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保育における屋外空間活用の方策推進に関する普及事業

1.普及事業の名称 保育における屋外空間活用の方策推進に関する普及事業
2.事業の概要
(実施期間/会場/講師等)

2017年に都市公園法が改正され公園内に保育所を設置することが可能となった。地域のインフラである公園と子育てインフラである保育所が一体で整備されることは、子どもの外遊び環境が多彩になるとともに、地域社会の活性化にもつながるものである。しかし現段階では、土木と福祉行政にまたがる制度の複雑さ、関係者の多さ、保育所の置かれている状況、公園自体の課題など、さまざまな課題がある。
子どもの成育環境の改善に取り組む女性建築士のあつまりである(一社)園Powerでは、首都圏の公園内保育所の現状を把握し、改善策の道筋を広く共有するため、クロストークプロジェクトを行った。
1. 現地視察・関係者ヒアリング
(2019年6月~12月 首都圏を中心とする各所)
2. ラウンドテーブル(ゲストの専門家と園Powerメンバーによる)
1)第1回「公園内保育所設置・現状の課題をさぐる」
(2019年9月19日 東京ウィメンズプラザ)
ゲスト:
三輪 律江氏(横浜市立大学 准教授/ 地域と保育の研究者)
笹田 裕一氏(社会福祉法人みわの会 理事兼事務長 / 公園内保育所事業者)
上垣内 伸一氏(ウエガイト建築設計事務所 代表 / 公園内保育所設計者)
上條 淳子氏(ジラフ建築設計事務所 代表/ 公園内保育所設計者)
2)第2回「公園について理解を深め、活性化の可能性を探る」
(2019年11月24日 東京ウィメンズプラザ)
ゲスト:
石川 純氏(都市計画研究所 専務取締役 / 公園設計者)
梶木 典子氏(神戸女子大学 教授 / 日本冒険遊び場づくり協会副代表 / IPA日本支部事務局長 / 公園利用・子どもの外遊び環境研究者)
齋藤 紘良氏(社会福祉法人東香会 理事長 / まち保育を行う保育事業者)
3. クロストーク「保育∩公園~待機児童対策を超えた公園内保育園の可能性~」
(2020年1月11日 東京大学弥生講堂セイホクギャラリー)
1)第1部 レクチャー「専門家・先駆者から学ぶ」
町田 誠氏(千葉大学・横浜市立大学 非常勤講師 / 元国交省都市局公園緑地・景観課長):公園の未来的活用について
山下 秀之氏(長岡造形大学 教授 / 長岡市子育ての駅千秋「てくてく」建築と公園の設計者):先駆的公園内子育て支援施設について
園Power:活動報告
2)第2部 ワークショップ「あったらいいな!こんな公園内保育所」
園Powerメンバーをファシリテータとして6グループによる具体的提案の提示
4. 冊子「クロストーク『保育∩公園~待機児童対策を超えた公園内保育園の可能性~』」
1000部作成(今後配布予定)

3.事業の成果・効果
(対象者/参加者数/成果物等)

. ラウンドテーブル
1)第1回「公園内保育所設置・現状の課題をさぐる」
公園内保育所設置に関わった3組の専門家を招き、設置の背景や開園までのプロセス、現況把握と課題の要因・解決法、公園内保育所に期待されること等について議論し、課題への理解を深めた。
2)第2回「公園について理解を深め、活性化の可能性を探る」
公園設計・研究・活用に関わる3人の専門家を招き、公園の関連制度、社会的役割、現在の課題、活用方法などについて議論し、公園内保育所のポテンシャルを明らかにした。
2.クロストーク「保育∩公園~待機児童対策を超えた公園内保育園の可能性~」
1)対象者:事業者、行政、設計者、公園関係者など、公園内保育所に関心のある専門家
2)参加者数:54名(主催者・講師含む)、内訳:建築設計者33名、公園設計者・関係者6名、研究者5名、行政3名、保育事業者2名、遊具メーカー2名、その他3名
レクチャーを通し、公園の新しいあり方・地域に求められる公園づくりについての具体的な施策、保育施設が公園と一体で整備されることにより地域コミュニティが豊かになる事例、首都圏における現状を共有した。ワークショップでは、公園本来の機能を尊重し、保育所設置が障害となるのでなく、現在の公園の課題をプラスにかえるきっかけとなる公園内保育所の在り方について、6グループによる具体的提案が提示された。多分野の専門家の参加を得て活発な議論が展開され、多様な視点が提られた。アンケートによる参加者の満足度も高かった。
3. 冊子「クロストーク『保育∩公園~待機児童対策を超えた公園内保育園の可能性~』」
ヒアリング・ラウンドテーブル・クロストークを通じて多くの関係者・専門家との対話によって得られた知見を集約し、最後に園Powerによる提案を作成して冊子にまとめた。公園内保育所をきっかけとして、地域資源である公園が活性化され、地域コミュニティが豊かになり、地域全体で子どもを育てる視点が共有される、そのための制度とハードについての方向性を示すことを目指した。スタートしたばかりの公園内保育所制度の今後の展開の一助となるものとして、保育に関わる様々な関係者に配布するとともに、来年度以降のワークショップや講演会などにも活用していく。


ラウンドテーブル


クロストークでのワークショップの様子


クロストーク記念撮影

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[画像:公益財団法人 建築技術教育普及センター]

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