AIST Tohoku Newsletter No.24

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産総研 東北 Newsletter No.25
連携ということ 前東北経済産業局長 赤津 光一郎 地域振興で重要なキーワードの一つに「連携」があります。産学官連携、農商工連携など、異業種や異分野との「連携」は新技術・製品開発や新たなノウハウの獲得などに不可欠のものと言えるでしょう。
他方で、この「連携」と言う言葉、やや濫用されているのではないでしょうか。
法律などで使われているときは定義がはっきりしていますが、日常的に「よく連携して」などと使うような時には、必ずしも意味合いがはっきりしません。むしろ、意味合いをぼかすような使い方がされることさえあるように思います。 「協力」との違いもよくわかりません。強いて言えば「協力」には能動的なアクションのイメージがあるのに対して、「連携」はネットワークを重視したイメージでしょうか。「連携」と言われると、イメージとしては何となく納得してしまいますが、実際の使われ方を見ると、共同開発・研究や人事交流といったはっきりした形をとっているものから、たまに情報交換のための会議が開かれるだけといった「連携」に値しないようなものまでさまざまな意味合いがありえます。
これだけ広い意味合いを持たせられる言葉はそうはありませんから、使い勝手よく頻繁に使われるようになるのも無理はありません。
私の職場でも、「しろまるしろまると連携して」と言われることが多いのですが、「具体的には?」と聞き返すことも多いのが現状です。
研究開発から事業展開まで、さまざまな場面で重要な役割を果たす概念であるだけに、贔屓の引き倒しにならないように、具体的なイメージをはっきり持った使い方をしたいものです。

研究キーワード 新連載となるこのコーナーでは 今号に掲載された専門用語を簡単に解説します。
金属酸化物微粒子
直径数〜数百nm程度の微小な金属酸化物の粒子です。セラミックス、電子、触媒、センサー等の材料として広く利用・研究がなされています。 マイクロ反応
非常に小さな反応空間を利用して行われる化学反応のことです。マイクロリアクター(下記参照)を用いて行われます。
超臨界流体
物質は、固体、液体、気体と状態を変化させますが、この状態変化は、温度と圧力の影響でおこります。そのため、液体と気体が一緒に存在する温度(水では大気圧で100°C)は圧力が上がるとともに上昇します。さらに温度と圧力を上げていくと、気体と液体との境界がなくなり均質な流体となります。この流体を超臨界流体といいます。超臨界状態の水は、有機物を容易に溶かしたり、酸素と均質に混ざり合ったりするため、有機化合物の化学合成場として注目されています。
参考:超臨界流体データベース
http://riodb.ibase.aist.go.jp/SCF/sdb/scf/scf_top.html マイクロリアクター
化学反応に用いる反応空間の幅が、数マイクロ〜数百マイクロメートル程度と非常に狭い化学反応器のことです。一般的に化学反応の速度、生成物の収率(生成率)が高く、加えて、化学反応条件の制御が容易といった特徴を持ちます。例えば、超臨界水は非常に化学反応性が高いため、マイクロリアクターを用いて化学反応条件を厳密に制御することにより、より安定的な化学反応系を確立できます。
ファインケミカル
化学合成される化合物のうち医薬品・農薬・香料など少量で付加価値の高いものの総称です。 MEMS
Micro Electro Mechanical Systemsの略称です。微小電気機械素子およびその創製技術で、メムスと呼ばれます。主として半導体集積回路作製技術を用いて作製され、3次元の立体形状を形成する技術です。製品としては、インクジェットプリンタのヘッド、圧力センサ等があります。



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