校長日誌
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2学期が始まりました
本日始業式を行い2学期が始まりました。夏季休業中は、和国生一人一人が充実した夏を過ごしてくれました。約100名が参加した海外研修では、始業式の報告で代表生徒が、「この経験をもとに何事にも失敗を恐れずに挑戦したい」と話してくれました。2学期も和国生それぞれが自分らしく充実した時間を過ごしてもらいたいと思います。
【始業式校長講話】
皆さん、おはようございます。校長の堀です。
本日から2学期がはじまります。
皆さん、夏休みはいかがでしたか。大きな事故等もなく、皆さんがこうして2学期を迎えられたことをうれしく思います。
部活動では、インターハイやコンクールでの活躍が光りました。
少林寺拳法部とフェンシングの3年8組 岩橘 英莉花さんが活躍してくれました。また、文化部では吹奏楽部が2年ぶりに西関東大会出場を決めました。西関東大会では素晴らしい演奏を期待します。
また、3年生の皆さんは進路に向けて、充実した夏休みだったでしょうか。特に7月の「夏の集中勉強会」では100名余りの生徒が参加し熱心に勉強していました。皆さんの秋以降の頑張りを期待しています。
また、海外研修関係では、アメリカ、オーストラリア、フィリピン、インドネシアと多くの生徒が研修に出かけました。たいへん貴重な経験をされたと思います。ぜひ、周りの人たちとその経験を共有してください。そして、日々の高校生活に生かしてください。
さて、この夏は、先の大戦、第二次世界大戦の終戦から80年ということで、各メディアで多くの報道がされましたので、みなさんも関心を持った人も多かったと思います。
今日お話したいのは、なぜ日本はあの悲惨な戦争に進んでしまったのか、そうならないためにはどうしたらよいか、ということです。これは諸説ありますが、日本人は周囲の「空気」というものを非常に気にする国民である、ということも大きな原因であると言われていることです。
第二次世界大戦が始まると、日本では「空気」によって意見が一つにまとまる現象が見られました。これは、軍部の強い影響力や、国家の存続をかけた戦争への参加が背景にあります。政府やメディアが戦争を美化し、国民の意識を統一することで、異論を唱えることが難しくなり、個々の判断よりも集団の意見が優先される状況が生まれました。このような状況では、反対意見を持つことが社会的に許されない雰囲気が形成され、結果として多くの人々が「空気」に流されることになりました。
実は、日米開戦前「総力戦研究所」というエリートたちがこの戦争をシュミレートした結果、「圧倒的敗北」ということが出ていたそうです。
しかし、そのような結果を無視しても、多くの人々が「空気」により戦争を支持してしまいました。
今の日本でも、周囲の「空気」というものを非常に気にする国民である、ということはあまり変わっていないと思います。組織や社会の「空気」に抗うことが難しい、と言われていますが、皆さんは、まず自分の考えをしっかり持ってください。それには多くの知識を得ることと、多くの経験をすることです。他の人の意見に安易に流されるのではなく、自分自身でしっかり考え行動する人になってもらいたいと思います。
さて、3年生は、いよいよ和国で授業を受けるのもあと半年です。受験に向かう不安はあるでしょうが、全国の受験生みんな同じです。苦しい時は周囲を見渡してください。いままで頑張ってきた友人たちとがんばってください。
2年生は、11月に修学旅行が控えています。勉強・部活・学校行事すべてを自分たちが牽引する気概を持ってがんばってください。
1年生も、学校にも慣れ自分のペースをつかめてきたころだと思います。ぜひいろいろなことにチャレンジしてください。もちろん失敗してもOK、そこから学べることも多いはず。 “The only failure is not to try” の精神でがんばってください。
1学期が終了しました
本日終業式を終え、1学期が終了しました。終業式では、インターハイに出場する少林寺拳法部、フェンシングの壮行会を行いました。また、夏季休業中に海外研修に行く生徒代表からのあいさつもありました。3年生は受験勉強が本格化します。夏の集中勉強会には100名以上の生徒が参加し、1日10時間以上の勉強を目指します。海外研修には、オーストラリア2コース、ボストン、フィリピン、インドネシアに約100名近い生徒が出かけます。さまざまなことに挑戦し、頑張る和国生を応援しています。
【1学期終業式校長講話】
第1学期も今日で終了します。皆さんにとって、この4カ月はどうでしたか。
皆さんは、勉強を中心にしながら部活や学校行事によく頑張ってくれました。
まずは部活動ですが、どの部活動もよく頑張りました。確かに、部活動と勉強との両立は大変ですが、部活動をやり通すことの意義は大きなものがあります。先ほど表彰、壮行会を行いましたが、全国大会に出場する部活動は、ぜひ日頃の成果を発揮して頑張ってください。
学校行事については、6月の文化祭がありました。4000人余りの方に来場していただき、大変盛り上がりました。各クラスや部活動等が趣向を凝らしたいへん素晴らしかったです。裏方として一生懸命働いていただいた実行委員や委員会の皆さんもご苦労様でした。
今日は、「すぐ役に立つものは、反面、すぐに役に立たなくなる」という話をします。
「すぐ役に立つものは、反面、すぐに役に立たなくなる」とはかつて慶應義塾大学の塾長であった小泉信三氏の言葉です。日本では、1990年代半ばから、「すぐに社会に役立つ人材、即戦力を出すべきだ」という声が強まってきました。教養教育が軽視され、早く専門教育をすべきだという考えが産業界からも聞こえてきました。
一方で米国の大学では伝統的に教養教育を重視してきました。結果として、米国ではグーグルやアマゾンといったいわゆる「GAFA」と呼ばれるIT企業が世界を席巻したのに対して、最近日本ではそのような世界企業が生まれていないのが現状です。海外では、複数の学問を専攻する学生が多くいます。例えば、医学と音楽とか、文学とスポーツとか。一つのことに集中することは大切なことですが、幅広いことに興味を持ち、追求していくことも非常に大切なことです。
いま、私たちは様々な課題に直面しています。国内外で課題が山積し、そのいずれもが正解のない、あるいは正解が一つとは限らない複雑で困難な時代です。そのような世の中を生きていくには、専門分野に限定せず、様々な分野の知識を得ることが大切です。「すぐに役に立たないかもしれないが、生涯にわたって役に立つ本物の知識、人間力をつける」、まさに「教養(リベラルアーツ)」が必要です。
皆さんも、例えば、学習にしても、特定の科目しか興味を持たないのではなく幅広く勉強し、また、学校行事や部活動やボランティアにも積極的に関わり、自分自身の「教養」を幅広く身につけてください。
次の話は、選挙についての話です。20日は参議院選挙の投票日です。3年生の皆さんの中で18歳になった人は、家に投票券が届いていると思います。ぜひ皆さん、投票にでかけてください。世の中よくならないとか、文句を言っているだけでは変わりません。まずは行動することが大切です。皆さんの身近なことと言えば、例えば消費税の問題とかあると思います。国の政策を決めるのは議員です。それを選ぶのは皆さんです。皆さんは5月の生徒総会で積極的に議論を交わしていました。是非とも自分たちでこれからの世の中を良くしていくという意識を持ってください。
最後に、夏休みに入るにあったって、それぞれの学年の皆さんにお話しします。
3年生にとっては、いよいよ受験本番です。
高校時代を振り返ってみたときに、記憶に残るくらい勉強してください。自分の時間のすべてをひとつのことに集中できることは長い人生でもそんなにはありません。勉強だけできる苦しさとそして幸せを感じながら、心と体の健康管理をしっかりして頑張ってください。
1,2年生にとっては、様々なことに挑戦して頑張れるときです。部活動しかり、勉強しかり、自分の興味のあるものに全力で取り組んでください。まさに、The only failure is not to try. です。この中で海外研修に出かける人もいますが、是非いろいろと経験してきてください。きっと皆さんにとって、人生における大きな財産となるでしょう。
また、この時期に考えてもらいたいことは、将来のことです。皆さんは漠然と大学に行くと考えていませんか。その先のことをぜひ考えてください。将来どんな仕事をしたいか、そのためにどんな道があるのかを考えることが必要です。夏休みは時間がたくさんあります。そのための時間にしてください。
9月1日、元気に登校してください。
令和7年度第1学期始業式、令和7年度入学式を行いました
本日、午前中に1学期始業式、午後に入学式を行いました。
始業式では、ノーブレス・オブリージュ(Noblesse Oblige)を意識した生活を心がけることと、失敗を恐れず挑戦することの大切さを、アフガニスタンでの医療活動や農業支援に尽くされた中村哲さんのことを紹介しながらお話ししました。生徒の皆さんには、自分自身のみならず周囲の方たちのことも考えて行動し、成長してもらいたいと願っています。
入学式では、始業式でも話した「挑戦することの大切さ」と「コミュニケーションをとることの大切さ」をお話ししました。本校では、学校行事や部活動、生徒会活動、そして本校ならではの海外研修など、自分自身を高められるプログラムが豊富にあります。それを活かすかどうかは皆さんひとりひとりにかかっています。ぜひ本校での3年間の高校生活を通してたくましく成長することを期待しております。
以下に「始業式校長講話」と「入学式式辞」を掲載します。
【始業式校長講話】
皆さん、おはようございます。
さて、今日は、新年度スタートの特別な日に当たります。私から二点お話をします。
まずは、ノーブレス・オブリージュ(Noblesse Oblige)ということについてのお話です。
ノーブレス・オブリージュ(Noblesse Oblige)という言葉は、フランス語に由来し、直訳すると「貴族の義務」という意味になります。この概念は、特権を持つ者にはその特権に伴う責任があるという考え方を示しています。つまり、社会的地位や資源を持っている人は、社会や他者に対して善行を行うべきだということです。
何か特別な人のことを言っているようですが、皆さんにもこのノーブレス・オブリージュの考え方を意識してほしいと思います。高校生活を送りながら、そしていずれ将来的に社会に出て、さまざまな役割や立場に就くとき、自分の持つ能力をどのようにほかの人のために活かしていくかということを考えてもらいたいということです。
例えば部活動や学校行事、ボランティア活動の中で、この考えを活かすことができます。活動を通して自分自身の力を、周りの人のためにどのように役立てていったらよいのかを常に意識してください。しかし、これはすでに普段から皆さんが当たり前のこととして行っていることかもしれませんが。
また、自分と違う背景や状況を持つ人々のことを理解し、助けることも大切です。すなわち多様性を尊重することですね。これも大切なノーブレス・オブリージュの考えです。
すなわち、ノーブレス・オブリージュの考えは、特定の階級や社会的地位といった難しいことではなく、だれにでも当てはまる考え方です。周囲の人々のことを考え、自分がどう行動したらよいかを考えていきましょう
続いては、いつもお話ししていることですが、「失敗を恐れずチャレンジしよう」ということです。
今日は今日は中村哲さんのお話をします。
中村哲さんは、日本の医師であり、アフガニスタンでの医療活動や農業支援を通じて、多くの人々に影響を与えた方です。彼の人生は、挑戦と思いやりに満ちていました。
中村さんは、アフガニスタンの医療が不足している状況を見て、自ら赴いて医療活動を行いました。彼の挑戦は、単に医師としての活動だけでなく、農業や水の供給にも関与することで、地域社会の持続可能な発展を目指すものでした。
中村さんは、アフガニスタンでの活動を続ける中で、戦争や治安の悪化など多くの困難な状況に直面しました。それでも彼は、現地の人々の幸せを第一に考え、決して諦めずに活動を続けました。挑戦することは、必ずしも容易ではなく、時には辛いこともありますが、中村さんの姿勢は「困難を恐れず行動すること」が重要であることを教えてくれます。
残念ながら中村さんは、2019年12月に、アフガニスタンのジャラーラーバードにおいて、車で移動中何者かに銃撃を受け、お亡くなりになりました。
中村哲さんの生涯は、皆さんに挑戦することの大切さを具体的に示していると言えます。自分の信念を持ち、他者のために行動する姿勢は、多くの人に感動を与え、多大な影響を生むことができます。皆さんも、小さな挑戦から始めることで、自分自身を成長させ、周囲の人々へ良い影響を与えることができるのです。挑戦することを恐れず、一歩を踏み出してみましょう。
終わりに、新入生も入学してきます。新入生が太刀打ちできないほど、あらゆる面で立派な先輩になってください。
新学期が皆さんにとって実り多きものになることを期待して、私からの話を終わります。
埼玉県立和光国際高等学校 令和7度第39回入学式 式辞
桜の花が咲き誇る春爛漫の季節となりました。
この佳き日に、令和7年度埼玉県立和光国際高等学校第39回入学式を挙行できますことは、私ども教職員にとりましても、この上ない慶びとするところであります。ご多忙の中、PTA会長 八子 朋弘 様、後援会会長 伊藤 文江 様をはじめご来賓の皆様、また、多数の保護者の皆様のご臨席を賜り、心から御礼申し上げます、
ただ今、入学を許可しました317名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
私たち教職員はもとより、在校生一同、心から皆さんを歓迎いたします。入試を突破し、本校への入学切符を手にすることができたのは、ひとえに皆さん一人一人が、充実した中学生活を送り、一生懸命勉強に取り組んできた努力の賜物です。
それと同時に、我が子のことをかけがえのないものとして何よりも大切に慈しみ、いつも暖かく見守り応援してくださったご家族、そして、中学校時代、優しく時に厳しく指導してくださった先生方や、楽しいことも辛いことも、ともに分かち合った友人の存在を忘れることはできません。
本校は、1986年に全国初の公立の国際高校として開校し、39年目を迎えました。「国際社会で必要とされるグローバルリーダーの育成」という目標を掲げ、生徒・教職員が一丸となって、特色ある教育に取組んでまいりました。新入生の皆さんも、今日からそのチームの一員として、本校の新しい歴史を創っていってください。
さて、いま、私たちは様々な課題に直面しています。国内外で課題が山積し、そのいずれもが正解のない、あるいは正解が一つとは限らない複雑で困難な時代です。
国内では、政治や経済の問題、頻発する自然災害、海外に目を向ければ、なかなか終わりが見えないロシアとウクライナの戦争、イスラエルの紛争や世界各地で起こっている内戦、また気候変動、経済格差など簡単に正解が見つからない問題が山積しています。
真の「グローバルリーダー」とは、こういった問題に対して目を向け、自分なりに考えをもち、他の人たちと協働して立ち向かう人のことを言います。
今まで、皆さんが取り組んできた勉強は、主に高校入試に合格するための勉強で、たくさんのことを覚え、時間内に効率よく答えを導きだすような勉強だったはずです。
しかし、これからは、皆さんは、正解が一つとは限らない問いに向き合うことが求められます。大切なことは、本校の目標でもある「国際社会で必要とされるグローバルリーダー」になるために、このような問題に目を向け、周りの人たちと一緒に解決していくことです。
これから本校生として、高校生活を送る皆さんに二つのことをお話しします。
一つ目は「何事にも失敗を恐れずにチャレンジしてもらいたい」ということです。
皆さんの中には、何かを行うとき、失敗して傷つくことを恐れ、チャレンジせず、目の前の壁を乗り越えようとしないで避けて通るという選択をしている人はいませんか。
ライフネット保険を創業され、立命館アジア太平洋大学元学長である出口治明さんは「人生はプラスマイナスゼロではなく、絶対値である」と言っています。どうゆうことかというと、失敗してマイナス50、成功してプラス50でプラスマイナス0ではなく、成功と失敗で絶対値100という考え方です。皆さんもなにか挑戦して失敗しても、成功してもそれぞれが自分のためになると考えてみてはいかがでしょう。失敗や挫折をたくさん経験した人の方が、成長するチャンスをたくさん与えられているといってもいいでしょう。
本校には皆さんがチャレンジすることのできる多くのものが用意されています。例えば海外研修などでは、先輩方の中にも海外研修がきっかけで、将来の進む方向を決めた人が多くおります。英語があまり得意ではないからといって、参加をためらうのではなく、積極的にチャレンジしてください。
二つ目は、どんな人ともコミュニケーションをとることのできる能力を身に付けてください。
これからはAIが発達し、多くの仕事がAIにとって代わると言われています。AIはコンピュータであり、最も得意なことはビッグデータを処理し、計算することです。反面、考えたり、判断することは苦手です。物事の善・悪の判断や幸・不幸を感じることは人間にしかできないものです。世の中のことに疑問を持ったり、課題を見つけたりして、それをほかの人たちと、一緒に考えたり、話し合ったりして解決していくことは非常に重要なことです。
コミュニケーション能力とは、人と人との関係の中でしか高めあうことはできません。ぜひ本校の教育活動の中で部活動や生徒会活動など通して、何かをみんなで話し合ったり、議論をしたりする経験をたくさんしてください。何かを成し遂げる過程では、なかなか意見がまとまらない、みんなが動いてくれないことも多いでしょう。そこをみんなで話し合い、あれやこれやと考えて解決して、一つのものを作り上げることが大切です。そのようなことをとおしてこれからの世の中を生きて行く力がついていきます。
皆さんには、本校での三年間で何事にも果敢に挑戦して、317名のすばらしい仲間たちと互いに切磋琢磨する中で、皆さん一人一人が社会を支えるグローバルリーダーとしての資質を磨いてほしいと願っています。
最後に、保護者の皆様に一言申し上げます。お子様のご入学、誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。
高校受験という大きな試練に立ち向かう我が子を気遣いながら、そっと見守り続けてこられたご心労はいかばかりであったろうと拝察いたします。
見事合格され、今日の入学式に臨むわが子の姿にお慶びもひとしおのことと存じます。
今日から、大切なお子さまをお預かりし、教職員一丸となって、一人一人を大切にし、丁寧に教育活動に当たってまいります。
お子様の健やかな成長のためには、本校の教育活動に対しまして、保護者の皆様の特段のご理解とご協力が何よりも大切であります。本校の教育方針をご理解の上、御支援、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
結びに、新入生の皆さんが、今日の喜びを忘れることなく努力を重ね、高校生活が実り多いものとなるよう心から期待して、式辞といたします。
令和7年4月8日
埼玉県立和光国際高等学校長 堀 尚人
3学期終業式を行い令和6年度が終了しました
3月24日(月)3学期終業式を行い、令和6年度が終了しました。日頃より本校教育活動に対してご理解ご支援をいただきありがとうございます。
本年度はコロナ禍が遠い昔のように感じられるほど、生徒たちは学習・学校行事・部活動・生徒会活動等に全力で頑張ってくれました。生徒たちは日々の活動を通して確実に成長しています。
来年度は令和8年度の新校開校に向けてあと1年となります。より魅力的な学校になるよう教職員一同頑張ってまいりますので今後ともよろしくお願いいたします。
【令和6年度3学期終業式校長講話】
1,2年生のみなさん、おはようございます。
さて、本日で令和6年度3学期が終了します。みなさん、この1年はどうだったでしょうか。
まず、2年生は年度初めに立てた目標をどれくらい達成できたでしょうか。中堅の学年として、何事にも中心となって学校を牽引してきたでしょうか。部活・委員会・生徒会などで先輩から受け継ぎ、後輩に襷をつなぐべく懸命に努力してきたか、などこの1年の自分自身を振り返ってほしいと思います。
1年生はどうでしょうか。3月17日に入学説明会がありました。去年の同じ頃、緊張して説明会に出席したときのことを思い出してみてください。あれから1年、和国での忙しい毎日を必死で過ごしていくうちに、ずいぶん成長したはずです。自分自身で成長ぶりを振り返ってみてください。
さて、私が1学期の始業式にお話ししたことを覚えていますか。
「何事にも失敗を恐れずにチャレンジしてもらいたい」ということをお話ししました。
皆さんは、この1年間を振り返っていかがだったでしょうか。何かにチャレンジしましたか。
先日、「海外研修報告書」ができあがりました。海外研修に参加した一人一人の経験が書かれた冊子です。これを読むと、研修に参加した皆さんがさまざまな経験をしたことが伝わってきます。決して楽しいことばかりではなく、どちらかというと苦労したり、大変だったと書いてる人が多かったようです。しかし、ほとんどの人が最後には、すばらしい経験ができた。とか、また行きたいと書かれていました。研修に参加した皆さんは、ただ見たり聞いたりしただけではなく、大変素晴らしい経験をしたことがよくわかりました。
まさに研修に出かけた生徒は、海外研修に参加することにチャレンジし、失敗や挫折も経験し、それを糧に大きなものを得たのだと思います。
皆さんの中には、失敗して傷つくことを恐れるあまり、チャレンジしない、目の前の壁を乗り越えようとしないで避けて通るという選択をしている人はいませんか。思い切ってやってみることが尊いことであって、できないことや失敗することは恥ずかしいことでも情けないことでも何でもありません。
人生とは、成功-失敗ではないのです。成功+失敗で考えてください。
失敗や挫折をたくさん経験した人の方が、成長するチャンスをたくさん与えられていると考えてください。それを乗り越えた先に、今までの自分とは違う一回り人間として大きく、そして魅力的になった新たな自分を発見できると思います。
4月からのみなさんに期待して、終業式のあいさつとします。
卒業証書授与式を行いました
本日第36回卒業証書授与式を行い、305名の生徒が和国を巣立っていきました。彼らが入学した令和4年4月は新型コロナウイルス感染が収まっておらず、なかなか思うような高校生活が送れなかった時期でした。2学年になり5月には新型コロナウイルス感染の基準が変更になり、やっと通常の学校生活が戻ってきました。その後は今まで思うように活動できなかった分を取り戻すかのように、部活動や学校行事にエネルギーを発散させ、充実した高校生活であったと思います。今後も一人一人がそれぞれの道で和国で培った力を発揮してください。
合格祈願のダルマに前生徒会長が目を入れてくれました。
令和六年度 卒業証書授与式 式辞
桜の蕾も日に日に膨らみ始め、春の足音が聞こえてくる、今日この佳き日、埼玉県立和光国際高等学校第三十六回卒業証書授与式を挙行できますことは、本校にとりましてもこの上ない喜びであります。
ご多忙の中、PTA会長 八子 朋弘 様、後援会会長 伊藤 文江 様をはじめ多くのご来賓、保護者の皆様のご臨席を賜り、心から御礼申し上げます。
ただ今、卒業証書を授与しました、三百五名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。本日めでたく卒業の日を迎えることができましたのは、一人一人が三年間、たゆまぬ努力を続けてきた結果です。その努力に対して心から拍手を送ります。
また、皆さんが晴れの卒業を迎えられたのは、皆さん一人一人の頑張りに加えて、クラスや部活動でともに笑い、ともに涙を流し、互いに支え合った友人や熱心に指導してくださった先生方、そして何よりもわが子のことをかけがえのないものとしていつも温かく見守っていただいた家族の存在があったからです。そうした周りの方々に心から感謝の気持ちを伝えてください。
卒業生の皆さんは、令和四年四月に、夢と希望に胸を膨らませて、本校の門をくぐりました。入学当初は新型コロナウィルス感染防止のため、なかなか思うような学校生活が送れなかったかもしれませんが、二学年の五月には新型コロナウィルス感染の基準が変更になり、通常の教育活動が戻ってきました。皆さんは、それまで満足な活動ができなかったことを取り戻すかのように、学習や学校行事、生徒会活動、部活動、そしてボランティア活動に全力で取り組み、仲間たちとともに友情を育み、充実した高校生活を過ごしました。制限のない文化祭の実施やシンガポールへの修学旅行も再開し、いたるところで皆さんの笑顔がはじける和国ならではの充実した高校生活が送れたのではないでしょうか。また、卒業後の進路に向けても、皆さんはしっかり目標を持ち、それぞれの進路実現に向けて頑張ってくれました。ここに改めて皆さんの健闘を称えます。
さて、これから皆さんが生きて行く時代は、少子高齢化、高度情報化、グローバル化など、変化が激しく、先行きが分かりづらい時代になります。また、これからはいろいろなことがAIにとって代わるとも言われています。国内外で課題が山積し、そのいずれもが正解のない、あるいは正解が一つとは限らない複雑で困難な時代です。このような厳しい世の中に出ていく皆さんが、たくましく生きていくために、三つのことをお願いします。
一つ目は、人と人とのつながりや「対話」を大切にしてもらいたい、ということです。
AIが発達し、私たちの生活の隅々までその恩恵が及ぶような社会でこそ、他人との「対話する力」が必要です。AIでも人間の能力を簡単には超えることはできません。
しかし、人間一人一人の力には限りがあります。乗り越えられそうにない問題にぶつかっても、他の人たちと一緒に考えたり、話し合ったりすることで解決していくことができます。皆さんは、本校で学校行事等や部活動、生徒会活動等をとおして、そのような力を培ってきました。卒業後もぜひその力を発揮してください。
二つ目は、世界のどこかを支える人になってほしい、ということです。
世界に目を向けると、多くの場所で戦争や紛争が起き、それぞれの国が課題を抱えています。皆さんは、本校で異なる言語・文化・価値観を持つ人々を理解し、積極的に意思の疎通を図ることを学んできました。人の痛みや悲しみを知り、周りの人を慮り、彼らを受け入れ、互いに尊重し合える仲間として、共に未来を拓き、世界のどこかを支える人になってください。
三つ目は、常に自分の人生に対して夢や希望を持ち続けてもらいたいということです。
人生とは不条理であり、一生懸命に努力したことが叶わなかったり、逆にそんなに努力しなくても思ってもみない良い結果がでたりすることもあります。これが人生の現実であり、また、おもしろいところかもしれません。
皆さんのこれからの人生は良いことばかりとは限りません。苦しいことやなにもかも投げ出してしまいたいと思うこともあるかもしれません。そんな時は、本校での学校生活を思い出してください。本校で皆さんは心身ともに大きく成長しました。また、多くの友人を得ました。今の自分自身に自信を持ち、夢や希望を抱き頑張ってみれば、きっと素晴らしい未来が皆さんを待っているでしょう。
最後に、保護者の皆様に一言申し上げます。
保護者の皆様、本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。保護者の皆様にとりましても、お子様の三年間の成長を前に、喜びもひとしおのことと推察申し上げます。
お子様の健やかな成長を願って支えていただいた皆様にはさぞかし苦労も多かったと存じます。今日の佳き日を迎え、立派に成長されたお子様のご卒業に、教職員一同、心よりお慶び申し上げます。また、本日まで本校にお寄せいただきましたご支援、ご協力に深く感謝申し上げます。
結びに、本日ご臨席の皆様のご多幸と、三百五名の卒業生の皆さんの、今後の限りない活躍を心から祈念いたしまして式辞といたします。
令和七年三月八日
埼玉県立和光国際高等学校長 堀 尚人
3学期が始まりました
本日始業式を行い、3学期が始まりました。 始業式では、図書表彰を行いました。本校入学以来300冊以上の本を読んだ生徒を「スーパーレジェンド」、200冊以上読んだ生徒を「レジェンド」、100冊以上読んだ生徒を「キング」、50冊以上読んだ生徒を「マスター」として表彰しました。なかなか読書から遠ざかる高校生もいる中、本校生徒は部活動や学習をしながら本をたくさん読んでいます。インターネット等からの知識を得ることも一つの手段ですが、読書から得るものは大変大きなものがあります。この習慣をぜひ継続してください。
3学期始業式校長講話
皆さん、新年明けましておめでとうございます。まずは大きな事故もなく、こうして3学期を迎えられることを大変嬉しく思います。冬休みはどうでしたか。充実した時間を過ごせましたか。皆さんの中には家族で帰省したり、地元の神社やお寺に出かけ、お参りした人もいるかと思います。
特に受験を控えている3年生諸君は、受験に成功するよう神仏に手を合わせた人も多いと思います。3学年主任の藤井先生も皆さんのために多くの神社をまわったとおっしゃっていました。
みなさんこれは私が作った「合格祈願のダルマ」です。先日PTAの研修で川越に出かけた折に、3年生の合格を祈って作ったのがこのダルマです。
ただ、神仏に手を合わせただけでは受験は成功しません。皆さんの自身の頑張りが一番大切です。皆さんの検討を祈っております。
それでは、新年に当たり私から一つお話をします。
1学期の始業式に「何事にも失敗を恐れずにチャレンジしてもらいたい」といお話をしました。新年に当たりこのことをもう一度お話ししてみたいと思います。
先日読んだ池上彰さんの本にこんなことが書いてありました。
皆さんは、ネアンデルタール人という言葉は聞いたことがあると思います。ネアンデルタール人は、旧人の一種で約40万年前から4万〜3万年前ごろまで、ヨーロッパや西アジアに住んでいましたが、絶滅しています。一方、私たち現生人類(ホモ・サピエンス)は、アフリカを起源として約10万年前から3万5000年にかけて進化し、世界中に広がっていきました。
なぜネアンデルタール人が滅んで、現生人類は滅びなかったのか、いろいろな説があります。ある学者は、ネアンデルタール人は一度住み着いた場所に何万年も住み続け、決して移住せず、新しい技術を生み出さず、生活をまったく変えなかった。一方で現生人類は、新天地を目指してどんどん移住し、新しい道具を生み出し、様々な環境に適応していった、と言っています。
現生人類は、陸地が見えなくても「海の向こうには何があるのだろう」と未知なる冒険を続け、仲間と協力しながら、生き延び、そして今の私たちにつながっていったのです。
ここから何が学べるかというと、現状に満足せず、常に新しいものや未知なるものに挑戦することの大切さだと思います。
何か初めてのことや大きなことをするには失敗もつきものです。皆さんも、失敗を恐れずにチャレンジしてみてください。失敗から学び、成長することができるというポジティブな考え方を持つことが大切です。
とかく、失敗したらどうしょうとか、自信がないから始められないとか、思いがちです。しかし、成功するためには、失敗を恐れずにリスクをとることも必要不可欠です。そこから得られる教訓や経験は皆さんを強くし、成長させます。また、自分を信じ、挑戦することで、新たな可能性や才能を発見することができるかもしれません
The only failure is not to try. 失敗を恐れず挑戦すべし
皆さんの頑張りを期待しています。
新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。日頃より本校の教育活動に際して、多大なるご支援、ご協力を賜り感謝いたします。
2025年が明けましたが、世界各地で争いが絶えません。今年こそ平和が訪れることを期待してやみません。
本校も国際高校として、国内のみならず、より海外に目を向け、様々な課題に対し、どう解決していくかを、生徒たちと考え、行動していきたいと考えております。
本年も変わらぬご支援・ご協力をお願いいたします。
埼玉県立和光国際高等学校
校長 堀 尚人
Happy New Year. We would like to thank you for your continued support and cooperation in our educational activities.
2025 has dawned, but conflicts continue to occur all over the world. We hope that this year will bring peace.
As an international high school, we would like to look not only at home but also overseas, and think with our students about how to solve various issues and take action.
We ask for your continued support and cooperation this year.
Principal of Wako kokusai high school
Naoto Hori
2学期が終了しました
昨日の終業式をもって2学期が終了しました。
生徒たちは日々の学習のうえに、学校行事や部活動を全力で頑張っています。そのことが生徒を大きく成長させます。今学期もそのような生徒が多く見られました。日頃より本校教育活動に対してご支援ご協力をいただいていることに改めて感謝申し上げます。
【2学期終業式校長講話】
第2学期も今日で終了します。皆さんにとって、この4カ月はどうでしたか。
皆さんは、勉強を中心にしながら部活や学校行事によく頑張ってくれました。皆さんが輝く場面を多く見られたことはたいへんうれしく思います。
さて、本日は「自分の良いところに目を向けよう」という話をします。
私は、皆さんの授業や学校行事や部活動を見てきましたが、自分をさらけ出して頑張っている人もいる一方で、素晴らしいものを持っていますが、自信がなく、それを出しきれない人もいるのではないか、という気もします。
皆さんの中で、例えば「自分は勉強もスポーツも苦手で何も良いところがない」とか、あるいは「自分は地味なのであまり目立たないし、友達とうまくやれない」と思っている人はいませんか。多くの人は、このようにどうしても「できないこと」「苦手なこと」に目が向いてしまうものです。
ただこれは、皆さんだけではなく、多くの日本の高校生はこのような傾向があるようです。高校生の満足度、自己肯定感の調査(2018)によると、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンの若者と比較すると「自分自身に満足している」という割合は日本が最も低かったです。他の6か国はみな70%以上でしたが、日本は45.1%でした。
また、これは高校生だけではなく、とかく日本人全体に当てはまるようで、日本人は物事をマイナスの方向に考えてしまう傾向があるようです。
日本は、環境破壊が進み、学校、家庭社会に虐待や貧困が進み、犯罪が横行している、などと考えている人もいます。しかし、例えば、世界の中では、飢餓で医療も受けられない人も多く、思想、学問、職業用選択の自由は事実上、無いに等しい国も多いです。それに対して日本は飲料水や電気などは当たり前のようにあり、誰でも教育を受けらえます。まさに日本は暮らすには「天国」であると言っていいくらいです。しかし、日本人は自分のすぐ近くのことだけを見て、否定的に考えてしまう傾向があるようです。
ここで、皆さんは、自分のマイナスの面ばかり目を向けるのではなく、「勉強は苦手だけど、部活が好きで一生懸命取り組んでいる。」とか「地味で目立たないけど、人に優しく接することができる。」というふうに自分の「いいところ」「得意なところ」「できるところ」に目を向けてみてください。そうすることによって、自分に自信がつき、これからの皆さんの人生も良い方向に進んでいくと思います。
皆さんは大変すばらしいものをもっています。例えば、英語ということに目を向けますと、先日外国語科のGPの発表会がありましたが、ひとりひとりが社会の諸課題に対して自分事としてとらえ、解決していくにはどうしたらよいかなど、さまざまな文献などにあたり、英語でまとめていました。ここまで内容のあるものを英語で書ける人はあまりいません。皆さんはもっと自信をもってください。また、本校は普通科を含め、英語で授業を行い、英語が身近にあります。これは本校が名実とも国際高校であると胸を張ってアピールできることです。
最後に、冬休みに入るにあったって、それぞれの学年の皆さんにお話しします。
3年生にとっては、いよいよ受験本番です。いろいろと心配なこともあるかもしれません。そんな時は、いままで勉強してきた教科書、参考書、ノート等を積み上げてください。きっとこれだけやったという満足感があると思います。焦らず、でも毎日着々と日々の勉強をこなしてください。先ほどの話ではないですが、なかなか成績が伸び悩むと、第一志望を諦め、安易な方向に進む人がいますが、自分自身に自信をもって、自分の希望を貫いてください。心と体の健康管理をしっかりして頑張ってください。
2年生は修学旅行が終わりました。皆さんどうだったでしょうか。海外で言葉もなかなか通じず困った人もいるかもしれません。一方で、自分の英語も使えるな、と思った人もいるかもしれません。きっといろいろな意味で、一回り成長したと感じている人も多いのではないでしょうか。さて、修学旅行も終わり、これからは、いよいよ具体的に進路のことを考える時期になりました。周りが大学に行くから自分も、というのではなく、自分自身の将来のことを真剣に考えてもらいたいと思います。
1年生は、ダンス発表会を見させてもらいましたが、クラスごとに工夫をこらし、素晴らしいものになっていました。みんなで何か行うときはうまくいかないことの方が多いかもしれません。そこを何とかしょうとすることが、皆さんを成長させます。4月からこの8ヶ月間で大きく成長していると感じます。
1月8日、元気に登校してください。
国際理解講演会を実施しました
JICAの職員であった山田健氏をお招きし、国際理解講演会を実施しました。山田氏は長くJICA職員としお勤めになり、オーストリア、アフガニスタン、エチオピア、ボツワナなどに勤務されました。講演では、JICAの仕事内容や各国の様子などのお話があり、「国際理解のために必要なこと」として以下の点を挙げられていました。
・理解できない他者を受け入れる寛容さ
・言葉だけでないコミュニケーション(あいさつや笑顔など)の大切さ
・相手の歴史や文化を知ること
・日本の政治、経済、社会を知ること
本校生徒からも多くの質問がでて、JICAや海外のことに対する興味関心の高さが表れていました。
和国通信10月号を発行しました。
和国通信10月号を発行しました。今回は、「伝統」について書かせていただきました。目に見えない「伝統」を引き継ぐのは大変なことですが、本校では上級生から下級生に多くのものが引き継がれています。「他人のことに気を配り手を差し伸べること」が自然に行われているのが本校です。
第3回学校説明会においでいただきありがとうございました
本校第3回学校説明会に、お足元の悪い中、約1000名もの中学生の皆さん、保護者の皆さん、そして中学校の先生方にご来校いただきありがとうございました。
説明会に参加された皆さん、本校の様子はいかがだったでしょうか。
お話したとおり本校の自慢は「生徒」です。この説明会の司会や、説明、誘導等も、自ら申し出た生徒たちによるものです。彼らは本校の魅力をみなさんと共有したいとの想いで手伝ってくれております。
ぜひ来年の4月から皆さんが本校生として和国で学ばれることを期待しています。
2学期が始まりました
校舎東側の外壁塗装工事が終了し、2学期が始まりました。
夏季休業中は多くの本校生徒の活躍がありました。少林寺拳法部は女子団体演武の部でインターハイ優勝、フェンシングの岩橘英莉花(2年)さんがフルーレの部でインターハイ第3位、競技かるた部の鎌田千優(3年)さんが、埼玉県選抜の一員として全国高等学校総合文化祭で第8位(奨励賞)と活躍してくれました。本校生徒は、部活動と勉強や学校行事と両立して頑張っています。
また、多くの生徒が海外研修にでかけました。本年は、フィリピン、オーストラリア、イギリス、ベトナムの4つのコースに約80名の生徒が参加しました。本日、海外研修の報告会があり、それぞれのグループから趣向をこらした発表がありました。「実際現地に出かけその国が抱える課題を考える契機になった」「ホストファミリーとの暖かい交流ができた」「日本の良さを再認識できた」など、まさに本校のモットーである、 ゙Read, See & Think ” を実感した研修だったと思います。
【2学期始業式校長講話】
皆さん、おはようございます。校長の堀です。 本日から2学期がはじまります。
また暑さを避けるために、リモートによる始業式となります。
皆さん、夏休みはいかがでしたか。大きな事故等もなく、皆さんがこうして2学期を迎えられたことをうれしく思います。
さて、夏季休業中、部活動では、インターハイや全国総文祭での活躍が光りました。
少林寺拳法部が女子団体演武の部で優勝、女子単独演武の部で3年3組 川田磨凜さんが4位入賞を果たしました。また、フェンシングの2年8組 岩橘 英莉花さんがフルーレで3位になりました。総文祭では、3年5組の鎌田千優さんが埼玉県選抜のメンバーとして奨励賞全国8位となりました。
本校の生徒は部活動だけやっているわけではありません。勉強や学校行事にも全力でがんばっています。そんな中でこの成績はたいへん立派なものであります。
また、海外研修関係では、フィリピン、オーストラリア、イギリス、ベトナムと多くの生徒が研修に出かけました。たいへん貴重な経験をされたと思います。ぜひ、周りの人たちとその経験を共有してください。そして、日々の高校生活に生かしてください。
さて、今年の夏はパリでオリンピックが開催され、今も、パラリンピックの熱戦が続いています。皆さんの中にも応援に熱中して睡眠不足になった人もいるでしょう。オリンピックで金メダルを取ることは大変すばらしいことであり、栄誉なことです。しかし、金メダルを取れずに敗れた人の中に、人間的にも素晴らしい振舞をした人もたくさんいました。今日は“Good Loser”という話をします。
高校野球の名門校に仙台育英高校という学校があります。一昨年は甲子園優勝、昨年は準優勝でしたが、今年は地区大会で敗れ甲子園出場は叶いませんでした。宮城県大会決勝で敗れた時の仙台育英高校監督の須江航さんのお話を紹介します。
須江監督は野球部の部員に対して、「甲子園の頂点まで2年連続、ひとつは達成してひとつは指をかけた。しかし、自分たちの時に甲子園に行けないというのは、ある意味3年連続甲子園に行けないよりも、僕は苦しいことだと思うし辛いことだと思う。でも、そういうなかで、あなたたちは、優勝した聖和学園さんをちゃんと称えられた。昨年、甲子園の決勝で慶應高校に負けた時、『“Good loser”(良き敗者)であれ』という話をしたが、皆さんも伝統として負けた時の振る舞いを繋いでくれたのは嬉しい」と選手たちの相手を敬う姿勢を褒めました。
さらに、須江監督は「あなた達を支えてくれて、育ててくれた人に対して、今日は大切なタイミングだから感謝の気持ちを伝えてほしい。優勝した時とか勝った時じゃない。今日負けた時に伝えることが大事。勝った時に勝ちましたという報告よりも、負けた時に感謝をちゃんと伝えられる。それは、絶対に欠かしてはいけない」と、「感謝の気持ちを伝える」ことの重要性を話しました。
皆さんも、これからの人生は失敗すること、敗者になることもあるかもしれません。そんな時、「自分はだめだ」と自分だけの世界に入ってしまって嘆き悲しむのではなく、周囲を見渡し、相手を称えたり称えたり、自分を支えてくれた人に感謝することを忘れないでほしい。まさに、“Good loser”が人生の“Good Winner”になるはずである。
さて、3年生は、いよいよ和国で授業を受けるのもあと半年です。受験に向かう不安はあるでしょうが、全国の受験生みんな同じです。苦しい時は周囲を見渡してください。いままで頑張ってきた友人たちと頑張ってください。
2年生は、11月に修学旅行が控えています。勉強・部活・学校行事すべてを自分たちが牽引する気概を持ってがんばってください。
1年生も、学校にも慣れ自分のペースをつかめてきたころだと思います。ぜひいろいろなことにチャレンジしてください。もちろん失敗しても大丈夫、そこから学べることも多いはず。 “The only failure is not to try” の精神でがんばってください。
1学期が終了しました
本日で1学期が終了しました。和国生は何事にも一生懸命に取り組みます。部活動を頑張る生徒、生徒会活動や委員会活動に頑張る生徒、学校行事に頑張る生徒、語学を頑張る生徒、ボランティアに頑張る生徒、枚挙に暇がありません。どんな生徒も日々の勉強をしっかりこなしたうえで、それぞれの興味関心があることに全力で取り組みます。和国の教育活動は生徒を大きく成長させます。
令和6年1学期終業式校長あいさつ
第1学期も今日で終了します。皆さんにとって、この4カ月はどうでしたか。 皆さんは、勉強を中心にしながら部活や学校行事によく頑張ってくれました。
まずは部活動ですが、どの部活動もよく頑張りました。確かに、部活動と勉強との両立は大変ですが、部活動をやり通すことの意義は大きなものがあります。先ほど表彰、壮行会を行いましたが、全国大会に出場する部活動は、ぜひ日頃の成果を発揮して頑張ってください。
学校行事については、6月の文化祭がありました。昨年以上の4400人余りの方に来場していただき、大変盛り上がりました。各クラスや部活動等が趣向を凝らしたいへん素晴らしかったです。裏方として一生懸命働いていただいた実行委員や委員会の皆さんもご苦労様でした。
また、和国生の素晴らしさも実感しました。5月には、駅で中学生が、変質者に会い困っていたところ助けてくれた生徒がおり、6歳の女の子が自転車で走っていて転んでしまい大泣きしていたところ、自転車を起こし助けてくれた生徒もいました。リーダーとはどんなに小さなことであっても、ほかの人のために自ら行動できる人です。この生徒のようにすぐ行動できる生徒こそリーダーといえるでしょう。このような和国生をたいへん誇らしく思います。
今日は、「物事を多面的に見ること」について話したいと思います。 ロシアとウクライナの紛争を例にとりましょう。紛争はすでに約2年半が経過し、解決の糸口もなかなかつかめないままです。日本国内のニュース等では、片方の国が一方的に他の国を攻めているといった、一元的な見方の報道がされています。しかし、現実問題として、国際紛争は非常に複雑であり、一つの側面だけでなく多面的な視点からその背景や原因を理解することが重要です。ロシアとウクライナの紛争は地政学的、歴史的な要因から生じており、両国の過去の関係や地域の構造なども考慮する必要があります。また、イスラエルの紛争も同様で、宗教的、政治的な要因が絡んでおり、中東地域の複雑な情勢や宗教間の対立なども考慮する必要があります。
ニュースや報道などでは、どうしても一方的なものになり、それを鵜吞みにすると、考えや価値観を偏ったものになってしまいます。伝達媒体の背景にある思想や政治的なものも考慮する必要があります。複数の情報源にあたり、多面的な見方をすることの重要性を理解してもらいたいです。そしてそれぞれの背景をより広くかつ深く学ぶことも必要です。それには、読書をすることが必須です。夏休みは多くの時間があります。ぜひ、書物にあたる時間も多く取ってくれればと思います。
最後に、夏休みに入るにあったって、それぞれの学年の皆さんにお話しします。
3年生にとっては、いよいよ受験本番です。高校時代を振り返ってみたときに、記憶に残るくらい勉強してください。自分の時間のすべてをひとつのことに集中できることは長い人生でもそんなにはありません。勉強だけできる苦しさとそして幸せを感じながら、心と体の健康管理をしっかりして頑張ってください。
1,2年生にとっては、様々なことに挑戦して頑張れるときです。部活動しかり、勉強しかり、自分の興味のあるものに全力で取り組んでください。まさに、The only failure is not to try. です。また、この時期に考えてもらいたいことは、将来のことです。皆さんは漠然と大学に行くと考えていませんか。その先のことをぜひ考えてください。将来どんな仕事をしたいか、そのためにどんな道があるのかを考えることが必要です。夏休みは時間がたくさんあります。そのための時間にしてください。
9月2日、元気に登校してください。
和国通信6月号を発行しました。
生徒たちは今週末の文化祭に向けて最後の追い込み中です。皆様方のご来場をお待ちしております。
和国通信6月号を発行しました。今回は「真の教養とは」という題で書かせていただきました。最短距離で時間をかけずにゴールを目指すことも一つの手段ですが、「すぐ役に立つものは、反面、すぐに役に立たなくなる」という言葉があるように、回り道をしても、無駄かもしれないことをしても、実は将来すごく役に立つということを先人たちは知っています。「和国通信」ぜひお読みください。
和国通信を発行しました。
新学期が始まり約1ヶ月が経ちました。新入生たちも部活に入部し忙しい日々が始まりました。早く学校に慣れて和国生としていろいろなことに挑戦してほしいと思います。改修工事でいろいろと不便をかけていますが、頑張っている皆さんを応援しています。和国通信第1号を発行しましたのでご覧ください。
令和6年度第1学期始業式、令和6年度入学式を行いました
4月8日満開の桜の下、午前に令和6年度第1学期始業式、午後は令和6年度入学式を行いました。
新入生は、早く本校に慣れ、学習や部活動に励んでください。2、3年生はそれぞれ自分の目指すことに対してより一層頑張ってくれることを期待します。
第3学期終業式校長講話
悔しい思いと達成感
今日で令和5年度、2023年度が終了します。皆さんにとってこの1年はどうでしたか? 自分で満足できる1年が過ごせましたか?自分の行動は自分自身が一番わかっています。是非、立ち止まって振り返ってみてください。自分がどれだけ成長できたか。もっと頑張れるところはなかったか。しっかり内省してみてください。いつも言っていることですが、節目、節目で自らの行動をしっかり振り返ることは皆さんの成長にとって欠かせないことです。
さて、今日は「悔しい思いと達成感」について話したいと思います。皆さんは毎日の生活の中で「悔しい思いをした」ことはあると思います。1つしか残ってなかったケーキを妹や弟に食べられたみたいな、つまらないことから、部活の試合に負けてしまった、レギュラーになれなかった、コンクールの予選で落ちてしまった、資格試験に落ちてしまったなど、努力が実らなかった時、結果が出なかった時など、悔しい思いをしたことがある人がほとんどだと思います。悔しい思いをした経験がない人は、もしかして何もチャレンジしていないのかもしれません。逆の言い方をすれば、何かに向かって努力しチャレンジしているからこそ、悔しい思いをすることができるのです。
私は中学生から英語の勉強を始め、大学では言語学、特に音声学を専門に学び、英語の教員になりました。約20年間、教壇に立った後、管理職の道に進みましたが、今でも英語を勉強しています。英字新聞を読んだり、YouTubeで英語のニュースを見たりして英語に触れるようにしています。仕事で毎日英語を使うわけではないのですが、英語はスポーツや楽器の演奏と同じで1日練習しないと1日分、錆び付きます。それが嫌でなるべく英語に触れるようにしています。
私は、このように48年間、英語を人生の伴侶として付き合ってきたのですが、その中で自分を奮い立たせたり、諦めそうになっても諦めなかったのは「悔しい思いをした、恥ずかしい経験をした」ことが大きかったと思います。
英語の教員になってからのほうが「悔しい思い、恥ずかしい経験」をしたことが多かったような気がします。英語の教員としてプライドがあるので、英語がわからないとなかなか言えない、でもわからないことがたくさんある。毎日、新しい単語に出会う。それは当たり前のことなのですが、なかなか認めたくないという気持ちがありました。
例えば、日本に住んでいる英語のネイティブスピーカー、ALTみたいな人は、日本人の英語に慣れているし、わかるようにゆっくり話してくれます。しかし彼らネイティブスピーカーだけが集まると、途端に英語のスピードが変わります。スピードだけでなく使う表現も変わります。そこに一人ポツンと日本人の私が投げ込まれるとたちまち、かれらのペースについていけなくなります。私も教員のころ、ALTの研修会で7〜8人のALTのグループに一人、投げ込まれたことがあります。その時は、彼らが何を話しているのか、ほとんどわからず、ただニコニコして座っていたという経験をしました。その時はただ悔しくて自分が嫌になった事を今でも覚えています。そういう「悔しい思いをすること」は実はとても大切なことです。「くそー!悔しい」と思うことで「今度はこんなことにならないよう頑張ろう」と奮起するわけです。
また、こんなことがありました。私は、まだ30代前半の若いころ、所沢北高校でニュージーランドへのホームステイ・プログラムを立ち上げ、何度も生徒の引率をしました。初めて交流校を訪れ向こうの学校の担当者にあった時、彼は "It's wit to die." と挨拶代わりに言いました。私は何を言っているのかわからず、ポカーンとしていると、ゆっくりと標準語に近い発音で繰り替えてくれました。その日は雨が降っていて彼は、"It's wet today." と言っていたのでした。ニュージーランド訛りが全く分かりませんでした。その学校は、アッシュバートンという人口2万人程度に田舎町にあり、毎年訪問しているうちに、よく行くレストランの店員から「また来たのね。」と声をかけられるようになります。ある時「生徒引率なんて cushy job でしょう?」を笑って言われました。しかし私は、その cushy job の意味がわからず、しょうがないので yes yes と言って笑っていました。とても情けない思いでした。後でホテルに帰って辞書で調べたら「気楽な仕事、おいしい仕事」という意味だとわかりました。意味が分かっていれば、もう少し気の利いた切り替えしができたなと思い、余計悔しくなったことを今でも覚えています。
皆さんは阿川尚之という人を知っていますか?テレビによく出ているエッセイストで小説家の阿川佐和子さんのお兄さんですが、彼は、ジョージタウン大学で外交政策を学んだ後、ソニーに入社し、その後、ショージタウン大学のロースクールで法律を学び、ニューヨーク州などで弁護士資格を取り、アメリカの法律事務所で働きます。その後、慶応義塾大学総合政策学部の教授を務めたり、在米日本大使館の公使を務め、慶応義塾大学、同志社大学の名誉教授などを歴任しました。彼の専門は、アメリカ憲法史、日米関係史で、著書には「トクヴィルとアメリカへ」や「変わらぬアメリカを探して」などアメリカ憲法を通してアメリカ社会を深く洞察したものが多く、私の好きな学者の一人です。
彼の著書に「わが英語、今も旅の途中」というのがあります。アメリカのロースクールで法律を学び、アメリカで弁護士を務め、大学でアメリカ憲法について教鞭を取るという、私とはレベルが全く違う彼ですが、この本の中には、私も共感を覚える逸話が出ています。最初の留学した時のこと、店で買い物をした時、店員から「ワナベー」と聞かれて、え、何?と全く分からなかったそうです。何度も、もっとゆっくり言ってくれと頼むと、あきれた顔をして "Do you want a bag?" と一語一語をはっきり発音してくれたそうです。こんな簡単な英語が聞き取れない。ジョージタウン大学で外交政策を学ぶ留学生にとっては、相当な屈辱であり、くやしい思いだったと思います。
外国語を学ぶ道のりには、常にこのようなくやしい思いをさせられる場面、恥ずかしい思いをする瞬間は絶対に避けられません。英語を話す時、知能指数が小学生以下のレベルになってしまうという屈辱的な経験から始まり、英語を話していても、日本語を話す時の知能指数にどれだけ近づけることができるかを目標に私も英語を学んできました。「英語は楽しく学べばいい」なんて言う人もいますが、私はそんな甘いものではないと思っています。「くやしい」「恥ずかしい」「屈辱的体験」「絶望感」の連続だったような気がします。だからこそ自分が満足のいく話ができた時、ネイティブスピーカーに英語が上手だと褒められた時、「アメリカに住んでたの?」とアメリカ人に聞かれた時、これほど嬉しい瞬間はありません。そのような、時々訪れる達成感が、これまで英語を続けてこられた最大のモチベーションだったのかなと思います。
皆さんに今日、言いたい事は「くやしい思い、恥ずかしい思い」を大切にしてほしいということです。その気持ちを忘れずに、「くそー」という気持ちで奮起してほしいのです。英語に限らず何かに本気で打ち込みマスターしようとすると、楽しいことより辛いこと、悔しいことのほうが多いかもしれません。でもそれを乗り越えた時、言葉では表せない満足感、達成感が得られる瞬間があります。そしてまた次の頂に向けて、歩み始めるのです。
高校生である皆さんは、これから先、長い長い学びの道を歩んでいくのです。今日お話ししたことを、頭の片隅に置いてこれからの学びの道を歩んでいってほしいと思います。
最後に、来月には2年生はいよいよ3年生に、1年生は学校の中心として活躍する2年生になります。そして新入生を迎えます。それぞれ3年生は3年生らしく、2年生は2年生らしく振舞いができるよう成長してください。それでは、4月8日、元気に登校してください。
第35回卒業証書授与式 校長式辞
式 辞
まるで卒業生との別れを惜しむかのように雪が舞う日となりましたが、PTA会長・窪田紫晶様、後援会会長・柴田恵子様をはじめ、多くのご来賓のご臨席を賜り、ここに埼玉県立和光国際高等学校・第35回・卒業証書授与式が挙行できますことは、卒業生はもとより、教職員にとりましても、誠に大きな慶びであります。
只今、卒業証書を授与された312名の卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。入学以来、3年間の努力が実を結び、めでたく卒業するみなさんに、心からお祝い申し上げます。
みなさんが本校に入学した2021年はまさにコロナ禍の真っただ中でした。緊急事態宣言が何度も発令される中、先行きの見えない不安な日々を過ごしたことと思います。分散登校、黙食、調理実習の自粛など普通ではない学校生活が続きました。部活動の大会やコンクールが中止になったり、みづのき祭などの学校行事も、大きく制限された中での開催でした。さらに1年生の時の海外研修やシンガポール修学旅行も実施されず、楽しみにしていた行事が経験できずに悔しい思いをした人も多かったことでしょう。
しかし昨年の5月に、コロナが感染症法上の「5類」に引き下げられたことにより、世の中は一気にポストコロナに向かっていきました。みなさんも最後の1年間は、失った青春を取り戻そうと、様々な場面で一生懸命に努力し、楽しむことができたのではないか思います。和国での生活を笑顔で楽しんでいるみなさんを見られるようになり、私は本当に嬉しく思うと同時に、この3年間はいったい何だったのか、人々は恐怖に怯えた時、自由や人権を奪う国家権力や、社会の同調圧力を受け入れてしまうものなのかと、つくづく考えさせられました。いずれにせよ、みなさんはこの3年間、目の前の状況にしっかりと向き合ってくれました。苦しい現実から逃げることなく、前向きに努力し、1歩1歩、前に進み乗り越えることで今日の日を迎えることができました。改めて心からお祝い申し上げます。
卒業は人生にとって大きな節目であり、新しい世界へ羽ばたく出発点であります。この輝かしい門出に当たり、私から3つのことをお話したいと思います。
1つ目は「意思決定のプロセスに参加する」ということです。みなさんが本校に入学をしてからの3年間、世界を見渡してみると対立と分断はますます悪化していると言わざるを得ません。ロシアによるウクライナ侵攻は依然終わりが見えません。中東ではパレスチナ問題が最悪の形で再燃しています。そして11月のアメリカ大統領選挙の結果次第では、すでに壊れかけている世界秩序がさらに崩壊していく。自由・人権・法の支配という、私たち、民主主義の国が享受してきた価値観、世界観が大きく後退し、国民が力と圧制によって支配される権威主義国家が台頭し、違法に領土を拡大する時代が来るかもしれません。
では民主主義が脅かされる時、つまり政治や社会がおかしな方向に進もうとしている時、私たちはどうすればいいのか。それこそが「意思決定のプロセスに参加する」ことです。自らの意志を社会に示し、物事を決めるプロセスに参加することです。自分の意見を言葉にし、間違っていることには間違っているとはっきりと伝える。そして正しいと信じることを訴えていく。そうすることで意思決定のプロセスに参加し、民主的な社会を創り上げていく当事者になることです。それは皆さん1人ひとりの義務であり責任なのです。選挙で1票を投じること、つまり選挙権を行使することは勿論ですが、そればかりではありません。平和的なデモに参加する、SNSで意見を発信する、会議で発言するなど、自分の意志を示す方法はいくらでもあります。本日、和国を巣立つみなさんには、是非、責任のある大人として民主的な社会の「守り手」になってほしいと切に願っています。
2つ目は、「落としどころを見つける知恵も持つ」ということです。これからみなさんは、新しい世界に羽ばたいていきます。新しい環境に身を置き、多くの人々と出会うことになります。自分と全く違った考え方、価値観を持った人と出会うことでしょう。また異なった文化や習慣、言葉や宗教を持った人々とも出会うことでしょう。先ほど民主主義について触れましたが、世界には民主主義を知らない人々もいることを忘れてはいけません。違った価値観を持つ人と出会った時「この人は自分と違う」といって理解しようとすることを諦めたり、排除したりしないでください。理解しようと努力する姿勢を持ってください。しかし、もしどうしても「共感」できない時は、少なくとも「落としどころ」を見つける知恵を持ってください。今、中東のガザで起きている戦争は、2つの民族が己の歴史と物語だけを信じ、共感することを拒んでいるからこそ起きているのです。しかし、たとえ共感することが難しくても、落としどころを見つけることはできるはずです。何の罪もない一般市民、子どもたちの命を、これ以上失わないために、落としどころを見つけ戦いをやめることは、それぞれのリーダーに知恵と勇気があればできるはずです。是非、みなさんには、自分と違った価値観を持った人と出会い、共感しようと努力してもできない時は、落としどころを見つけ共に生きていってください。まさしくこれが本校の教育理念の一つである「共生力」「共に生きる力」なのです。この「共生力」はこれからの世界を平和にしていくだけでなく、みなさんの人生をも豊かにしていくのです。
そして最後は「自分のことは自分で決める」ということです。コロナ禍や能登半島地震などの災害により「人間は、この地球の主人公ではなく世界をコントロールできるわけではない。」ということを私たちは痛感させられました。人生には不条理なことが沢山あり、世の中は、常に理性的でも予測可能でもないことを知りました。そして私たちは不安になると何かに頼ったり、信じられる何かを求めたりするようになります。そしてその結果、多くの人がインターネットやSNSで常に他人の動向や様々な言説を気にするようになり、時にはフェイクニュースや陰謀論に惑わされてしまうのです。スペインの哲学者オルテガが「大衆」と名付けた「主体性を失い、根無し草のように浮遊する集団」に組み込まれてしまう危険があるのです。だからこそ情報が溢れ認知戦が激しくなるこれからの時代、自分で自分のことを決める能力が求められます。みなさんには、自分の人生にとって、何が大切であるのかを、自分で決められる人になってほしいと思います。空疎な言葉や短絡的な思考に惑わされない、重厚な知性と人格を養ってください。科学、歴史、哲学、宗教など様々な分野から多くを学び、知的な胆力、粘り強い知力を養ってください。自分の人生の幸せの形を自分自身で描き、それに向かって力強く歩んで力強く歩んでいける人になってください。
最後になりましたが、保護者、ご家族の皆様におかれましては、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。この3年間で立派に成長されたお子様の晴れ姿を目にされ、喜びもひとしおのことと存じます。皆様には入学以来、本校の教育方針を御理解いただき、終始、温かい御支援と御協力を賜りましたことを心より感謝申し上げます。
結びに本日、このように第35回卒業証書授与式を保護者の皆様と共に挙行できましたことに感謝すると共に、312名の卒業生のみなさんの、今後の限りないご活躍を心から祈念いたしまして式辞といたします。
令和6年3月8日
埼玉県立和光国際高等学校長
鈴 木 啓 修
第3学期始業式校長講話
「反面教師」
皆さん、新年明けましておめでとうございます。まずは大きな事故もなく、こうして3学期を迎えられることを大変嬉しく思います。冬休みはどうでしたか?充実した時間を過ごせましたか?今回は、コロナが5類になって初めての年末年始ということで、皆さんの中にも家族で帰省したり、地元の神社やお寺に出かけお参りした人もいると思います。特に受験を控えている3年生諸君は、受験に成功するよう神仏に手を合わせた人も多いと思います。しかし神仏に手を合わせただけでは受験は成功しません。「人事を尽くして天命を待つ。」という言葉があります。最後の最後まで人事を尽くしてほしいと思います。
私の正月ですが、実は31日の大晦日あたりから熱が出始め、喉の痛みや頭痛に見舞われ、3日ぐらいまで37度から38度を行ったり来たりしていました。一応2日にコロナとインフルの検査をしたのですが、いずれも陰性で単なる風邪だったようですが、とてもつらい正月でした。テレビをつければ、能登半島の大地震の被災の状況が映し出され、とても正月を祝う気分ではなかったです。今回のこの大きな災害について心を痛めている人も多いと思います。この中から被災者のために具体的な行動に移す人が出てくれることを願っています。
さて、今日は「反面教師」という話をします。私は2学期の終業式に世界の紛争と分断、金と政治の問題、企業の不正事件など、君たち高校生からすれば大人たちはいったい何をやっているのだと怒りを感じている人が多いのではないかという話をしました。そんな大人に対して怒りを感じた時、是非、思い出してほしいのがこの「反面教師」という言葉です。皆さんは「反面教師」という言葉の意味は知っていると思います。調べてみるとこの言葉が最初に使われたのは、1957年に中国の毛沢東が「腐敗した組織について排除するのではなく、悪い見本からそうならないようにと、学ぶ事が大事だ」と説いた時の演説の中だそうです。広辞苑には、「見習い学ぶべきでないものとして、悪い手本、見本となる事柄・人物」と書いてあります。
ですから皆さんにお願いです。よくないことをしている大人を見たときに、「大人がああなら、俺たちもああでいいんだ。」とは思わないでください。「反面教師」として見て「ああいう大人には絶対にならない」と思ってほしいのです。
実は、私は自分の父親が「反面教師」でした。私が中学生のころまで、父親は小さな町工場の経営者で比較的、裕福な暮らしをしていました。しかし私が高校生になるころ事業がうまくいかず倒産してしまいました。父親は倒産の時、サラ金から金を借りてしまい個人的な借金も背負ってしまいました。父親は1年以上、行方不明になりました。家にはサラ金の取り立てが来るようになり、母親と2歳上の姉と私は親戚の家に身を寄せました。その後小さなアパートに3人で暮らすようになりましたが、それからの生活は本当に苦しいものでした。食べるものにも困る時もありました。姉は大学を諦め、就職をし、家を助けてくれました。私は親戚の援助もあり、大学まで行かせてもらいました。しかし自分に係るお金は、全てアルバイトで何とかし遊ぶことも控え、大変倹約した大学生活を過ごしました。今思うと、そのおかげで真面目に勉強することができたのかもしれません。
また、高校時代のある先生が、「お父さんを恨んでもお前の人生よくならないぞ。お父さんを反面教師として捉え、違った人生を努力して築け。」と言われたことが大きかったと思います。父親は人間としては悪い人ではなかったので、不思議と私はその先生の言葉がすっと心に落ち、父親を恨むことはありませんでした。「反面教師」として受け止め、私は強く思いました。「お金のために働きたくない。」と。そしてお金のために働くのではない教師の道を選びました。そういう意味で私の父親の教えてくれたことで今があると言ってもいいかもしれません。
近年、「親ガチャ」という悲しい言葉をよく耳にします。たしかに経済格差の固定化で学力や学歴に関して負の連鎖が起きていると社会問題化されています。しかしでは「親にはずれた人」に対して、国や社会が何かしてくれるのでしょうか?ちゃんと最後まで面倒をみてくれるのでしょうか?そんなことはありません。くれるとしても限界があります。やはり家庭の状況を乗り越え、何とかしていくのは、その人自身だと私は思います。
ここにいる皆さんも様々な家庭環境の中で日々生活し、学校に通ってきています。決して平等な環境ではないと、皆さん自身が感じていると思います。だからこそ自分と人を比較することなく、自分の与えられた環境の中で精一杯、努力してほしいと願っています。勿論、奨学金などの様々な支援制度をよく知り、社会からの支援を十分活用することは大切です。周りの人に相談する事もとても大切です。私は高校の先生からもらったアドバイスのおかげでしっかり心が決まったような気が、今でもしています。
今日は自分自身のナラティブ・物語を話ました。この話から、何かを感じてもらえればと思い、恥ずかしながらお話しした次第です。
今日から3学期が始まります。3年生諸君は、体調に気を付けて全力を出せるよう祈っています。1,2年生諸君は、次の学年に進むための大切な時期です。目の前にある課題を客観的に見つめ、それに真摯に取組む、謙虚な姿勢を持ってほしいと思います。
第2学期終業式校長講話
一隅を照らす善行を
第2学期も今日で終了します。皆さんにとってこの4カ月はどうでしたか? 細部にこだわり丁寧に真摯に物事に向き合えましたか?是非、振り返ってみてください。特に成績で自分の納得のいく結果が得られなかった人は、何が悪かったかしっかり把握し、3学期に向けて準備をしてください。いつも言っていることですが、節目、節目で自らの行動をしっかり振り返ることは皆さんの成長にとって欠かせないことです。
今、多くの生徒が表彰をされました。和国生が様々な場面で頑張っている証です。こうやって日々、自分が取り組んでいることに全力を尽くし、成果をあげている生徒がたくさんいることに校長として本当にうれしく思います。
しかし、ひとたび世界に目を向けると、そこには紛争と分断が満ち溢れ、気持ちが暗くなってしまいます。イスラエルとハマスとの戦争は激しさを増しています。ガザ地区ではすでに20,000人近くのパレスチナ人が殺されていますが、イスラエルは人質の開放とハマスのせん滅が達成するまで戦いをやめるつもりはなさそうです。日々、子どもたちが血を流し傷つき、命を失っていく姿をテレビで見ると胸が張り裂ける思いです。
また、ロシアのウクライナへの侵略は終わりが見えません。夏から始まったウクライナの反転攻勢も思ったようにうまくいかず、ウクライナを支えていた国々も支援に疲れてきています。特にこれまでの最大の支援国であったアメリカも国内政治の混乱で支援が滞ってしまいそうです。軍事力に勝るロシアは、このまま持久戦に持っていこうとしており、もしかするとこの戦争は2年どころか3年以上続くかもしれないと専門家は言っています。
そして国内では政治と金の問題で政権が大きく揺れています。君たち高校生からすれば、大人たちはいったい何をやっているのだろう。私たちの未来を壊すつもりか、もっと世の中のために真面目にやれ、と思っているかもしれません。私も大人の一人として若い皆さんには申し訳なく、恥ずかしく思います。
しかし、そういう世界の現状をただ憂いたり、大人を恨んでも仕方ありません。是非、皆さんのような若い人たちには 地に足をつけて日々の生活で自分の身の回りで少しでも世の中がよくなるような、小さな善行を実践するよう努めてほしいと思います。
思い起すと7月11日に和光第二中学校付近で、3年生数名が具合の悪い高齢者に対し親切に適切な救護してくれて終業式で表彰しました。また9月のモロッコ中部での大地震の被災に対して国際理解委員会の生徒たちが10月19日に校内で募金活動を行いました。その結果、約74,000円が集まり11月14日に国際理解委員代表がモロッコ大使館に届けました。そしてなんと、そのお礼に3月にモロッコ大使館の文化参事官が和国を訪問し出張講義をしてくれることになりました。素敵な縁がまた増えました。
そして、12月12日の献血では予想以上の多くの生徒が希望してくれて、締め切り前に定員に達してしまい、お断りすることになったと担当の先生はうれしい悲鳴をあげていました。私もそれを聞いてとても嬉しくなりました。
12月18日の読売新聞に次のような投書がありました。投書をした人がある日、地元の海水浴場を散歩していると若い男女3人が車から降りて海岸へ向かう姿を見かけたそうです。何だろうと思って様子を見ていると、海岸のごみ拾いを始めたそうです。それぞれが大きな袋を持って、広い砂浜に無数に落ちている漂流物などのごみを一つずつ拾っている。袋いっぱいにごみを集めると自分たちの車に積み込んでいた。着ているシャツからサーファー仲間であるようだが、投稿者はとても感動したと書いてありました。何かの清掃活動のイベントでもないのに人知れず自らごみ拾いをする若者に投稿した人は感動したのだと思います。
このような日々の生活の中での小さな善行は、きっとここにいる多くの皆さんが人知れずやっていると思います。家庭の中で親に言われなくても、例えばごみを出す、皿洗いをするなども立派な善行だと思います。そんなことから始めてほしいと思っています。
和国はご存じのとおり教育理念に「国際社会で必要とされるグローバルリーダーの育成」を掲げています。天台宗の開祖・最澄は、「一隅を照らす、これ則ち国宝なり」という言葉を残しました。この言葉は、「自分のいる場所や立場で精一杯努力し、周囲を明るく照らすことができる人こそが何物にも代えがたい国の宝である。」という意味です。
アフガニスタンで井戸を掘り、用水路を作り続けた医師の中村哲さんが好きな言葉であり、彼も「自分が今いる場所で、自分にできることをいっしょうけんめいやりましょう」という言葉を残しています。
誰もが注目する表舞台だけがリーダーの活躍の場ではなく、世界中のどこかで今、自分のいる場所を照らしていく。それこそが真のグローバルリーダーであり世界の宝であると私は思うのです。
最後に、もうすぐクリスマスです。クリスマスは隣にいる人を愛する日です。隣にいる人、家族、友人に優しい気持ちで接してほしいと思います。ではよいクリスマス、年末年始を過ごしてください。1月9日、元気に登校してください。