医者の意外な収入事情、実は眼科が儲かる理由
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カネ持ちの象徴のように語られることも多い「医者」。実際に彼らはどれくらい稼いでいるのか?その懐事情を統計資料から詳しく見てみよう。(ノンフィクションライター 和泉虎太郎)
医療法人の病院長は年収3000万
意外につつましい「医者の年収」
医者かパイロットか、はたまた野球選手か。カネ持ちの象徴のように取り上げられることが当たり前になっているのが医者。では、どれくらいカネ持ちなのか。医者の収入もまた、政府の統計からある程度の姿が見えてくる。
厚生労働省が2年に1回公表している医療経済実態調査(医療機関等調査)という統計がある。医療機関の診療報酬の改定などの基礎資料として使われるもので、一般に注目度が高いものではないが、これを詳細に見ていくと、医師の平均的な収入の実像が見えてくる。最新、第21回調査は2017年11月に公表されている。
医師は勤務医と開業医に分けられる。医師が勤務医として雇われて働く職場としては、病床20床以上の病院、19以下の有床診療所、ゼロの無床診療所がある(診療所は医院と称することが多い)。
診療所には、個人経営と医療法人経営がある。一方、病院の経営主体は国、地方自治体、日赤などの公的団体、社会保険関係法人、そして私的な医療法人に分けられる。開業医とは医療法人の理事長、もしくは個人経営の診療所の管理者がそれに当たると考えればいい。
医療経済実態調査では、それぞれの勤務実態によって医師の給与、収入がまとめられている。まずは病院を見てみよう。病院長は国、公立、公的な病院の平均で2094万円、勤務する医師が1471万円。これが私的な医療法人になると病院長が1000万円超アップの3161万円になるが、医師は大きな差はなく1517万円である。
勤務医の1500万円前後という年収は、もちろん、上場企業の平均給与(17年3月決算、東京商工リサーチ調べ)の628万円の倍以上という高給ではあるが、総合商社やテレビキー局、全社員の平均値しか公表されないため統計には出てこないが大手金融機関の総合職と大差はない。病院長を組織のトップと見なすならば、上場企業の年収1億円を超える役員は500人いるから、3200万円も驚くほどの高給とも言えない。
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