それでも金融業界を目指す若者へ

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経済的な条件も大きく悪化
金融業界の人気はかつてほどではない

現在発売中の『週刊ダイヤモンド』(3月17日号)は、「銀行・証券 終わらざる危機」と題して、金融業界を特集している。メガバンクの大口融資問題、証券会社の仕組み債による損失、地銀が抱える不良債権、日本国債の暴落が起こった場合の影響など、現在金融業界が抱える深刻な課題が取り上げられている。

この特集の中に、「Part5 金融業界エリートの凋落」(P56〜61)という、就活学生にはもちろん、大人のビジネスパーソンにも興味深い記事があった。銀行・証券の2業界を中心に外資系まで含めた金融業界の経済的な処遇条件と、人気を含む就職事情を伝えている。

詳しくは、ぜひ記事を見て欲しいが、30代初めで年収1000万円に達することが十分可能なメガバンクをもってしても(とは言っても、かつてよりも仕事も行内競争もきつくなっているのだが)、就活学生の人気はかつてほどではなく、特に、企業が欲しがる有名大学のトップグループの学生が集まりにくくなっているという。たとえば、メガバンクよりも大手総合商社の方が人気は高いらしい。

また、一時学生の人気を集めた外資系の金融機関も、経済的な条件が大きく悪化し、また、先輩たちがリストラされる様子を見て、人気が離散しているという。外資の場合、過去3年半でざっと2割に当たる6000人の雇用が失われたといい、会社によっては、部分的なリストラだけでなく、東京オフィス自体の撤退の可能性もある。

とはいえ、新卒の就職あるいは、転職で金融業界を目指そうとする若者は少なくない。

たとえば、働き盛り・稼ぎ盛りの30代に業界全体が不調に陥る巡り合わせになると厳しいが、若者が就職する場合、不調の時期に実力を蓄えて、またいつかは来るはずの金融業界の旬の時期に大いに活躍することを目指すという戦略はあり得る。

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