スウェーデン語にない「冷え性」
2014年04月10日 up
「冷え性」と聞くと、日本では女性に多い体の悩みの代表格とも言えますが、スウェーデン語で「冷え性」に相当する単語を耳にしたことはありません。
辞書や翻訳システムで敢えて調べると、「vita fingrar」(ビータ・フィングラル=直訳で「白い指」の意)と出てくることがありますが、これは「しもやけ」が重度化したような、「凍傷」に近い病的な症状。日本でいう「冷え性」とは、意味合いは異なります。
これから暖かくなる季節なのに、なぜ「冷え性」の話題?
と思われる方も多いかもしれませんが、実は冷えが悪化しやすいのは冬よりも夏。冷房の効いた環境に長くいることや、冷たい飲食物の過剰摂取が主な原因とも言われています。
スウェーデン語に「冷え性」に相当する単語がないのは何故か? という点を検証してみたいと思います。
ホットストーンにも、冷えを緩和する効果がありますので、冷え性の方はホットストーンセラピーなどを受けてみるのも良いかもしれません
スウェーデンでは、コーヒーや紅茶を冷たくして飲むことが最近は増えてきているものの、まだ一般的ではなく、カフェでは夏でも、やはり「ホット」が主流です。冷たい飲み物を注文しても、氷が入っていないこともしばしば。あまり冷えすぎた飲み物は好まれない、という国民性もあるのかもしれません。
夏の気温は北海道と同じぐらいですが、レストランのテラス席が繁盛したりなど、外にいる時間が長いということ、夏の日光浴は貴重と考える国民が多いこともあるので、エアコンによる冷えからは無縁であることも一理あるでしょう。室内でもエアコンを強力に起動させることは少ないようです。
また、ジムやランニングなどで体を動かすのが好きで、歩くのを苦にしない国民が多いこと、極端なダイエットの慣習がないことからも、若い女性の貧血が少なく、それも理由にあるでしょう。
入浴も冷え性には良いと言われていますね。スウェーデン人は日常、シャワーで済ませる人が多いという点からすると、矛盾しているようにも思えますが、血行を良くすることが冷え防止に有効という点では、体を動かすのが好きな国民性というのは大いに言えることと思います。
つまり、「冷え性」が単語として成立するほど、国民に共通する体の悩みにはなっていないから、と言えそうです。
しかし、日常生活や会話から察していると、体が冷えているように感じるスウェーデン人は、いないわけではないようです。そして、日本で多い若い女性よりは、更年期症状の一つとも言えるのでしょうか、比較的年配の女性に割合が多いように思います。
そのような場合には、ホットストーンセラピーや、スウェーデン人にはあまりなじみのない湯船に浸かること、そしてやはり日本人としては、できることなら日本の温泉もぜひ勧めてみたいです。
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タグ:冷え性
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- 2 コメント
2 - Comments
道下より:
2014 年 04 月 10 日 16:19:33
簡単にいうと、冷え性と感じることがないということですよね。一度サーモグラフィーで検証してみたいですね。
山本グィスラソン由佳より:
2014 年 04 月 13 日 05:40:17
コメント有難うございます。
サーモグラフィーで検証、面白そうですね。
スウェーデンの病院では、体温が37.5度ぐらいまでは発熱とみなされないことが多いので、微熱があり辛くてもわかってもらえず、困ることもあります。
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