ペリレン
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ペリレン[1] | |
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別称 peri-Dinaphthalene; Perilene; Dibenz[de,kl]anthracene | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 198-55-0 チェック |
PubChem | 9142 |
ChemSpider | 8788 チェック |
UNII | 5QD5427UN7 チェック |
EC番号 | 205-900-9 |
KEGG | C19497 チェック |
ChEBI | |
ChEMBL | CHEMBL4296691 ×ばつ">×ばつ |
RTECS番号 | SE3794000 |
バイルシュタイン | 1911335 |
Gmelin参照 | 104944 |
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特性 | |
化学式 | C20H12 |
モル質量 | 252.31 g mol−1 |
外観 | 茶色の固体 |
融点 |
276 〜 279°C |
磁化率 | -166.8·10−6 cm3/mol |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ペリレン (perylene) は化学式 C20H12 で表される有機化合物で、褐色の固体である。多環芳香族炭化水素の一種で、CAS登録番号は [198-55-0] である。ペリレンの誘導体は発癌性があると考えられており、危険性の高い汚染物質である。紫外線をあてることにより蛍光を発する。
構造
[編集 ]ペリレンは2つのナフタレン環がそれぞれ1位と8位でつながれた構造を持つ。ナフタレン環どうしをつなぐ炭素−炭素結合は共鳴構造の伸張にはほとんど寄与していない。これは、ナフタレン環の芳香族性を保ったままその結合が二重結合となるような共鳴限界式を描くことができないこと[3] 、また、X線結晶構造解析の結果[4] によると、その炭素−炭素結合長が約1.50Åであり、平均的な単結合の値 (~1.5Å) に近いことから裏付けられる[5] 。
脚注
[編集 ]- ^ Perylene at Sigma-Aldrich
- ^ International Union of Pure and Applied Chemistry (2014). Nomenclature of Organic Chemistry: IUPAC Recommendations and Preferred Names 2013. The Royal Society of Chemistry. pp. 206. doi:10.1039/9781849733069. ISBN 978-0-85404-182-4
- ^ 電荷を帯びる形では描けるが、そのような場合共鳴による安定化はほとんどない。
- ^ Donaldson, D. M.; Robertson, J. M.; White, J. G. "The crystal and molecular structure of perylene." Proc. R. Soc. Lond. A Math. Phys. Sci. 1953, 220, 311–321. 最初の1ページ (JSTOR)
- ^ ベンゼンの場合1.40Å、ナフタレンの場合長い方で1.42Åである。ブタジエンの単結合は1.48Åである。
関連項目
[編集 ]単環 |
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二環 |
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2環 | アズレン - ナフタレン - 1-メチルナフタレン - サポタリン |
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3環 | |
4環 | ベンズ[a]アントラセン - ベンゾ[a]フルオレン - ベンゾ[c]フェナントレン - クリセン - フルオランテン - ピレン - テトラセン - トリフェニレン |
5環 | ベンゾピレン - ベンゾ[a]ピレン - ベンゾ[e]ピレン - ベンゾ[a]フルオランテン - ベンゾ[b]フルオランテン - ベンゾ[j]フルオランテン - ベンゾ[k]フルオランテン - ジベンゾ[a,h]アントラセン - ジベンゾ[a,j]アントラセン - ペンタセン - ペリレン - ピセン - テトラフェニレン |
6環以上 |