「狙い目は5000億円級」カーライルが今、日本の大企業に照準を定める理由

山田和広・カーライル・ジャパン代表インタビュー

ダイヤモンド編集部
有料会員限定
記事をクリップ
URLをコピー
記事を印刷
Xでシェア
Facebookでシェア
はてなブックマークでシェア
LINEでシェア
noteでシェア
ファンド大買収#5Photo by Toshiaki Usami

世界最大級の米投資会社カーライル・グループが、日本でのバイアウト(買収)に本格的に動き始めた。コロナ禍のさなかの今年3月、業界では過去最大規模の日本特化ファンドを設立。年内にも複数の投資案件を「ダン」するもようだ。2000年の日本拠点開設以来、26社に総額3000億円以上の投資実績がある外資系プライベート・エクイティ(PE)ファンドの雄は今、コロナ禍にあえぐ日本企業をどう見ているのか。特集『開戦 ファンド大買収』(全10回)の#5では、カーライル・ジャパンの山田和広代表を直撃した。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)

コロナ禍によって
企業の整理統合が起こる

山田和広カーライル・ジャパン代表カーライル・ジャパンの山田和広代表 Photo by Toshiaki Usami

――コロナ禍における日本の産業界の現状をどう見ていますか。

コロナ禍は過去の危機やリセッション(景気後退)とは違う。典型が飲食業で、例えば100席のレストランがソーシャルディスタンスを保とうとしたなら、全席埋まらなくなる。こうした消費行動や社会の構造的な変化が起こり、おそらくさまざまなビジネス市場でコロナ以前の100パーセントを取り戻せない。

そうなれば大きなビジネスモデルの変化が必要となる。DX(デジタルトランスフォーメーション)やデジタル化を進めなければ生き残れない。全ての企業が生き残れないのであれば、コンソリデーション(整理統合)が起こらざるを得ない。

日本のコングロマリット(複合企業)には、ノンコア事業が多いという認識は以前からあったが、なかなか変革が進まなかった。それは国内に十分なマーケットがあり、変わらなくてもサバイブできたから。アクティビスト(物言う株主)が少ないこともあり、経営者もマーケットをあまり気にしなくて済んだが、今後は企業側が自ら変革しなければ生き残れない。

記事一覧

予告編

大買収時代の号砲!コロナ下で「爆買い」もくろむ投資ファンドの正体

2020年7月27日

#1

日立は日本最強の「子会社売り上手」、投資ファンドも舌を巻く売却術

2020年7月27日

#2

武田「アリナミン」4000億円売却の舞台裏、ファンド主導大買収時代の号砲

2020年7月27日

#3

M&A業界が熱視線の「出物案件」、日立のあの子会社・パナのあの事業...

2020年7月28日

#4

KKRがコロナ禍でも「4カ月で1.6兆円投資」するほど強気な理由

2020年7月28日

#5

「狙い目は5000億円級」カーライルが今、日本の大企業に照準を定める理由

2020年7月29日

#6

ファンドがコロナ禍で大買収に乗り出す理由、M&A最前線をデータで解明

2020年7月29日

#7

東芝半導体2兆円案件に続く出物の在りか、ベインが語る「次のチャンス」

2020年7月30日

#8

和製投資ファンドの逆襲が始まる!知られざる「世代交代」と遅れてきた主役

2020年7月30日

#9

官製ファンドが3兆円に資金枠肥大、懸念深まる「政府の財布」化

2020年7月31日

#10

「ゾンビ企業は救済せず」は本当か、3兆円官製ファンドのトップを直撃

2020年7月31日

この記事に関連する企業

あなたにおすすめ

特集

アクセスランキング

  • 最新
  • 昨日
  • 週間
  • 会員

最新記事

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /