スタバはなぜ「接客マニュアルなし」でも人が育つのか
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「Made in Japan」が物語るような、製品のみで勝負できる時代は終わり、サービスとアイデアで勝負する企業が勝ち残る時代となりました。今や経営の浮沈を握るのは「人」です。そして、人材という経営資源を最大限に有効活用できるようにすることが人事の役割です。「管理」するための人事から、「勝つ」ための人事へ――。『人事こそ最強の経営戦略』の著者であり人事戦略コンサルティングの第一人者・南和気氏が、人事が経営を変えていった企業を紹介していきます。今回は、スターバックスコーヒーを取り上げます。
スターバックスコーヒーの驚異的な成長
日本進出から20年で、店舗は1300店超え
スターバックスコーヒーの創業は1971年、日本の第一号店(銀座)がオープンしたのは1996年です。ちょうど今年大学を卒業した年代の方々にとっては、生まれたころからスターバックスコーヒーが日本にあったということになります。
日本進出から約20年の間に、店舗数は1328に達し(2017年12月)、今や日本でも最も店舗数の多いコーヒーチェーンに成長しました。
ほぼ同時期に日本に進出したタリーズコーヒーの店舗数が約半分の685店(2017年12月)であることと比較するだけでも、激戦のコーヒーチェーン業界でいかにスターバックスコーヒーが他を圧倒しているかが分かります。
スターバックスコーヒーが進出する前の日本におけるコーヒー店の業態は、二分されていました。
まず、その一つである「喫茶店」は、サラリーマンが喫煙しながら、スポーツ新聞を読んで休憩する場所でした。もう一方の、ドトールコーヒーを筆頭とした「セルフサービス店」は、150円でアメリカンコーヒーを提供し、手軽さを売りに成長していました。
しかし、それから20年後、スターバックスコーヒーはドトールコーヒーの店舗数すら抜き去り、禁煙の店内で、若者や女性、外国人客が300円、商品によっては1000円に迫るようなコーヒーを楽しむ風景を当たり前にしました。
ここで着目すべきなのは、「スターバックスコーヒーは、日本でテレビCMを行っていない」ということです。今でこそSNSなどの広告手法もありますが、日本進出当時は、まだそういったインターネットによる拡散も効力が大きいわけではありませんでした。それにもかかわらず、リピーターによる口コミが、スターバックスコーヒーを現在に至るまでの成長に導いたのです。
では、日本人はなぜ、他のコーヒー店ではなく、スターバックスコーヒーを支持したのでしょうか?
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