NTTデータ・野村総研...DX勝者は一握りで「御用聞きベンダー」は淘汰へ、IT業界の5年後
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DX(デジタルトランスフォーメーション)の大きな追い風を受けているITサービス業界。だが、実はこの恩恵を本当に享受しているといえるのは一握りの企業であり、先を見据えれば「ご用聞き」ITベンダーがもはや不要となる大淘汰時代の入り口に立つ。特集『業績 再編 給与 5年後の業界地図』(全16回)の#7では、大きく五つの収益モデルに分岐しつつある各社の動向を踏まえ、その勝ち組・負け組を分析する。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
DX≒事業会社のITシステム内製化
強みが不明確なベンダーはもはや不要に
「DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、突き詰めれば事業会社によるIT企画・運用の内製化。足元では好調でも、将来の不安は認識しておくべきだ」。産業界のデジタル投資拡大の恩恵を受けるITサービス業界について、同セクターを担当するSMBC日興証券の菊池悟シニアアナリストは、意外にも慎重な見方をにじませる。
どういう意味か。産業界は今や、猫もしゃくしも"DXブーム"に沸き立つが、顧客のIT内製化を支援する本来的な意味でDXの好影響が生じる企業は、実は一握りにすぎないのだという。
以前から表面化していた流れをコロナ禍が後押しする形となり、このところIT業界に広義のデジタル化、事業会社のシステム投資拡大の追い風が吹いてきたのは確かだ。日本の産業界全体で見れば、これからもしばらく、相対的に他業種より恵まれた外部環境にあるとはいえるだろう。
一方でIT業界もご多分に漏れず、コロナ後の世界に向けて企業の成長が「K字型」、すなわち二極化する兆候が表れ始めており、弱肉強食を投影した業界内格差が拡大するのは必至。この先を見据えれば、「ご用聞き」ITベンダーがもはや不要となる大淘汰時代の入り口に立っているのだ。
菊池氏は「日本で長らく続いたシステムインテグレーターが衰退していくという大きな変化が、DXの本質なのかもしれない」とも語る。次ページ以降、この真意について詳述するとともに、業界内の主要各社が分岐しつつある「五つの収益モデル」を分析。5年後までの業績予想、気になる年収比較と併せ、業界内の勝ち組・負け組を具体的な企業名と共に明らかにする。
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