立地企業インタビュー

良質な人材と立地環境を低コストで確保できるから、海外部品メーカーにも負けないと思います。

[画像:公盛工業株式会社/専務取締役/杉浦 綾彦さん]

東日本大震災を経験して、「陸続きの強み」をつくづく実感しました。

当社では自動車部品の切削加工をしています。モットーは少量多品種、高精度、短納期。自動車部品最大手のデンソー様をはじめとする自動車関連会社とのお取引が多いですが、特に短納期で評価をいただいています。
三沢工場の稼働は2009年。進出を検討し始めたのはさらにその5年前にさかのぼります。以前より、東海大地震はいつ来てもおかしくないと言われていて、リスク分散のために愛知県外に工場を設立することにしました。実は全部で4県視察したのですが、第一に地震が少ない土地で、他にも大きなメリットがあると判断したので、三沢市にしたのです。
ところが皮肉なことに東日本大震災が起きてしまいました。三沢市では工場の被災は免れたものの、停電や物流のストップという事態に直面しました。早速本社では現地従業員の支援と製品の回収を自力でやろうと決め、地震翌日の朝8時にはレンタカー3台に支援物資を詰め込んで出発。太平洋側は道路が寸断されていたので日本海側を通り、着いたのはその日の夜11時頃です。物資は従業員だけでなく、近隣の方々にも分けてあげられました。そして帰りは製品を積んできたのです。元々、高速道路はもちろん、新幹線も飛行機も船も使える良い立地なのですが、このときほど「陸続きの強み」を実感したことはありません。





三沢工場では、明るく一生懸命な若い従業員達が結果を出してくれています。

三沢工場の従業員は平均年齢32.4歳。若い世代が活躍しています。皆さん本当に勤勉です。例えば当社では全従業員にQC検定(品質管理検定)を取得してもらうのですが、取得するまでの日数、取得率ともに、本社・和泉工場よりも成績がいいんです。また定着率は91.1%と高く、辞められるとしても自己都合はほぼなし。大体が旦那様の転勤に伴うものなどです。出勤率も99%と驚異的で、1%の欠勤も車が大雪に埋まってしまったという不可抗力のような時だけでした。そのくらい皆さん真面目に一生懸命やってくれています。
さらに、2011年にデンソー様の仕入先QC発表大会で三沢工場のサークルが最優秀賞を獲得しました。QC活動では、みんなで知恵を出し合って協力していた姿が印象的です。先の東日本大震災の際に近隣の方々へ些少ながら支援をしたことで、その方々がQC活動で協力してくれたのです。そこで生まれた地域と連携した取り組みが評価されたことがうれしいですし、実際に仕事としてもコストダウンを実現できました。

三沢市に進出してみて、ここなら海外工場の価格競争力に負けないことを知りました。

当社が魅力を感じたのは、初期投資。地価でみると愛知県に比べ1割以下で済んでいます。なので今ある三沢工場の隣にもうひとつ建てようかと思っているくらいです。補助金制度もいくつもあって、フルに活用させていただきました。
また、電気・水道料金など様々なもののランニングコストが低いのも助かります。
補助金制度を考慮し、上記ランニングコストを指標として比較すると愛知県より低いのはもとより、日本メーカーの工場進出ラッシュが続くタイ・バンコクの工業団地よりも低いのです。もちろん当社の業態の場合なので、他業種だと違ってくるのかもしれませんが。
あと忘れてならないのが、行政のバックアップです。進出に際して青森県庁の方には本当にお世話になりました。ひとつ質問すると親切に2つ3つと細かく、いろいろ教えてくれました。
自動車部品業界では、部品の共通化などの動きや、コスト競争により日本からモノづくりが出て行ってしまっています。国内のモノづくりは今、苦しい環境ではありますが沢山のメリットがある三沢工場を中心としたモノづくりで、海外部品メーカーに勝っていきたいと思っています。

掲載年月:H26.1


公盛テック株式会社
旧:公盛工業株式会社(H29変更)
〒033-0022
青森県三沢市大字三沢字淋代平116-3162
【本社】愛知県安城市横山町寺田70-2
【会社設立】1950年8月
【操業開始】2009年
【従業員数】67人(三沢工場15人)
【事業内容】自動車用部品の精密切削加工
2013年8月現在


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