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ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業...フリーランス
居住都市...ブラジル国サンパウロ市

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ベビーカーで乗り込めるサンパウロの地下鉄

ベビーカーで乗り込めるサンパウロの地下鉄

インターネットで、日本の子育て中の母親に年配の女性がアドバイスをするという企画のページを読んで、衝撃を受けました。ブラジルでの自らの行動が、まさしくマナー違反もはなはだしかったからです!!

内容は、「今頃の日本のお母さんはベビーカーで電車などの公共交通機関に乗っているけれど、これはマナーに反する」というような意見でした。昔の母はいつも抱っこしていたと...。

サンパウロでは、ベビーカーに子どもを乗せたまま電車やバスに乗車しても、空いている時間帯であれば、誰も文句を言いません。それどころか、ベビーカーで乗り降りするお母さんには常に温かい視線が注がれます。

バスの入口には階段があることが多いのですが、頼まなくても即座に同乗するお客さんか料金徴収係、時には運転手さんがわざわざ出てきて、当たり前のように一緒に乗り降りを手伝ってくれます。99%嫌な顔をされることはありません。約9年、ブラジルでベビーカーを押す生活をしてきた中で、一度だけ、機嫌の悪い運転手さんがベビーカーの乗車でもたもたされるのは嫌だという雰囲気で、乗せてくれないことがありました。その時は、お客さんたちが大ブーイングで、「バス会社にクレームしなければならない」「運転手のバスの番号を控えなさい」などと、あれやこれやアドバイスをしてくれるという事になりました。

電車ではプラットホームと車両の隙間にベビーカーの車輪が落ちないかなど、皆が気配ってくれている視線をいつもひしひしと感じます。

車内に乗り込めば、小さな子連れのお母さんと子どもに対しては、我先にと席を譲ってくれます。断るのが大変なくらいです。妊婦や高齢者、身体障害者へも同様の対応がなされます。

「バスや地下鉄で子どもを連れて移動するのは大変ね」とよく言われますが、ブラジルでは子どもを連れた人にはいつも隣り合わせた誰かの手助けが即座に差し伸べられます。そのため、機械化されたシステム並に不自由はなく、知らない誰かに今日も助けられたという感謝の念が沸き起こる事がしばしばです。


車椅子やベビーカー、自転車専用の改札口(サンパウロの地下鉄トリアノン-マスピ駅)

車椅子やベビーカー、自転車専用の改札口(サンパウロの地下鉄トリアノン-マスピ駅)

地下鉄にお母さんがベビーカーを連れて乗車することの是非ですが、サンパウロの地下鉄の改札口で、ブラジルはベビーカーの乗車についてどう捉えているかをはっきり示す表示があります。

ビジネス街の大通りを走る地下鉄の改札口の扉には、車椅子や大きな荷物、自転車の表示などと並んで、ベビーカーの表示があり、専用の通り道であることを示す入口があります。


車椅子やベビーカー、自転車専用と表示された改札口の扉

車椅子やベビーカー、自転車専用と表示された改札口の扉

ベビーカーでの公共交通機関への乗車は社会が認めています。時と場合に応じてベビーカーをたたんで抱っこで乗車すれば何の気兼ねをする必要もありません。

ブラジルでは公共交通機関でベビーカーに乗った子どもを見ると、老若男女を問わず、微笑みかける人がいつもいます。子どもは社会の宝だなあということを人々の雰囲気から感じさせられます。

子連れで困っているような人に対して冷たい対応をしたり、細かく厳しい意見を言うような人こそ、むしろ白い目で見られてしまうのがブラジルです。幼子と母親は皆で守る大切な社会の一員ということが暗黙の内に認識され、その認識に基づいて実際に社会で行動する人が多いのが今のブラジルです。

子どものことで精一杯で自分のことさえままならない育児中の女性に、身内はもちろん、社会全体が温かく見守り、手の空いた人は必要に応じて即座に手出し足出しするのが是とされる風潮がなければ、子どもがいることが心身ともにラッキーなのかアンラッキーなのか、人々の心や社会が麻痺してしまうように思います。


プラットホームに直接つながるエレベーターに乗れる、車椅子やベビーカー、自転車専用の特別の改札口

プラットホームに直接つながるエレベーターに乗れる、車椅子やベビーカー、自転車専用の特別の改札口



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2 - Comments

高橋久美子(韓国)より:

2012 年 08 月 07 日 14:11:27

私もネット上の質問サイトで「(混雑具合に関わらず)ベビーカーを広げて公共交通機関に乗るのはマナー違反、危険だ」というのを読んだことがあります。日本では子連れで出かけるときに色々気をつけなければいけないと肝に銘じた覚えがあります。
日本では大型スーパーや空港など様々な場所でベビーカーが準備されていて便利な反面、「マナー」については少々子連れに厳しい部分もあり、良い面もあり悪い面もあり...ですね。

大浦智子より:

2012 年 08 月 07 日 17:47:58

>高橋さま
コメントありがとうございます。
国により社会状況も人の感覚も差がありそうですね。確かに、危ないという理由がつけば反論もできず、とても日本的な気がします(つまり未然に事故を防止しようという心の現われ)。でも、日本の電車やバスの揺れのなさ、静かさ、世界トップクラスだと思います!!
日本にいる日系ブラジル人の生活習慣を問題にするニュースがありましたが、多少、ブラジルという社会の状況を背負っていることに由来する部分があると思います。今や、一応日本で育った私も、日本にいたらかなりとんでもない行動をとる人間とレッテル貼られてしまうかも(笑)
余談ですが、imaで世界のブログを拝見させてもらって、ブラジルからは行くと追い返されそうだ(笑)、と思う国は日本以上にドイツです。とにかく日常的な習慣に規律と細やかさが求められそうです。ブラジルは世界中からの移民が多くやってきましたが、特に昔は、ドイツ人は他民族、もちろんブラジル人とも結婚したくなかったようです。でも、世界のブログを読むと、今でもこんなに生活感覚が違うんだなあと感じられるものがあり、なんだかやむをえない気がしました。郷に入れば郷に従えということでしょうか!?

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