子どもを対象とした構音訓練体験👄

2025年07月14日 授業紹介 | 固定リンク 投稿者: いけだ

今年度は、機能性構音障害の講義の訓練に関するコマを担当しました。

機能性構音障害とは、唇、舌、頬、口の中の天井等、お話するときに使う器官に問題はなく、麻痺などで口を動かしにくいという機能的な問題もないけれど、発音が不明瞭であることです。

発音の仕方を間違って学習しているため、子どもは/カ/と言っているつもりでも、/タ/等他の音になってしまいます。

その場合、「亀🐢」を見て「メ」、「お母さん👩」と呼ぶ時に「オアサン」となります。

「タじゃないでしょ、カでしょ」と指摘するだけでは、正しい発音に修正することは難しく、言語聴覚士による訓練が必要となります。

講義の演習において、池田が子ども役、学生さんがST役になって、構音訓練を行いました。

間違っている発音方法を正しい発音方法に導く訓練の講義はすでに行ったので、演習では、正しく発音できるようになった1音を日常生活において自然に使えるようにする訓練準備を行うように指示。

教材も自作してもらいました。

全班、子どもの視点に立って、理解しやすい工夫をしており👍でした。

全班の教材を紹介したいところですが、一部紹介します。

【音作り /ハ/が/ア/の発音になってしまうケース】
風マークは/ハ/の子音/hhh/を示し、風と母音/ア/と少しずつくっつけることをわかりやすく図示していました。
離れていた2つの家をすこしずつ近づけることを示し、子音と母音をくっつける作戦とのこと。
[画像:Photo_20250714175901]

【正しい発音方法に導いた1音を母音とつなげる】
この班は、母音の色を変えてわかりやすくしていました。
[画像:Photo_20250714180201]

この班は、ひらがな文字の読みが安定していないケースと想定して、母音の横にその音を想起しやすい絵を書いていました。
[画像:Photo_20250714175802]

【単語レベル(ターゲットの音が入った単語)】
自作の絵カード。上手ですね👏👏👏
[画像:Photo_20250714175903]

この班も絵カードを自作していました。
ポイントを押さえているのでとてもわかりやすい絵です。
その場でサッと提示することが重要!!!
子どもがそれと分かればいいんです。
(絵を上手に描けないので、いつも呪文のように唱えています)
[画像:4_20250714175801]

文字を読むことができる子どもは、文字のみの教材でOK
ターゲットの音が単語のどこにあるのかによって難易度が異なります。
色分けしているので、わかりやすいですね。
[画像:3_20250714175802]

【文レベル、絵本レベル】
この班は2単語をつなげた2語文を自分たちで考えました。
最後の文が「また、あした!」になっていることがポイントだそうです。
最後の文まで頑張ったら「おしまい」ということ。
子どもはどこまで頑張れば良いかの見通しを持つことができます。
[画像:3_20250714175801]

ターゲットの音が出てくる本はどれかなと真剣に選んでいます。
/ツ/はどの絵本にも出てこないと言っていました。
[画像:Photo_20250714175801]

この班は、「だるまちゃんとかみなりちゃん」の絵本を選択。
[画像:Photo_20250714175904]

ある班は、配布したA4の白紙を折りたたんで、自作のミニ絵本を作っていました(写真を撮り忘れました。残念😢)。

他班が作成した教材、訓練の進め方、子どもへの声かけを見て、訓練の引き出しが増えたという感想が多く寄せられました。

重要なのは、子どもが何をどのように頑張れば良いかをわかりやすく提示すること。そして、飽きることなく反復練習を行える工夫です。

日常生活において正しく発音できるようになったら訓練は終了となります。

訓練を早く終了させるためには、自分のやり方を押しつけるのではなく、訓練を行いながら子どもをよく観察し、「こうかな」「ああかな」と考えながら対応することがポイントです。

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