よくあるご質問
※(注記)新型コロナウイルス感染症の影響により、検査スケジュールに変更が生じております。
それに伴い、質問及び回答に記載されている検査実施年度が変更となる場合がありますので、ご了承ください。
検査全般
甲状腺検査は何年ごとに検査が行われますか?
20歳を超えるまでは2年ごと、25歳以降は25歳、30歳など、5年ごとの節目に検査を実施しています。
20歳を超えると25歳、30歳等の5年ごとの検査間隔になるのはなぜでしょうか。
一般的に年齢が上がると、結節の増大スピードが緩徐すると言われているので、25歳以上の検査間隔を5年に延ばすこととしています。
甲状腺検査はいつまでに受診すればいいのでしょうか。受診の期限はありますか。
甲状腺検査の検査スケジュールは「本格検査スケジュール」をご参照ください。
ただし、甲状腺検査のご案内が届いた時に様々な理由で受診いただけなかった場合は、ページ下部のコールセンターにご連絡いただければ、今後の検査実施スケジュールをご案内しております。
学校での検査以外で平日などに甲状腺検査を受ける場合には、学校を休ませるしかないのでしょうか。
甲状腺検査(一次検査及び二次検査)にかかわる遅刻・早退・欠席については、「欠席」扱いにしないよう(具体的には、校長が出席しなくてもよいと認める「出席停止」扱いとするよう)、県から教育委員会を通じて各学校にお願いをしています。
ただ、学校ごとの取り扱いはそれぞれの通っている学校へお問い合わせください。
検査のお知らせ
18才以上の方は、どうして年齢(学年)ごとに案内するのですか。
転居等により住所が変わる方が多くいらっしゃることで、前半年度か後半年度かが分かりづらくなっていたことから、現住所に左右されないよう、18歳以上の方は福島県内・県外在住にかかわらず年齢(学年)ごとにご案内するものです。
一次検査
先行検査や本格検査の結果、一般診療を受けていますが、次の検査は受けた方がいいのでしょうか。
検査の後、一般診療(=保険診療)に移行し、主治医がお決まりの方は、次回の検査受診については、主治医にご相談下さい。
妊婦です。超音波検査でお腹の子に何か悪い影響はありますか。
影響はありません。甲状腺検査は、妊娠中に産婦人科で胎児の状態を診る方法として広く普及している、「エコー(超音波)」検査と同じ方法です。妊婦の方でも安心して甲状腺検査を受けていただくことができます。
アレルギーがあるので、検査に使われるゼリーに反応しないか心配です。
検査時にスタッフにお申し出ください。水や低刺激性のゼリーを使って検査をすることも可能です。
どうして超音波検査だけなのでしょうか。血液検査はしなくて大丈夫ですか。
甲状腺がんがあるかどうかは、血液検査だけでは分かりません。そのため、いわゆる小さな病変(しこり等)を見つけるためには、精度が高く痛みも伴わない超音波検査を一次検査として最初に実施しています。
県民健康調査の甲状腺検査では、一次検査の段階では超音波検査のみとし、一次検査で一定の所見が認められた方には、二次検査(精密検査)を実施しています。その中では血液検査を実施しています。つまり、精密な検査(二次検査)が必要な方に限定して血液検査を実施するようにしています。
甲状腺検査を受けたいのですが、体力や心の問題で人がたくさんいる公共施設等での受診が難しいのですが、どうすればよいですか。
甲状腺検査のご案内がお手元に届きましたら、まずはページ下部のコールセンターにご連絡ください。状況をご確認させていただき、会場で必要な体制を整えます。また、公共施設等の一般会場で受診いただく場合(学校以外の場所での受診のご案内が届いた場合)は、日程調整も含めてご相談させていただきながら受診いただける体制を整えて参ります。
甲状腺検査を近くで受けられる病院がなくて不便です。今後増える予定はないのですか。
関係各位のご協力をいただきながら、県民健康調査の甲状腺検査を実施することが可能な検査機関(主に病院などの医療機関)を増やすように努めております。検査機関一覧の最新情報は下記のリンクよりご確認ください。
子供たちが社会人になると、仕事などを休めなくて検査を受けづらくなると思います。検査を受けやすくしてほしいです。
大学生や社会人の方などは、希望する検査実施機関で甲状腺検査を受診していただくことが可能です。本学と検査実施機関で日程調整を行い、日程確認のご連絡を差し上げますが、用事や体調不良などの理由で、受診できない場合には、ページ下部のコールセンターまでご連絡ください。
また、福島県外にお住まいの場合は、福島県外でも甲状腺検査が受診できます。詳細は以下をご覧ください。
なお、福島県外にお住まいの方でも福島県内において受診することが可能です。
学校で受診するようにお知らせが届きましたが、親の付き添いはできますか。
学校で行う検査では、担任の先生や養護教諭などの引率により、クラス単位などで受診することが多いことから、原則として保護者の方の立会いはご遠慮いただいております。
同意確認書兼問診票の提出期限を過ぎて提出した場合でも、検査は受けられますか。
受診できます。ただし、次の本格検査までに受診してください。放射線医学県民健康管理センターにご連絡いただければ、検査日や検査会場をご案内いたします。
また、「検査のお知らせの到着から受診まで」でも検査会場ごとのお申し込み方法についてご確認いただけます。
検査を希望しない場合も、検査同意確認書兼問診票を提出しなければならないのですか。
甲状腺検査を希望されない場合でも、検査同意確認書兼問診票の提出がないと、本当に検査希望がないのかを確認できません。そのため、検査をご希望されない場合でも、検査同意確認書兼問診票の「同意しません」にチェックを入れ、必要事項をご記入の上、ご返送いただくようにお願いします。これは検査回ごとにご希望をうかがっていますので、その度にご提出をお願いします。
同意確認書を出しましたが、何か送られてくるのですか。
検査に「同意します」と回答された方
福島県内、県外を問わず、検査実施機関で受診なさる方には、後日、受診票をお送りしますので、受診当日に、その受診票をご持参のうえ、検査実施機関にお越しください。また、公共施設等の一般会場での検査を予約された方には、「甲状腺検査にあたってのお願い」をお送りしますので、検査当日にご持参ください。
検査に「同意しません」と回答された方
福島県立医科大学から検査に係る書類をお送りすることはございません。なお、今後の甲状腺検査のお知らせは不要ですと回答された方は、今後もお送りする書類はございませんが、送付を再開される場合は、ページ下部のコールセンターまでご連絡ください。
二次検査
二次検査にかかる費用はいくらでしょうか。
二次検査は無料です。ただし、検査会場までの交通費等については自己負担となりますのでご了承ください。
また、二次検査の結果、治療や経過観察が必要になった場合は通常の保険診療に移行します。保険診療による医療費のご負担は現在住民票をお持ちの自治体の制度によって異なります。
なお、二次検査後に生じた経済的負担を支援する福島県の制度(県民健康調査甲状腺検査サポート事業)が実施されています。詳しい制度については、こちらからご確認ください。
一次検査の検査結果
1回目の検査でのう胞がありましたが2回目ではのう胞が消えました。このようなことはあるのですか。
のう胞は、成長の過程で現れたり消えたりするもので、その大きさも頻繁に変わります。
1回目の検査でA1だった判定が2回目の検査でいきなりBになることもあるのですか。
甲状腺がんは、「判定結果のA1からA2になり、さらにBになる」といったように、順を追って発症に至るわけではありません。のう胞も結節も認められなかった(A1判定)方が、次回の検査でB判定となる場合もございます。このため、次回検査を行う場合は、前回の検査でA(A1またはA2)判定だった方も、B判定だった方も、予見なく、同じ検査を実施しています。腫瘍の増殖速度は超音波の画像として見えてきてからは比較できますが、見えていない時期は何とも言えません。従ってA1から2年後突然5mm以上の結節として発見される場合もあります。
診断に用いた画像や詳しい検査結果、医師による所見は、本人に通知されるのでしょうか。
一次検査で得られた超音波画像は、その場では判定せず、必要に応じて複数の専門医により構成される判定委員会で判定を確定します。これは、見落としや勘違いを少しでも減らすためです。また、この検査は長きにわたり様々な医療機関でも検査を続けていくことから、個人の意見ではなく、県民健康調査として一定の基準で判断することを心がけているためです。
確定した検査結果については、後日、郵送でお送りしております。なお、検査結果が郵送されるまでの間の不安の軽減や検査の意義をよりよく理解していただくために、公共施設等の一般会場にて、希望者に対し医師による暫定的な結果内容を説明する機会(説明ブース)を設けています。(県内・県外の検査実施機関では、説明ができない場合もあります。学校検査では説明をしておりません。あらかじめご了承ください。)
また、受診結果の詳細(以下の内容)については、より簡素化された自己情報取得の手続きによって、検査結果の詳細情報を得ることができます。
- 一次検査実施時の超音波診断装置による画像(静止画、動画)。
- 嚢胞や結節の有無、大きさ等を記載した検査レポート。
- 二次検査対象者は二次検査時の超音波診断装置による画像(静止画、動画)、血液検査や尿検査結果表など。
詳しくは、甲状腺検査詳細情報取得手続きの簡素化については、「自己情報開示請求について」をご参照いただくか、ページ下部のコールセンターまでお問い合わせください。
その他
甲状腺がんには、どのような自覚症状があるのですか。
自覚症状がない場合が多いですが、甲状腺のはれが大きくなる、喉の痛みや発熱などが起きる、呼吸がしづらくなったり、食べ物を飲み込みにくくなったりするなどの自覚症状が現れることがあります。成人の通常の甲状腺がんの治療の多くも、症状がなく画像等で偶然に発見される場合が多いものです。
チョルノービリでは子どもの甲状腺がんが多く発症した、と聞きますが、福島県は本当に大丈夫なのでしょうか。
今回の福島の原発事故は、よくチョルノービリの原発事故と比較されますが、放出された放射線量はかなり少ない(およそ7分の1)とされています。
また、実際の甲状腺被ばく線量はチョルノービリと比較し、極めて低いと見られています。これは、福島県では、放射性ヨウ素の影響が考えられる食物等の出荷規制や摂取制限が早い段階で実施され、甲状腺の内部被ばくが低く抑えられたため、と考えられています。また原発周辺の線量の高い地域から速やかに避難がなされたことも内部被ばくが低く抑えられた要因です。
甲状腺は体の表面に近いところにありますので、外部被ばくの影響を受けやすいと言われていますが、広島、長崎の原爆被害者や小児期に頸部へ放射線を照射する治療の経験がある方の場合には、現在の福島で知られているような外部被ばく線量よりもかなり高い線量で甲状腺がんの発症増加を認めているようです。一方、チョルノービリでは、放射性ヨウ素汚染ミルクによる内部被ばくによって小児甲状腺がんが増加したといわれています。福島県でも現在知られている外部被ばくの線量では甲状腺に健康被害を及ぼすとは考えにくい状況ですが、放射性ヨウ素の内部被ばくについてはすべての個人について正確に分かっているわけではありませんので、被ばく線量からだけでは甲状腺がん発症のリスクは否定できません。
しかし、福島県での甲状腺がんの発生は被ばくリスクが高いといわれる年齢の低い方の発症が少ないことや、「県民健康調査」の基本調査の結果から、空間線量がやや異なっているにもかかわらず、浜通り、中通り、会津間の甲状腺がんの割合に地域差があまり見られていないなどの理由から、現時点においては、放射線による甲状腺の健康被害とは考えにくい、としております。
すでに実施した調査でのう胞・結節が認められた子どもについて、福島の原発事故との関係はあるのでしょうか。
平成23(2011)年度から実施した甲状腺検査の開始当初、福島県はA2判定(20mm以下ののう胞又は5mm以下の結節)の方の割合が多いのではないか、と不安の声が多く挙がったことから、平成24(2012)年度に、環境省が主体となり、長崎県、山梨県、青森県の3県で、約4,300人の子どもたちを対象に、福島県と同じ方法による甲状腺検査を実施しました。
この比較調査は福島県では0〜18歳が対象であったのに対し、3県の調査では3〜18歳が対象となり、福島県と他県の対象年齢に差がある、また他県の対象者数が少ないなど、調査結果だけをみて単純に比較することはできませんが、このような調査を行ったことで福島県の子どもたちにのう胞や結節が多く認められたわけではないことが分かっています。また、甲状腺検査では本格検査(検査2回目、3回目)でも先行検査と同様の結果でした(A2判定が少し増えていますが、それは年齢の進みに伴うものです)。これらの結果から、半数あるいはそれを超える対象者でA2判定であることは、福島の原発事故と関係があるとは考えられていません。
環境省 放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(平成30年度版)WEB版
成人の検査は必要ありませんか。
チョルノービリ原発事故後に明らかになった健康被害として、放射性ヨウ素の内部被ばくによる甲状腺がんの発症があります。甲状腺がんは被ばく時の年齢が低いほど発症のリスクが高いことがわかっており、チョルノービリでは、事故当時の年齢が0-5歳など年齢の低い層に、事故後4-5年経ってから甲状腺がん発症の増加を認めていることが問題とされました。このため、福島県の甲状腺検査では、万一のことを考えて検査対象者の年齢幅を大きくとり、事故当時18歳以下の全県民を対象に、この検査を行い、さらにその方々が成人した後も長期的に見守っていくこととしました。
二次検査で経過観察となり、保険診療を受けていた方が、経過観察中に甲状腺がんと診断されて手術を受けた場合、さかのぼって県民健康調査の「悪性ないし悪性疑い」の数に反映されたり、手術症例数に加えられたりするのですか。
ご質問のケースの場合、県民健康調査の「悪性ないし悪性疑い」数や手術症例数には反映されないことになっております。以下に理由をご説明します。
福島県県民健康調査の甲状腺検査では、二次検査で「悪性ないし悪性疑い」判定となった方の数を集計し、福島県が実施する県民健康調査検討委員会で報告をしております。
これらの方々が手術をお受けになった場合は、原則として公表が許されない診療情報として取り扱われるべきでありますが、県民健康調査の甲状腺検査が直接の発見動機となったこと、制度管理上、「悪性ないし悪性疑い」判定が適切であったかどうかを確認すべきであること、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う健康影響の有無を検討するうえで有益な情報となる可能性があることなどの理由で、特別に術後病理結果を照会し、検討委員会に報告をしています。この診療情報については、患者様および照会先医療機関のご理解とご協力により、今日まで報告が可能となっております。
それ以外の発見動機による症例、例えば、ご質問にあるような「二次検査では経過観察となり、診療として様々な理由で経過観察を行っている中で甲状腺がんが診断された」場合や、「県民健康調査以外のきっかけで病院を受診し、検査や診療を受けその中で甲状腺がんが診断された」場合などについては、手術実施の有無を含め、放射線医学県民健康管理センターでは情報を有しておりません。
関連学会が定めたガイドラインに沿って実施した県民健康調査の甲状腺検査二次検査の時点では悪性ないし悪性疑いとは判断されなかった症例すべてについて、患者様とご担当医療機関のご理解をいただきながら診療情報を詳細かつ網羅的に集めることは制度的にも倫理的にも困難なことです。
一方、甲状腺がんで治療を受けた方の症例数については、より高い精度で情報を収集・公表している制度が、県民健康調査とは別に存在しております。福島県内で治療を受けた方の症例の場合、福島県の「地域がん登録」で情報収集をしております。2016年1月からは、「がん登録等の推進に関する法律」に基づき、全国の医療機関は、がんと診断された人のデータを都道府県知事に届け出ることが義務化されましたので、その精度はより高まると見込まれています。
【参考1】
県民健康調査の甲状腺検査では、以下の場合に、その症例を「悪性ないし悪性疑い」数に含みます。
- 県民健康調査の甲状腺検査を受診した。二次検査で「悪性ないし悪性疑い」と判定された。
- 県民健康調査の甲状腺検査で、二次検査を受診し、「悪性ないし悪性疑い」ではなく、経過観察と判定され、保険診療を受けていた。その後、次の回(先行検査で経過観察の場合は、本格検査の1回目以降)の県民健康調査の甲状腺検査の時期になったために受診をしたところ、二次検査で「悪性ないし悪性疑い」と判定された。
下記に該当する場合は、県民健康調査「甲状腺検査」の「悪性ないし悪性疑い」数には含みません。
- 県民健康調査の甲状腺検査ではない検査(例えば、症状等があり自主的に病院を受診し受けた検査、保険診療で甲状腺結節を経過観察している間に病変が変化したり新たな病変ができたりして受けた検査、何らかの病気で入院中または通院中に他の目的で受けた検査、市町村や各種団体等が独自に実施している甲状腺検査など)で、その検査をきっかけに、甲状腺がんと診断された。
【参考2】
地域がん登録を含め、がん登録については下記のサイトに解説がございます。
お問い合わせ
福島県立医科大学 放射線医学県民健康管理センター
〒960-1295 福島県福島市光が丘1番地
- ※(注記)おかけ間違えのないようにご注意ください。
- ※(注記)メールでのお問い合わせは、お返事を差し上げるまでに数日いただく場合がございます。
- ※(注記)医師、医師が所属する講座への直接のお問い合わせはご遠慮ください。