中小企業のエンジニアが「東大技官」に、量子技術が開いた立身出世の道

ダイヤモンド編集部
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量子エリート#6Photo:triloks/gettyimages

量子コンピューターのクラウド公開をきっかけに興味を持ち、「量子星占い」という自作アプリを開発したエンジニアが、東京大学の量子コンピューター研究室の技官に転身した。本人の意志があれば、誰でも量子エリートに成り上がれる時代が到来した。特集『最強の理系人材 量子エリート争奪戦』(全6回)の最終回では、量子エリートへの立身出世の道を探る。(ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)

量子コンピューターで計算
個人で開発した「量子星占い」

きょう一番運勢がいい星座は、かに座――。

朝の情報番組の定番コーナーである星占い。自分の星座が1位になればちょっとハッピーな気持ちになるし、最下位の時はなんとなくがっかりしてしまう。星占いのコンテンツはインターネット上に多数ある中で、なんと量子コンピューターを使ったものが存在する。その名も「Quantum Horoscope!(量子星占い)」だ。

量子星占い「量子星占い」は、IBMの量子コンピューターを使って計算している

量子星占いのサイトの見た目はシンプルで、星座が運勢の順位で並ぶだけだ。そしてこの順位決めは、米IBMの量子コンピューターの計算結果を使っている。

量子星占いを開発したのは、東京大学先端科学技術研究センターの中村泰信教授の研究室で技官(学術支援職員)を務める束野仁政さんだ。ツイッター上では「@snuffkin」の名前で量子コンピューター業界の情報を精力的に発信をしている。

もともとはIT系の中小企業でプログラマーとして働き、インフラ監視などのソフトウエア開発を手がけていたという束野さん。ほとんど無縁だった量子コンピューター業界に、どうやって足を踏み入れたのか。

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