学生の恋愛風景を見てどう感じますか......怒りですか、嫉妬ですか、微笑ましいと思いますか、いやそれはまだ早いと思ってますか。複雑な感情をもてあまし、彼らが並んで歩道を歩く姿を見ている。 学生時代、恋愛をできなかった。その問題は思った以上に大きい。刑事コロンボの頭脳をもってしても解決できない、難事件が学生時代に起こっていた。 それをいまだにこじらせている自分を感じるのに、二度と手に入らぬ宝石のようなかけがえのない仮定の時間の表面にすら、いまさら指先に触れることすらかなわない。 学生時代、恋愛をできなかった、大人がたとえ現在普通に恋愛をできるようになっていたとしても、それですべてが解決できたわけではなく、時効になることだってない。永遠になぞ解きをしてゆかなくちゃならない。 彼らの幸せを一瞬で破壊し吹き飛ばしてしまうほどの深い、暗い憎悪を叩きつけるとしたら頭の中でだけ。個人的に憎悪はなくても、その風