高付加価値旅行の推進
訪日旅行者数の増加だけでなく、訪日旅行消費額の拡大を目指すためにJNTOが重点的に取り組んでいることの1つが、高付加価値旅行の推進です。
2021年に6,900万人だった保有資産100万USドル以上の人口が、2026年には1億600万人に増加するとの予測(※(注記)1)もあります。旅行体験の充実を目指す高付加価値旅行市場のニーズは、さらなる高まりが期待される分野です。
※(注記)1 出典:THE WEALTH REPORT2022
高付加価値旅行とは
観光庁によると、「高付加価値旅行者は、単に一旅行当たりの消費額が大きいのみならず、一般的に知的好奇心や探究心が強く、旅行による様々な体験を通じて地域の伝統・文化、自然等に触れることで、自身の知識を深め、インスピレーションを得られることを重視する傾向にある」(※(注記)2)とされています。
このような旅行者を誘致するには、その地域ならではの特色をストーリーとして魅力的に伝えられるようなコンテンツや人材の整備が必要であり、これらに取り組むことは、旅行消費額の拡大を目指すだけでなく、地域の観光以外の多様な産業経済を含めた経済活性化や持続可能な地域の実現にもつながります。
※(注記)2 出典:観光庁「地方における高付加価値なインバウンド観光地づくりに向けたアクションプラン」(2022年5月)
JNTOの取り組み
高付加価値旅行をより効果的に推進するため、JNTOでは、日本国内および海外の旅行業界関係者や海外の高付加価値旅行者層に向け、それぞれ次のような取り組みを進めています。
日本国内の旅行業界関係者向け
- 高付加価値旅行向けコンテンツやサービス内容の収集・蓄積
- 日本の国内関係者のネットワーク化
海外の旅行業界関係者、高付加価値旅行者層向け
- 高付加価値旅行を取り扱う海外旅行会社とのネットワーク拡充、海外セールスの強化
- 高付加価値旅行者への効果的な情報発信、アプローチの実践・強化
高付加価値旅行コンテンツの収集と海外向けの情報発信
日本各地で造成が進められているその地域ならではの特別な体験プログラムを収集し、各分野の専門家による評価を経て、高付加価値旅行コンテンツとして選定しています。選定したコンテンツは、動画やデジタルパンフレット、高付加価値旅行の魅力を発信する特集ウェブページで多言語で紹介し、海外の旅行業界関係者へのセールスに活用するとともに、高付加価値旅行者に向けて発信しています。
デジタルパンフレット(英語)
特設ページ「JAPAN. WHERE LUXURY COMES TO LIFE」(英語)
高付加価値旅行を取り扱う海外旅行会社とのネットワーク拡充、海外セールスの強化
高付加価値旅行を取り扱う海外の旅行会社とサプライヤーが加盟する、高付加価値旅行コンソーシアムに加盟し、コンソーシアムが主催する商談会へ参加するほか、加盟旅行会社へ向けた情報発信や旅行会社招請を行っています。併せて、高付加価値旅行に特化した海外の主要な商談会等に出展し、訪日高付加価値旅行の認知向上、具体的な商談に繋げるセールス活動を行っています。また、JNTOの海外事務所のネットワークを活用し、海外の有力な旅行会社が参加する商談会を主催することで、日本国内のサプライヤーへのセールス機会を創出しています。
JNTOが連携する主なコンソーシアム
- Ensemble Travel Group
- Serandipians by Traveller Made
- Signature Travel Network
- Virtuoso
JNTOが出展する主な高付加価値旅行商談会
- Further East
- ILTM (International Luxury Travel Market) Asia Pacific
- ILTM (International Luxury Travel Market) Cannes
- ILTM (International Luxury Travel Market) North America
- The Essence of Luxury Travel
- Virtuoso Travel Week
国内旅行業界関係者のネットワーク構築
DMC(Destination Management Company)やDMO、自治体、宿泊施設、アクティビティ事業者等、日本国内の高付加価値旅行に関わる組織・団体間のネットワーク化の促進を図っています。また、高付加価値旅行向けの取り組みについて、国内関係者を対象とした個別コンサルティングを実施しています。