これまでの健康診査の結果

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16歳以上の健康診査の結果からわかったこと

更新日:2022年11月24日

震災後7年間の健診結果からわかったこと

分析結果のまとめ

震災後7年間の分析で、高血圧・糖尿病・脂質異常の方が増えていることがわかりました。

  • 肥満は、震災後に悪化した状態を保っています。
  • 高血圧は、震災後よりさらに増加していますが、治療者が増え、数値は改善傾向です。
  • 糖尿病型は、年々増加中です。治療者も増えていますが、改善がみられません。
  • 脂質異常は、震災後よりさらに増加していますが、治療者が増え、数値は改善傾向です。
  • 肝機能異常は、震災後より減少し、改善傾向です。

(参考)対象と分析方法

対象者の考え方

市町村または県民健康調査の健診を受診した40歳以上の内、震災後H23-H24年度とH28-H29年度の健診を受診した方を対象としました。
2回以上健診を受診した方は、H23-H24年度については震災に近い年を、H28-H29年度については直近に受診した健診結果を分析しました。

震災後7年間の健診結果とここから調査の結果からわかったこと

H24年度以降、新たに生活習慣病等になった方の特徴を健診とここから調査(こころの健康度・生活習慣に関する調査)から分析しました。

今回の結果から、避難等の震災関連要因(避難所・仮設住宅を経験等)が生活習慣病等のリスクを高めている可能性が推測されます。生活習慣病等の対策としては、これまでのものに加え、精神的健康へのケアや社会参加の促進も考慮することが重要だと考えられます。

対象と分析方法

対象者の考え方

H23年度の市町村または県民健康調査の健診を受診した方の内、H23年度のここから調査に回答した40〜89歳のなかで、H24-H29年度までに健診を1回以上受診した方を対象としました。
H23年度、生活習慣病等に該当していなかった方で、H24年度以降、新たに生活習慣病等に該当した方の特徴を分析しました。

【肥満】 新たに肥満になった人の特徴は?

H23年度当時「男性であること」 「避難所・仮設住宅を経験」「放射線影響を強く意識」「仕事の変化あり」であった方は、そうでない方に比べ肥満のリスクが増加しました。

【高血圧】 新たに高血圧になった人の特徴は?

6歳以上でBMI-SDが2以上の割合
  • H23年度当時「現在飲酒2合未満・2合以上」「肥満」「男性であること」であった方は、そうでない方に比べ高血圧のリスクが増加しました。
  • H23年度当時「やせ」であった方は、そうでない方に比べ高血圧のリスクが減少しました。

【糖尿病】 新たに糖尿病型になった人の特徴は?

  • H23年度当時「肥満」「男性であること」「過去に喫煙」「避難所・仮設住宅を経験」であった方は、そうでない方に比べ、糖尿病型のリスクが増加しました。
  • H23年度当時「睡眠に概ね満足」「現在飲酒2合未満」「やせ」であった方は、そうでない方に比べ糖尿病型のリスクが減少しました。

【脂質異常】 新たに脂質異常になった人の特徴は?

  • H23年度当時「肥満」「現在喫煙」「過去に喫煙」「避難所・仮設住宅を経験」「仕事の変化あり」であった方は、そうでない方に比べ脂質異常のリスクが増加しました。
  • H23年度当時「週2回以上の運動習慣」「現在飲酒2合未満・2合以上(注記)」 「やせ」であった方は、そうでない方に比べ脂質異常のリスクが減少しました。
    (注記)飲酒が脂質異常のリスクを減少している結果となりましたが、飲酒を積極的に勧めるものではありません。

【肝機能異常】 新たに肝機能異常になった人の特徴は?

  • H23年度当時「男性であること」「現在飲酒2合以上」 「肥満」 「精神的な不調あり」 「避難所・仮設住宅を経験」「仕事の変化あり」 「週2回以上の運動習慣(注記)」であった方は、そうでない方に比べ肝機能異常のリスクが増加しました。
    (注記)週2回以上の運動習慣が肝機能異常のリスクを増加している結果となりましたが、運動を勧めないものではありません。

【腎機能異常】 新たに腎機能異常になった人の特徴は?

  • H23年度当時「肥満」「過去に喫煙」であった方は、そうでない方に比べ腎機能異常のリスクが増加しました。
  • H23年度当時「現在飲酒2合未満・2合以上(注記)」「睡眠に概ね満足」であった方は、そうでない方に比べ腎機能異常のリスクが減少しました。
    (注記)飲酒が腎機能異常のリスクを減少している結果となりましたが、飲酒を積極的に勧めるものではありません。

その他、詳しい説明や予防法等はリンク先や各種リーフレットをご覧ください。

小児健康診査の結果からわかったこと

肥満

受診時0歳〜5歳の肥満の割合は、男女とも平成23年度が最も多く、平成26年度にかけて減少傾向がみられ、その後一定の傾向はありませんでした。
受診時6歳〜15歳の肥満の割合は、男女とも平成23年度から令和2年まで一定の傾向はありませんでした。

15歳以下でBMI-SDが2以上の割合

(注記)肥満は、BMI-SDスコア2以上で定義しています。BMI-SDスコアは、BMI(肥満度)の全国平均値からどれくらい離れているかの指標です。

脂質異常(注記)

LDL(悪玉)コレステロールが高い男子の割合は、増加と減少を繰り返しながらやや減少する傾向でした。LDL(悪玉)コレステロールが高い女子の割合は、大きな変化はみられませんでした。中性脂肪が高い割合は男女とも、平成23年度から令和2年度にかけてゆるやかな増加傾向でした。HDL(善玉)コレステロールが低い割合は、男女とも一定の変化がありませんでした。

LDLコレステロールが高い小児の割合

(注記)LDL(悪玉)コレステロール値140mg/dL以上をLDL(悪玉)コレステロールが高いと定義しています。

中性脂肪が高い小児の割合

(注記)中性脂肪値が140mg/dL以上を中性脂肪が高いと定義しています。

HDLコレステロールが低い小児の割合

(注記)HDL(善玉)コレステロール値40mg/dL未満をHDL(善玉)コレステロールが低いと定義しています。

(注記)脂質異常とは、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪、HDL(善玉)コレステロールなど脂質(あぶら)のバランスが悪い状態をいいます。脂質は、体にとって必要なものですが、LDLコレステロールが多かったり、HDLコレステロールが少なかったりすると、大人になってからの動脈硬化(血管が硬くなる)の原因になります。動脈硬化になると、脳梗塞、脳出血、心筋梗塞などの重篤な病気を引き起こしやすくなります。

表中のグラフは、第44回「県民健康調査」検討委員会(令和4年5月13日開催)資料より作成しています。
その他、詳しい説明や予防法等はリンク先やPDFをご覧ください。

検討委員会資料

「県民健康調査」検討委員会で報告された、これまでの「健康診査」の結果に関する資料をご覧いただけます。

第50回福島県「県民健康調査」検討委員会(令和6年2月2日開催)

  • (注記)「健康診査」について報告があった直近の検討委員会での配布資料です。これより前の資料は、過去の検討委員会資料よりご覧ください。

お問い合わせ

福島県立医科大学 放射線医学県民健康管理センター

〒960-1295 福島県福島市光が丘1番地

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