人々が、教育や健康の享受を通して生涯にわたる能力や可能性を広げることは、それ自体が重要であるだけでなく、社会・経済の発展に必要不可欠な条件です。この20年の世界的な大きな前進の一方で、貧困、ジェンダー、障害、居住地域などによる格差の問題、また、技術革新やグローバル化に伴うニーズの変化、紛争・災害、疾病構造の変化、感染症の突発的流行などの新たな脅威に直面し、すべての人に対する良質な教育、保健サービスへのアクセスの保障とエンパワメントが課題となっています。
教育および保健分野は、日本が国内や国際協力を通じ蓄積してきた経験や知見を活かせる一方で、従来の取り組みからの変化も求められており、より客観的・実証的な分析を通じ、将来のJICAの戦略の方向性を導く研究や世界への発信が今まで以上に重要になってきています。教育分野では、低中所得国における海外留学のインパクトに関する研究、日本の教育協力の歴史の分析とその国内外への発信を進めています。保健分野においても、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進、経験の分析に取り組んでいます。これらを通じて国内外の研究機関とのネットワークの構築も積極的に行っていきます。