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松坂大輔氏 35歳オリオールズ・菅野は日本での経験を米国の若手に伝える「伝道師」に

[ 2024年12月31日 02:30 ]

2018年のオールスターで表彰式後、記念撮影で笑顔を見せる松坂と菅野(右)
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【平成の怪物が行く 松坂大輔の探球】スポニチ本紙評論家・松坂大輔氏(44)による月1回の連載コラム「松坂大輔の探球」2024年の最後となる12月編。巨人から海外FA権を行使してオリオールズに移籍した菅野智之投手の35歳の挑戦について語った。松坂氏がかつて在籍したレッドソックスと同じア・リーグ東地区。ボストンと同じ米東海岸の都市という共通点もある。日本での豊富な経験を武器に新天地での活躍を期待した。

実は、菅野投手については自分の古巣レッドソックスも興味を持っていると聞いていたんです。個人的にはレ軍に来ないかな...と思っていました。オリオールズも一時期の低迷を抜け出して、ドラフトで獲得した若い野手が粒ぞろいの強豪チーム。自分が住むボストンと同じア・リーグ東地区ですし、実際に投げている姿を見る機会が多いかも、と今から楽しみにしています。

35歳の挑戦。オ軍は今季15勝の21年サイ・ヤング賞右腕バーンズがダイヤモンドバックスに移籍しました。球団首脳は巨人で通算136勝を挙げた実績はもちろん、その豊富な経験値を高く評価していると思います。日本での経験を、若い選手に伝える。そんな「伝道師」のような役割も期待しているはずです。

直球は93マイル(約150キロ)前後。大リーグでは100マイル(約161キロ)を投げる投手も多く、真っすぐは脅威ではないかもしれません。ただ、ボールが速いことはアドバンテージではありますが、それだけでは勝てないのが野球。豊富な球種があり、全ての精度が非常に高い。自在に操れるコントロールを武器に、打者に「打ちづらい」と思わせる技術を持っています。大リーグのボールとマウンド。この2つにアジャストすれば、いい結果を残せると思います。

本拠地のボルティモアは港湾都市。自分が遠征した時のホテルも港に近く、ヨットやクルーザーが数多く停泊していたのを覚えています。菅野投手も「夏のソフトシェルクラブが楽しみ」と言っていましたが、カニ料理が名物。自分もハンマーで割って食べたりしていました。オリオールパークでは通算6試合に登板(3勝2敗)しましたが、メジャーリーグらしい、非常に雰囲気のある球場です。

レ軍にヤンキース、レイズ...。ア・リーグ東地区はレベルが高く、簡単にはいかない部分もあるでしょう。ただ、日本を代表する投手の一人。存分に力を発揮して、日本投手の価値をさらに高めてほしいと思います。来年2月、フロリダでの春季キャンプにも足を運びたいですね。年末。自分は寒さ厳しいボストンで年を越します。読者の皆さま、よいお年をお迎えください。(スポニチ本紙評論家)
≪24年印象残ったキャンプ取材≫スポニチ本紙評論家3年目の今年も松坂氏はさまざまな現場に取材に赴いた。最も印象に残ったのは2月の日米の春季キャンプだといい「選手の皆さんがどういう準備をしてシーズンに向かうのか。練習を実際に見て、話を聞くのが楽しかったです」。米球界ではトラックマンなどデータを重視する傾向が年々強まっている。自身は「数字も勉強するけど、試合で感じる感覚を大事にするタイプだった」と言い「どっちがいい、はない。選手による違いを見るのも面白かった」と振り返った。

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