1学期が終了しました
本日終業式を終え、1学期が終了しました。終業式では、インターハイに出場する少林寺拳法部、フェンシングの壮行会を行いました。また、夏季休業中に海外研修に行く生徒代表からのあいさつもありました。3年生は受験勉強が本格化します。夏の集中勉強会には100名以上の生徒が参加し、1日10時間以上の勉強を目指します。海外研修には、オーストラリア2コース、ボストン、フィリピン、インドネシアに約100名近い生徒が出かけます。さまざまなことに挑戦し、頑張る和国生を応援しています。
【1学期終業式校長講話】
第1学期も今日で終了します。皆さんにとって、この4カ月はどうでしたか。
皆さんは、勉強を中心にしながら部活や学校行事によく頑張ってくれました。
まずは部活動ですが、どの部活動もよく頑張りました。確かに、部活動と勉強との両立は大変ですが、部活動をやり通すことの意義は大きなものがあります。先ほど表彰、壮行会を行いましたが、全国大会に出場する部活動は、ぜひ日頃の成果を発揮して頑張ってください。
学校行事については、6月の文化祭がありました。4000人余りの方に来場していただき、大変盛り上がりました。各クラスや部活動等が趣向を凝らしたいへん素晴らしかったです。裏方として一生懸命働いていただいた実行委員や委員会の皆さんもご苦労様でした。
今日は、「すぐ役に立つものは、反面、すぐに役に立たなくなる」という話をします。
「すぐ役に立つものは、反面、すぐに役に立たなくなる」とはかつて慶應義塾大学の塾長であった小泉信三氏の言葉です。日本では、1990年代半ばから、「すぐに社会に役立つ人材、即戦力を出すべきだ」という声が強まってきました。教養教育が軽視され、早く専門教育をすべきだという考えが産業界からも聞こえてきました。
一方で米国の大学では伝統的に教養教育を重視してきました。結果として、米国ではグーグルやアマゾンといったいわゆる「GAFA」と呼ばれるIT企業が世界を席巻したのに対して、最近日本ではそのような世界企業が生まれていないのが現状です。海外では、複数の学問を専攻する学生が多くいます。例えば、医学と音楽とか、文学とスポーツとか。一つのことに集中することは大切なことですが、幅広いことに興味を持ち、追求していくことも非常に大切なことです。
いま、私たちは様々な課題に直面しています。国内外で課題が山積し、そのいずれもが正解のない、あるいは正解が一つとは限らない複雑で困難な時代です。そのような世の中を生きていくには、専門分野に限定せず、様々な分野の知識を得ることが大切です。「すぐに役に立たないかもしれないが、生涯にわたって役に立つ本物の知識、人間力をつける」、まさに「教養(リベラルアーツ)」が必要です。
皆さんも、例えば、学習にしても、特定の科目しか興味を持たないのではなく幅広く勉強し、また、学校行事や部活動やボランティアにも積極的に関わり、自分自身の「教養」を幅広く身につけてください。
次の話は、選挙についての話です。20日は参議院選挙の投票日です。3年生の皆さんの中で18歳になった人は、家に投票券が届いていると思います。ぜひ皆さん、投票にでかけてください。世の中よくならないとか、文句を言っているだけでは変わりません。まずは行動することが大切です。皆さんの身近なことと言えば、例えば消費税の問題とかあると思います。国の政策を決めるのは議員です。それを選ぶのは皆さんです。皆さんは5月の生徒総会で積極的に議論を交わしていました。是非とも自分たちでこれからの世の中を良くしていくという意識を持ってください。
最後に、夏休みに入るにあったって、それぞれの学年の皆さんにお話しします。
3年生にとっては、いよいよ受験本番です。
高校時代を振り返ってみたときに、記憶に残るくらい勉強してください。自分の時間のすべてをひとつのことに集中できることは長い人生でもそんなにはありません。勉強だけできる苦しさとそして幸せを感じながら、心と体の健康管理をしっかりして頑張ってください。
1,2年生にとっては、様々なことに挑戦して頑張れるときです。部活動しかり、勉強しかり、自分の興味のあるものに全力で取り組んでください。まさに、The only failure is not to try. です。この中で海外研修に出かける人もいますが、是非いろいろと経験してきてください。きっと皆さんにとって、人生における大きな財産となるでしょう。
また、この時期に考えてもらいたいことは、将来のことです。皆さんは漠然と大学に行くと考えていませんか。その先のことをぜひ考えてください。将来どんな仕事をしたいか、そのためにどんな道があるのかを考えることが必要です。夏休みは時間がたくさんあります。そのための時間にしてください。
9月1日、元気に登校してください。