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スルバクタム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
スルバクタム
IUPAC命名法による物質名
  • (2S,5R)-3,3-Dimethyl-7-oxo-4-thia-1-azabicyclo[3.2.0]heptane-2-carboxylic acid 4,4-dioxide
臨床データ
Drugs.com 国別販売名(英語)
International Drug Names
MedlinePlus a693021
法的規制
薬物動態データ
生物学的利用能 1
排泄 腎臓 ?
データベースID
CAS番号
68373-14-8  チェック
ATCコード J01CG01 (WHO )
PubChem CID: 130313
ChemSpider 115306  チェック
UNII S4TF6I2330  チェック
KEGG D08533  チェック
ChEBI CHEBI:9321  チェック
ChEMBL CHEMBL403  チェック
化学的データ
化学式
C 8H 11N O 5S
分子量 233.243 g/mol
  • O=S2(=O)C([C@@H](N1C(=O)C[C@H]12)C(=O)O)(C)C
  • InChI=1S/C8H11NO5S/c1-8(2)6(7(11)12)9-4(10)3-5(9)15(8,13)14/h5-6H,3H2,1-2H3,(H,11,12)/t5-,6+/m1/s1 チェック
  • Key:FKENQMMABCRJMK-RITPCOANSA-N チェック
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スルバクタム(Sulbactam)は、β-ラクタマーゼ阻害剤である。β-ラクタム系抗生物質とともに投与され、細菌が生産し、抗生物質を分解してしまうβ-ラクタマーゼの働きを阻害する[1]

メカニズム

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スルバクタムは、β-ラクタマーゼの不可逆的酵素阻害剤であり、酵素に結合して、抗生物質を分解できなくする。

利用

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スルバクタムは、一般的なβ-ラクタマーゼの大部分を阻害できるが、AmpCセファロスポリナーゼとは相互作用できない。そのため、しばしばこの遺伝子を発現させる緑膿菌シトロバクター属エンテロバクター属セラチア属等にはほとんど効果がない。

アメリカ合衆国や日本などでは、アンピシリンと共にアンピシリン/スルバクタム(ユナシン)という形でまとめて処方される。スルバクタムは単独でもある程度の抗細菌活性は持つものの、臨床的な効果を得るためには弱すぎる。イギリスでは、その利用は病院内に限られる。セフォペラゾン/スルバクタム合剤(スルペラゾン)も多くの国で利用されている[2]

最近では、アシネトバクター 敗血症の治療への利用に新たな関心が持たれている。

関連項目

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出典

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  1. ^ "Sulbactam forms only minimal amounts of irreversible acrylate-enzyme with SHV-1 beta-lactamase". Biochemistry 46 (31): 8980–7. (August 2007). doi:10.1021/bi7006146. PMC 2596720. PMID 17630699 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2596720/ . 
  2. ^ "Sulperazon" (英語). Drugs.com. 2020年4月11日閲覧。

関連文献

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β-ラクタム系
ペニシリン
複合ペニシリン系薬
βラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系薬
セフェム系
βラクタマーゼ阻害剤配合セフェム系
カルバペネム
モノバクタム
ペネム
アミノグリコシド系
リンコマイシン系
ホスホマイシン系
テトラサイクリン系
クロラムフェニコール系
マクロライド系
14員環マクロライド
含窒素15員環マクロライド
16員環マクロライド
ケトライド系
ポリペプチド系
グリコペプチド系
ストレプトグラミン系
キノロン系
ニューキノロン系
第2世代キノロン
第3世代キノロン(フルオロキノロン)
第4世代キノロン(エイトメトキシキノロン)
サルファ剤
葉酸代謝阻害剤
オキサゾリジノン系
カテゴリ Category:抗生物質

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