いきなり!ステーキ社長が明かす資金繰り死闘記「最初から慎重にやればよかった」

一瀬邦夫・ペッパーフードサービス代表取締役社長インタビュー

ダイヤモンド編集部
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外食大再編#6Photo by Masato Kato, Diamond

持ち株を担保に取引先から借金、ペッパーランチ事業をファンドに売却......。資金繰りに奔走したペッパーフードサービス。特集『外食大再編』(全8回)の#6では、一瀬邦夫社長を直撃し、コロナ禍での奮闘や、「いきなり!ステーキ」の再建策を明かしてもらった。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

「苦しかった」ペッパーランチ売却
勢いのあるいきなり!ステーキを残した

――ペッパーランチ事業を2020年8月に約85億円で投資ファンドに売却しました。

(売却の決断は)苦しかったよ。何もない51歳のときに、ペッパーランチをつくって育てたからね。ペッパーランチが一世を風靡したと思っているし、海外にも300店以上あって順調に育っていた。

ただ、銀行から大きな借り入れがあって、銀行に何か言われればそれで終わりかもしれないなってときに相談したんです。「ペッパーランチを買ってくれるところはあるのかな」って。誰かが買ってくれれば(会社を)救うことができるから。

(いきなり!ステーキとペッパーランチの)両方を会社に置いていくわけにはいかなかった。でもね、同じ会社に二つのブランドがあるのはすごくぜいたくなことだよね。いきなり!ステーキの勢いは圧倒的にすごかったし。

――いきなり!ステーキの方が、勢いがあったから本体に残すと。

勢いはあったけど、急激に失速しちゃったよね。

――業績の悪い事業を損切りし、安定している事業を手元に残すケースも多いです。なぜ安定したペッパーランチの方を売却したのですか。

全然その(安定した方を残す)発想はなかったな。僕はいきなり!ステーキの方が可能性はあるなと思った。東京でバンバン出店した後、米ニューヨークで11店もやったけど、店を出し過ぎたことで駄目になったのではなくて、「商売の仕方」が間違っていたんだと思う。

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