韓国・文大統領の演説に見る日韓関係悪化の元凶、元駐韓大使が解説

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万歳三唱する韓国の文在寅大統領光復節で演説し、万歳三唱する韓国の文在寅大統領 写真:代表撮影/ロイター/アフロ

文在寅政権を取り巻く現状は厳しさを増している。とりわけ日韓関係は、文政権下では修復困難だといえる。

そうした中で、文在寅大統領は14日、忠清南道天安市で行われた「日本軍慰安婦被害者をたたえる日」にビデオメッセージを寄せた。さらに翌15日には、ソウル市内で行われた「光復節(解放記念日)」記念行事に出席し、演説を行った。

2つの公式発言に込められた文政権の対日姿勢は、日本に対する直接的な批判は避けており、これ以上日韓関係を悪化させないようにするという姿勢が見えるとの評価もあるものの、内容はいずれも従来の虚しい主張を繰り返したものだった。

演説で欠けていた大局的な視点

慰安婦問題については、韓国では常に挺対協(後に正義連)が市民運動を通じて、韓国政府の見解や姿勢に強い影響を与える存在だった。しかし、元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)氏による挺対協(正義連)の不正を批判する記者会見が行われて以降、挺対協(正義連)の運動は一般市民から遊離し始めている。

これまで日韓両政府による慰安婦問題の解決を妨害してきたのは挺対協(正義連)である。運動を通じて利権集団と化してしまった挺対協(正義連)にとっては、慰安婦問題が解決すると、それまでの利権と存在意義を失うからだ。

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