転換期にあって重要なことは
マネジメントの基本と原則を確認すること
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「マネジメントはいまや、先進社会のすべて、すなわち組織社会となった先進社会のすべてにとって、欠くことのできない決定的機関である」(『エッセンシャル版 マネジメント──基本と原則』)
ドラッカーは、大中小さまざまの企業、病院、大学、政府機関とかかわりを持つ過程において、マネジメントが決定的機関となり、そのマネジメントには基本と原則があることを痛感していった。
そこで彼は、数年をかけてマネジメントの基本と原則を集大成した。集大成であるからして、無味乾燥の百科事典となってなんらおかしくなかった。ところが、この大部の本は読む人に感動を与えた。
たとえば、今日も躍進中の米国の証券会社、エドワード・ジョーンズ社のトップは何通も手紙を書いた。「全社をあげて心酔しており、コンサルティングをお願いしたい」。
その『マネジメント』の厚さに音をあげる人のために、ドラッカー本人と相談しつつ、英語のまま短縮した後に翻訳したものが、かつてのベストセラー『抄訳マネジメント』であり、今日のベストセラー『エッセンシャル版マネジメント』だった。
これまた、百科事典のエッセンシャル版として味わいのないものになるどころか、感動のDNAはそのまま保たれた。マネジメントの基本と原則こそが、感動のDNAだったのである。なぜなら、マネジメントとは、誇り高く心躍らせるべきものだからである。
事実、そのDNAに突き動かされた人は多い。その一人が、あっという間に発行部数100万部を突破したビジネス書、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』、通称『もしドラ』を書いた岩崎夏海さんだった。
ドラッカーは、『エッセンシャル版』の冒頭、「日本の読者へ」において、こう書いている。
「自らの国、経済、産業、事業がいま直面する課題は何か、問題は何か、そしてそれらの課題、問題、意思決定に適用すべき基本と原則は何かを徹底して考えていっていただきたい。さらには、一人の経営者、社員として、あるいは一人の知識労働者、専門家、新入社員、学生として、自らの前にある機会と挑戦は何か、自らの拠り所、指針とすべき基本と原則は何かを考えていっていただきたい」(『エッセンシャル版 マネジメント』)
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