目の前の目標は「東京五輪の開催」であって、新型コロナ対策に本気で取り組んでいない、国民の命を何としても守るという決意を感じられない、そういった不信感が、今の菅内閣の支持率や、今回の都議選の結果に表れている。
6月21日に再び、菅首相と官邸で面会したが、菅首相は「今は東京五輪開催で頭がいっぱいだ」と悩んでいる様子だった。東京五輪で手いっぱいだとしても、ほかの自民党議員が新型コロナ対策などのさまざまな問題に主体的に取り組むべきだが、今の自民党の議員は危機感や緊張感がない。安倍前首相や菅首相に面と向かって意見を言える者が誰もいない。このことは大問題だ。
――なぜ自民党の議員には危機感や緊張感がないのでしょうか?
日本では、菅政権がいくら批判されても、自民党に代わって政権を奪う力のある党がないからね。「菅内閣が倒れても、また自民党の誰かが首相になるだろう」。そう思っているから、自民党議員たちには緊張感が生まれない。
これが米国であればそんな悠長な意識は持つことができない。大統領が負けて政権交代が起これば、落選して職を失ってしまうかもしれない。でも自民党の議員は、日本の野党はだらしないので政権交代など起こらない、立憲民主党や共産党が政権を取ることなんてないだろうと思っている。だから自民党議員は気が緩みっぱなしだ。
――どうすれば自民党議員の気が引き締まるのでしょうか?
今はある意味、チャンスだ。
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