世界には未だに多数の貧困層が存在しており、貧困削減は依然として根本的な開発課題です。また、一定程度発展を遂げた国々の中にも格差の問題や社会開発の遅れなどに直面している国もあり、量的な経済成長のみならず、包摂性、持続可能性、強靭性を伴う、質の高い成長が求められています。
これらを踏まえつつ、当領域では、国際的議論における理論的支柱となる質の高い成長の概念の体系化や、開発途上国に対する日本の主要な支援事業の一つであるインフラ事業の経済社会効果の分析を行っています。また、国内経済や住民の生活に大きな影響を及ぼす金融状況の研究や、アフリカ諸国の更なる成長と貧困削減に寄与する農業支援の実証分析に取り組んでいます。この中で、開発途上国における政策や取り組みが、経済成長と貧困削減のために効果があることを明らかにするため、介入・非介入を比較したエビデンスに基づく分析も行っています。