自習したい若者のために夜中3時まで開放される市民センター@スペイン
2013年02月16日 up
スペイン私立学校の外観
息子が通うプライベートプレスクールの様子を見ていると、スペインの教育の前倒し具合や、英語を始めとする外国語学習熱に圧倒されるときがあります。
同時に、このような傾向は私立を始めとする一部の学校にだけ見られるだけで、全体としての教育レベルは非常に低いなあという印象を受けることもしばしば。
現在、スペインの18〜24歳の若者の28%が高等教育まで進まずに勉学を断念しています(スペインの義務教育期間は16歳まで)。ヨーロッパ諸国で高等教育以降の進学をしない若者の平均率は14%で、スペインはマルタ(37%)とポルトガル(29%)に次いで高い数字です。
一昔前までは、「進学したくなかったら働け」という風潮がありましたが、今はそもそもその働き口がない。前述の記事で述べたようにニート人口がこれだけ上がってくれば、社会の未来を担う若者が夢を見にくくなっている現実があります。
「どんなに勉強したって仕事はないから」との若者の声にも見られるように、たしかに現在の失業率の高さは若者の勤勉意欲をそいでしまっているかもしれません。
そんな折に目にしたニュース。
スペインには各都市、各地域には市立センター(Centros municipales)がありますが、夜も自主学習をするための場所がほしいと切望する若者のために、試験の期間である1月と5月には夜間時間も含めて市立センターの自習室を解放すると発表されました。
バレンシアでも、今年の5月から、市立青少年センター(Centros Municipales de Juventud)の5センターの勉強部屋を開放することがバレンシア州市議会によって決定されました。
4つの市立青少年センターは、21時間から1時までの夜時間に、そして1センターでは夜中3時まで自習室を開放するというのだから、今まで21時に公共図書館が閉まってから自習しに行く場所がなかった若者たちにはとっておきのニュースです。
それらの市立青少年センターのなかには、開館時間を一晩中とすることや、日中の時間帯に自習室として使える部屋を用意することも検討しているのだとか。
若者たちには、経済状況や就職率に左右されずに学ぶ楽しさを味わってほしいです。
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