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Artwork by JACOB THOMAS

大転換を見極める指標

3つの指標で長期的な変化を読み解く

サマリー:不況期には、コスト削減や売上げの拡大といった短期的な目標やGDP成長率、失業率といったマクロ指標に目が向きやすいが、これらをうのみにしていると、今後の変化を見誤る可能性が高い。筆者らは、過去40年分のデー... もっと見るタ収集と調査により、25の評価基準からなる3種類の指標を開発した。 閉じる

2023年4月3日以前に定期購読へのお申し込みをされた方は、こちらをご参照ください。

高い生産性、低い利益率

深刻な不況にあって、経営者たちは、コスト削減、売上げや市場シェアの拡大といった短期的な業績目標にやっきになる。その一方で、エコノミストたちは、事業環境全体の健全性を評価するために、GDP成長率、失業率、貿易収支といったデータを分析する。

しかし、これら伝統的な評価基準ばかり見ていると、長期的な変化を見落してしまう。そこには、これまで経済価値の源泉として当然視されてきたものを陳腐化する力が秘められている(実のところ、すでに時代遅れになっているかもしれない)。おそらく景気が回復しても、企業利益は依然、低迷し続けるだろう。

伝統的な評価基準だけでは、アメリカ企業とアメリカ経済が直面する課題やチャンスを把握できない。その理由として、とりわけ演算処理能力、帯域幅、記憶容量など、大半の産業を支えるデジタル・インフラが急ピッチで向上し続けていることが挙げられる。

たとえば、1世代前のインフラによって、電話や内燃機関など基盤技術にイノベーションが次々に起こり、あっという間に定着した。しかし現在、新しいデジタル・インフラには、まだ定着の兆しは見えない。

とはいえ、このことをひるがえすと、過去40年間で2倍以上になった競争集約度(競争の激しさ)が依然上昇し続けているだけでなく、デジタル・インフラがビジネス・イノベーションの可能性と必要性を高めていると考えられる。

経営者たちは、まさしく難局に直面している。その一助となるよう、今日の競争環境における、次の3種類の「変化の波」を理解するフレームワークを提示したい。

・大きな変化をもたらす「基盤」

・企業の生産性を高める知識など、資源の「フロー」

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最近、デロイトを退く。在職中にシリコンバレーを拠点とする同研究所を創設。シリコンバレーに長らく在住し、著述活動にも積極的に取り組む。最新刊The Journey Beyond Fear (未訳)など8冊の著書がある。同書に基づくプログラムを提供する新しい研究所の設立を計画している。
南カリフォルニア大学客員研究員

デロイト・センター・フォー・ジ・エッジ独立共同会長。ゼロックスのチーフサイエンティストやパロアルト研究所(PARC)所長を務めた。共著A New Culture of Learning(未訳)や『「PULL」の哲学』など多数の書籍や論文がある。

デロイト・センター・フォー・エッジ エグゼクティブ・ディレクター

デロイト・センター・フォー・エッジのエグゼクティブ・ディレクター。

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