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鬼殺し (将棋)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
将棋 > 将棋の戦法 > 奇襲戦法 > 鬼殺し (将棋)

鬼殺し(おにごろし、: Demon Killer[1] , Demon Slayer)は、将棋戦法の一つ。先手の奇襲戦法である。

大正時代末期に大道詰将棋を出題していた野田圭甫が販売した「可章馬(かしょうま)戦法」という本の売り文句「この戦法を使えば鬼も逃げ出す、鬼も倒せる」から、この名がついたとされている。

いきなりが高跳びするという手順だが、早石田の変化(王手飛車をはじめとする両取り狙い、7三地点の突破)を取り込んでいるために破壊力があり、庶民に分かりやすかったことから縁台将棋で流行した。

原始鬼殺し

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しろさんかく持ち駒 なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1  
香 桂 銀 金 王 金 銀 桂 香 一
  飛           角   二
歩 歩 歩 歩 歩 歩   歩 歩 三
            歩     四
                  五
    歩             六
歩 歩 桂 歩 歩 歩 歩 歩 歩 七
  角           飛   八
香   銀 金 玉 金 銀 桂 香 九
さんかく持ち駒 なし
図1-1 3手目さんかく7七桂まで
しろさんかく持ち駒 なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1  
香 桂   金 王 金 銀 桂 香 一
  飛   銀       角   二
歩   歩 歩 歩 歩   歩 歩 三
  歩         歩     四
    歩 桂           五
                  六
歩 歩   歩 歩 歩 歩 歩 歩 七
  角           飛   八
香   銀 金 玉 金 銀 桂 香 九
さんかく持ち駒 なし
図1-2 7手目さんかく7五歩まで
しろさんかく持ち駒 角
9 8 7 6 5 4 3 2 1  
香 桂   金 王 金   桂 香 一
  飛   銀       銀   二
歩   歩   歩 歩   歩 歩 三
  歩   歩     歩     四
    歩 桂 角         五
                  六
歩 歩   歩 歩 歩 歩 歩 歩 七
              飛   八
香   銀 金 玉 金 銀 桂 香 九
さんかく持ち駒 なし
図1-3 11手目さんかく5五角まで
しろさんかく持ち駒 角二
9 8 7 6 5 4 3 2 1  
香 桂     王 金   桂 香 一
  飛   銀           二
歩   と   歩 歩 銀 歩 歩 三
  歩   金     歩     四
      桂           五
                  六
歩 歩   歩 歩 歩 歩 歩 歩 七
    飛             八
香   銀 金 玉 金 銀 桂 香 九
さんかく持ち駒 歩二
図1-4 19手目さんかく7三歩成まで

さんかく7六歩しろさんかく3四歩にさんかく7七桂と跳ねる(図1-1)。これに対して後手がしろさんかく8四歩ときたら、さんかく6五桂しろさんかく6二銀さんかく7五歩(図1-2)とする。これに手抜きするとさんかく7四歩しろさんかく同歩さんかく2二角成しろさんかく同銀さんかく5五角で飛車・銀の両取りとなるためしろさんかく6四歩と対応するが、さんかく2二角成しろさんかく同銀さんかく5五角と進む(図1-3)。この後、しろさんかく3三銀さんかく6四角しろさんかく5二金右さんかく7四歩しろさんかく6三金さんかく7八飛しろさんかく6四金さんかく7三歩成で先手必勝となる。(図1-4)

後手の有効な対策としては、しろさんかく6二銀でしろさんかく6二金と立つ手がある。さんかく6五桂に対してしろさんかく6四歩〜しろさんかく6三金としておけば、先手に有効な手段はない。

しろさんかく6二金の受けが発見されてから、鬼殺しはハメ手の奇襲として扱われ、廃れてしまったが、稀にプロの対局でも出現することがあり、その時は後手はいずれも3手目さんかく7七桂に対して4手目しろさんかく6二銀と指している。これまでの先例は佐藤大五郎中原誠戦、神吉宏充瀬川晶司[要検証 ノート ]であるが、佐藤を破った中原は「しろさんかく6二銀(さんかく7六歩しろさんかく3四歩さんかく7七桂の局面でしろさんかく8四歩との比較で)の方が勝る」と述べている。

森雞二の著書ではさんかく6五桂と飛ぶ前にさんかく7八飛とし、以下しろさんかく8五歩であると、さんかく6五桂にしろさんかく6二金としても、さんかく7五歩しろさんかく6四歩に、さんかく2二角成しろさんかく同銀さんかく5五角しろさんかく6三金ではなく、さんかく7四歩として先手よしとある。以下、さんかく7四歩をしろさんかく同歩ではさんかく同飛しろさんかく7三歩さんかく6四飛しろさんかく8八角成さんかく同銀しろさんかく5五角さんかく6六角しろさんかく6四角さんかく1一角成しろさんかく3二銀にさんかく6六馬で、次のさんかく8四香が厳しいとしている。一方でさんかく7四歩にしろさんかく6五歩はさんかく7三歩成しろさんかく同金にさんかく同飛成しろさんかく同桂さんかく7四歩である。

しろさんかく持ち駒 桂
9 8 7 6 5 4 3 2 1  
香 桂 銀   王 金 銀 桂 香 一
    金   飛     角   二
歩 歩     歩 歩   歩 歩 三
    歩       歩     四
      歩           五
                  六
歩 歩   歩 歩 歩 歩 歩 歩 七
  角 飛             八
香   銀 金 玉 金 銀 桂 香 九
さんかく持ち駒 歩
図2-1 12手目しろさんかく6五歩まで
しろさんかく持ち駒 角桂
9 8 7 6 5 4 3 2 1  
香 桂       金   桂 香 一
  銀 金 飛   王   銀   二
歩 歩     歩 歩   歩 歩 三
    歩       歩     四
      歩 角         五
                  六
歩 歩   歩 歩 歩 歩 歩 歩 七
    飛   金   玉     八
香   銀     金 銀 桂 香 九
さんかく持ち駒 歩
図2-2 21手目さんかく5五角まで
しろさんかく持ち駒 角二銀桂歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1  
香         金 王 桂 香 一
  飛           銀   二
歩 歩 龍   歩 歩   歩 歩 三
            歩     四
      歩           五
                  六
歩 歩   歩 歩 歩 歩 歩 歩 七
        金   玉     八
香   銀     金 銀 桂 香 九
さんかく持ち駒 金桂歩
図2-3 31手目さんかく7三同飛成まで

また、将棋電王戦FINALの事前企画として指された、Selene永瀬拓矢の30分切れ負け将棋では、鬼殺しを指したSeleneに対し、永瀬はしろさんかく6二金の代わりにしろさんかく5二飛と受けた。以下さんかく7八飛しろさんかく7二金さんかく7五歩しろさんかく6四歩さんかく7四歩しろさんかく6五歩と進み、歩桂交換で後手の大きな駒得となった。(図2-1)

しかし、さんかく4八玉しろさんかく8二銀さんかく3八玉しろさんかく6二飛さんかく5八金左しろさんかく4二玉と、囲いの手順に入ったところでSeleneがさんかく2二角成しろさんかく同銀さんかく5五角と強襲。(図2-2)以下、しろさんかく3一玉さんかく8二角成しろさんかく同金さんかく7一銀しろさんかく3二飛さんかく8二銀不成しろさんかく同飛さんかく7三歩成しろさんかく同桂さんかく同飛成となり(図2-3)、そのまま先手が押し切った。

しろさんかく持ち駒 なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1  
香 桂 銀 金 王 金 銀   香 一
  飛           角   二
歩 歩 歩 歩 歩 歩 桂 歩 歩 三
            歩     四
                  五
    歩         歩   六
歩 歩   歩 歩 歩 歩   歩 七
  角           飛   八
香 桂 銀 金 玉 金 銀 桂 香 九
さんかく持ち駒 なし
図3-1 しろさんかく3三桂まで
しろさんかく持ち駒 なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1  
香 桂 銀 金 王 金 銀   香 一
  飛               二
歩 歩 歩 歩 歩 歩   歩 歩 三
                  四
        角 桂 歩 歩   五
    歩     歩       六
歩 歩   歩 歩   歩   歩 七
  銀       銀   飛   八
香 桂   金 玉 金   桂 香 九
さんかく持ち駒 角
図3-2 しろさんかく5五角まで
しろさんかく持ち駒 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1  
香 桂 銀 金 王 金 銀   香 一
              角   二
歩   歩 歩 歩 歩 桂 歩 歩 三
            歩     四
  歩               五
    飛     銀 歩 歩   六
歩 歩 角 歩 歩 歩     歩 七
    金         飛   八
香 桂 銀   玉 金   桂 香 九
さんかく持ち駒 なし
図3-3 さんかく3六銀まで

後手番では図3-1から先手がさんかく2五歩として図3-2となれば、以下さんかく7七角はしろさんかく4六角さんかく5八金右にしろさんかく3六歩で成功であるが、実際は図3-1でさんかく4八銀で難しい。『イメージと読みの将棋観』(2010、日本将棋連盟)では神吉宏充が後手番をもって図3-1からさんかく2五歩にしろさんかく1四歩さんかく4八銀しろさんかく8四歩さんかく6八銀しろさんかく8五歩さんかく7七銀しろさんかく8四飛さんかく6八玉しろさんかく3五歩さんかく7八玉しろさんかく3四飛とひねり飛車を1993年の順位戦ほか2局指し、勝利は挙げていないという。プロ棋士でも6名全員が先手をもったらありがたい、後手は全然だめとしているが、図3-1の先手側の次手はさんかく4八銀が手堅く、佐藤康光羽生善治しろさんかく8四歩ならさんかく7八金しろさんかく8五歩さんかく7七角で、しろさんかく8四飛さんかく3六歩しろさんかく7四飛さんかく3七銀しろさんかく7六飛であるとさんかく4六銀(図3-3)からさんかく3五歩として楽勝、渡辺明はしろさんかく8四歩ならさんかく7八銀とし、以下しろさんかく8五歩さんかく7七銀しろさんかく3五歩さんかく4六歩、谷川浩司はとがめるならさんかく2五歩しろさんかく4五桂さんかく4八金の定跡どおり、藤井猛さんかく2五歩と突いて後手がしろさんかく3二金ならばさんかく4八銀で様子をみるとしている。森内俊之さんかく4八銀にしろさんかく8四歩さんかく6八銀以下しろさんかく8五歩さんかく7七銀しろさんかく3五歩さんかく6八玉しろさんかく8四飛となると、8五の歩が負担となりそうで、またいずれ3三の桂頭が負担になるとしている。

新・鬼殺し

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しろさんかく持ち駒 角
9 8 7 6 5 4 3 2 1  
香 桂 銀 金 王 金 銀 桂 香 一
  飛               二
歩   歩 歩 歩 歩   歩 歩 三
            歩     四
  歩 歩             五
                  六
歩 歩 桂 歩 歩 歩 歩 歩 歩 七
    飛             八
香   銀 金 玉 金 銀 桂 香 九
さんかく持ち駒 角
図4-1 さんかく7七桂まで

ハメ手の要素が強い鬼殺し戦法であるが、この戦法の改良型が米長邦雄によって考案され、プロの実戦でも指されたことがある。

さんかく7六歩しろさんかく8四歩に対してさんかく7五歩と早石田含みの駒組みを進めるのが特徴で、以下しろさんかく8五歩さんかく7七角しろさんかく3四歩さんかく7八飛で、しろさんかく7七角成さんかく同桂となって図4-1の基本型となる。

ほかに初手からさんかく7六歩しろさんかく8四歩にさんかく7八飛とし、以下しろさんかく8五歩にさんかく7七角しろさんかく3四歩さんかく7五歩しろさんかく7七角成さんかく同桂。米長の著書ではさんかく7六歩しろさんかく8四歩にさんかく7五歩とし、以下しろさんかく8五歩にさんかく7七角しろさんかく3四歩さんかく7八飛。途中さんかく7五歩にしろさんかく3四歩さんかく7七角しろさんかく8五歩でもさんかく7八飛で、図4-1に合流する。

また米長の著書では初手さんかく7六歩にしろさんかく3四歩には角頭歩付き戦法を進めているが、以下さんかく7五歩とし、しろさんかく8四歩にさんかく7八飛しろさんかく8五歩さんかく7七角しろさんかく同角成さんかく同桂となれば、図4-1に合流する。途中しろさんかく8五歩にしろさんかく8八角成さんかく同銀しろさんかく6五角は、さんかく7六角があって、早石田の切り返しと合流する。

図4-1から後手の指し手はしろさんかく8六歩、しろさんかく7六角、しろさんかく4五角、しろさんかく2二角、しろさんかく5四角などやしろさんかく6二銀などがあるが、新鬼殺しはそれらすべてに対して切り返しが用意されており、応じて臨機応変に動いていくことができるのが特徴である。しろさんかく8六歩さんかく同歩にしろさんかく8七角は飛車を逃げずにさんかく7四歩で、しろさんかく7八角成さんかく同銀となると、角をもっているほうが角の打ち込みのスキがある陣となってしまっている後手居飛車側が不利な状況となっている。しろさんかく8六歩さんかく同歩にしろさんかく8六同飛はさんかく7四歩。

しろさんかく7六角やしろさんかく4五角にもさんかく7四歩しろさんかく同歩さんかく5五角。しろさんかく2二角にはさんかく6六角で、しろさんかく同角さんかく同歩しろさんかく6七角はさんかく6五桂、しろさんかく8六歩さんかく同歩しろさんかく同飛はさんかく2二角成しろさんかく同銀さんかく6五桂である。しろさんかく5四角に対する切り返しは以下さんかく5五角しろさんかく2二銀さんかく8五桂などがある。

後手がしろさんかく6二銀から無難に指すと、この場合は前述のさんかく7四歩から鬼殺しのように攻める戦いが可能となっている。しろさんかく6二金として通常の鬼殺し同様の封じをしてきた場合には、例えばさんかく8八飛から角交換型向かい飛車にして戦う手段などが知られる。

後手が先手から奇襲を恐れて図4-1の前に、例えばしろさんかく6二銀として、そもそも角交換をしてこない場合は、角を7七に上げた関係で一手損となっているので、さんかく7四歩から早石田を目指すことができるほか、角道を止めて本石田流を目指すことも可能となっている。

しろさんかく遠山 角
9 8 7 6 5 4 3 2 1  
香 桂 銀 金   金 銀 桂 香 一
  飛       王       二
歩   歩 歩 歩 歩   歩   三
            歩     四
  歩 歩 桂         歩 五
                  六
歩 歩   歩 歩 歩 歩 歩 歩 七
    飛       玉     八
香   銀 金   金 銀 桂 香 九
さんかく門倉 角
図4-2 さんかく6五桂まで

初手さんかく7八飛に2手目しろさんかく8四歩にも対応でき、後手の対策もいろいろあるが、通常の鬼殺しと比べて飛車が使いやすいことで先手も十分に戦える。

プロの対局で実際にあったのが図4-2の局面、2012年1月の門倉啓太遠山雄亮戦で、大乱戦になった。門倉の初手さんかく7八飛に以下しろさんかく8四歩さんかく7六歩しろさんかく8五歩とし、その後さんかく7七角しろさんかく3四歩さんかく4八玉に、しろさんかく7七角成としたもので、以下さんかく同桂にしろさんかく1四歩さんかく3八玉しろさんかく1五歩さんかく7五歩しろさんかく4二玉に門倉はさんかく6五桂と進めた(図4-2)。以下しろさんかく8六歩さんかく同歩しろさんかく3三角さんかく6六歩しろさんかく8六飛さんかく7四歩と進行した。

手順が本格的になったことで、原始鬼殺し同様の狙いだけでなく、持久戦にも対応する形となったが、後手が穏やかに応じれば先手であるにもかかわらず後手番で石田流に構えたのと同じような展開となるため、プロ間では「先手の得がない」という理由で戦法として定着するまでには至らなかった。しかし、狙いとなる筋は明快で、アマチュアには非常にわかりやすかったことから、この戦法を著した米長邦雄の「新鬼殺し戦法」は60刷近くを数えるロングセラーとなった。

普通の鬼殺しのように角が8八のままでさんかく7七桂と跳ねると、しろさんかく6四歩と突かれた時に足が止まってしまうのであるが、新鬼殺しは角を交換しているので、 手を作りやすい。

鬼殺し向かい飛車

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しろさんかく持ち駒 なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1  
香 桂 銀 金 王 金 銀 桂 香 一
              飛   二
歩 歩 歩 歩 歩 歩 角 歩 歩 三
            歩     四
              歩   五
    歩             六
歩 歩   歩 歩 歩 歩   歩 七
  角           飛   八
香 桂 銀 金 玉 金 銀 桂 香 九
さんかく持ち駒 なし
図5 6手目2二飛まで

鬼殺し戦法の更なる改良形ともいえるのが、島朗考案の「鬼殺し向かい飛車」戦法である。これは角道を止めずに向かい飛車に振り、相手が角交換から角を打ってきた時には一気に鬼殺しへ変化するという戦法である。これまで考案された鬼殺し系統の戦法の中で、唯一相手が常に正しい手を指し続けても不利にならないとされている。

なお角交換しない場合は普通の向かい飛車となるが、相手が角道を止めざるを得ないので有利になる。また、後手が左銀を上がった状態で先手から角交換すると、後手は桂馬ではなく銀で馬を取る。この場合は後手がダイレクト向かい飛車よりも有利な形で駒組みを行うことができ、後手不満なしとなる。よって居飛車側は7手目に角交換する。その後、しろさんかく同桂に先手はさんかく9六歩と玉側の端歩を突くのが良いとされている。

この戦法に近い戦い方は森内俊之羽生善治の第62期名人戦第1局で行われた。後手森内の鬼殺し向かい飛車模様に対し、先手羽生は角交換しなかったものの、森内はそのまま玉を穴熊に囲い、勝利を収めた。考案者の島が自著『島ノート』で紹介したため、インターネット将棋では一時期非常に流行したという。

近年では2017年 第3期叡王戦 九段予選 藤井猛三浦弘行で藤井猛が採用し、勝利した。

対振り飛車用

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しろさんかく持ち駒 なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1  
香 桂 銀 金 王 金   桂 香 一
  飛         銀     二
歩 歩 歩 歩 歩   角 歩 歩 三
          歩 歩     四
    歩         歩   五
                  六
歩 歩 桂 歩 歩 歩 歩   歩 七
  角           飛   八
香   銀 金 玉 金 銀 桂 香 九
さんかく持ち駒 なし
図6-1 さんかく7七桂まで
しろさんかく持ち駒 なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1  
香 桂 銀 金   金 銀 桂 香 一
      王   飛       二
歩 歩 歩 歩 歩   角 歩 歩 三
          歩 歩     四
    歩         歩   五
                  六
歩 歩 桂 歩 歩 歩 歩   歩 七
  角           飛   八
香   銀 金 玉 金 銀 桂 香 九
さんかく持ち駒 なし
図6-2 しろさんかく6二玉まで

振り飛車党に対してさんかく7五歩からさんかく7七桂と構えて指す鬼殺し戦法もある。 図6-1のように角道を止めてしろさんかく3二銀とするノーマルの四間飛車の出だして、しろさんかく4二飛ならばさんかく6五桂とし、以下はしろさんかく6二金 7四歩で、しろさんかく同歩ならばさんかく5五角しろさんかく4五歩さんかく9一角成しろさんかく9九角成さんかく8一馬しろさんかく7二銀さんかく7一馬しろさんかく4四馬さんかく5六香しろさんかく5四歩さんかく7八飛しろさんかく7五香(しろさんかく5五歩はさんかく7四飛しろさんかく5六歩さんかく4四飛しろさんかく同飛さんかく5三角またはさんかく6二馬)さんかく7五同飛しろさんかく同歩さんかく5三香しろさんかく5二金上さんかく同香成で、しろさんかく同飛またはしろさんかく同玉いずれもさんかく7四桂などと攻めを続けることができる。さんかく7七桂にしろさんかく4三銀ならばさんかく2六飛で、しろさんかく2二飛ならばさんかく6五桂とし、以下しろさんかく6二金さんかく7四歩しろさんかく6四歩さんかく7三歩成しろさんかく同桂さんかく同桂成しろさんかく同金さんかく7四歩、これをしろさんかく同金はさんかく6三桂、しろさんかく7二金はさんかく5五角しろさんかく6二飛さんかく6五桂しろさんかく6一桂さんかく7三歩成しろさんかく同金さんかく同桂成しろさんかく同桂さんかく7六飛しろさんかく7二歩(しろさんかく7二銀ならさんかく7四金しろさんかく6五桂の後、さんかく6八銀を入れてからさんかく6四角やさんかく6四金)さんかく8六飛しろさんかく8二銀さんかく8一金など、攻めが続く。これを避けるにはさんかく6五桂の跳ねにしろさんかく6二金に代えてしろさんかく6二銀とする必要がある。

戻って、四間飛車の場合に図6-1のしろさんかく3二銀〜しろさんかく4二飛ではなく、単にしろさんかく4二飛からの駒組であれば、さんかく7七桂には普通にしろさんかく6二玉(図6-2)で、以下さんかく6五桂ならしろさんかく6四歩で何でもない。したがって先手もさんかく7七桂とはせずにさんかく7八金とし、以下しろさんかく6二玉さんかく7四歩しろさんかく8二銀さんかく7三歩成しろさんかく同銀と後手も形は乱れるがこれで一局。 またさんかく7七桂もさんかく7八金ともせずにさんかく7四歩しろさんかく同歩にさんかく5五角としても、後手もしろさんかく8二銀やしろさんかく9二飛で対応ができる。 さらにさんかく2六飛とし、しろさんかく3二銀を待ってさんかく7四歩しろさんかく同歩さんかく5六飛もあり、以下しろさんかく5二飛としさんかく5五角しろさんかく8二銀さんかく6六飛にしろさんかく7二金としておき、さんかく8二角成しろさんかく同金さんかく6三飛成にはしろさんかく4五歩の切り替えしがある。

四間飛車型

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しろさんかく持ち駒 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1  
香 桂   金 王 金 銀 桂 香 一
  飛           角   二
歩   歩   歩 歩   歩 歩 三
  歩     銀   歩     四
    歩 桂           五
                  六
歩 歩     歩 歩 歩 歩 歩 七
  角   飛   玉       八
香   銀 金   金 銀 桂 香 九
さんかく持ち駒 歩
図7-1 さんかく6五桂まで
しろさんかく持ち駒 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1  
香 桂 銀 金 王 金 銀 桂 香 一
          飛   角   二
歩 歩 歩 歩 歩     歩 歩 三
            歩     四
          桂       五
    歩   銀     歩   六
歩 歩   歩 歩   歩   歩 七
  角           飛   八
香   銀 金 玉 金   桂 香 九
さんかく持ち駒 歩
図7-2 しろさんかく4五桂まで

先手四間飛車には相手の後手が右四間模様で後手のしろさんかく6四歩とした際にさんかく7五歩として、しろさんかく6三銀にさんかく7七桂とし、しろさんかく5四銀にさんかく6五歩しろさんかく同歩さんかく同桂と鬼殺しのように仕掛けていく戦法がある。以下しろさんかく8八角成はさんかく5三桂不成からさんかく6一飛成を狙われる。しろさんかく6五銀はさんかく同飛しろさんかく8八角成さんかく同銀しろさんかく5四角さんかく6八飛しろさんかく2七角成にさんかく6三歩。しろさんかく5二金右ならばさんかく2二角成しろさんかく同銀さんかく7一角しろさんかく7二飛さんかく5三桂不成しろさんかく7一飛さんかく4一桂成しろさんかく同玉さんかく6二金など。したがってしろさんかく4二玉かしろさんかく4二金とすれば、さんかく7一角の筋はない。図7-2のように後手四間飛車であれば、同じように進んだときにしろさんかく4八金にさんかく7七角と準王手飛車があるが、以下しろさんかく3九金さんかく4三歩はしろさんかく4九飛さんかく7八玉しろさんかく4三飛成がある。

出典

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  1. ^ Kawasaki, Tomohide (2013). HIDETCHI Japanese-English SHOGI Dictionary. Nekomado. p. 20. ISBN 9784905225089  

参考文献

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外部リンク

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  • 鬼殺し 日本将棋連盟 - 将棋コラム
居飛車
相居飛車
矢倉
相掛かり
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横歩取り
対振り飛車
舟囲い急戦
振り飛車
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四間飛車
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その他
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居飛車
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対振り飛車
振り飛車
対居飛車
相振り飛車
その他
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