AI半導体マーベル、時価総額インテル超えの先は

IT大手の自社開発データセンター向け半導体の設計を支援、売上高はインテルの1割

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AI半導体マーベル、時価総額インテル超えの先はPhoto:Bloomberg/gettyimages

マット・マーフィー氏は、現在経営する会社の10倍の売上高がある半導体企業のトップに就くことに全く興味がない。それは賢明な判断であり、むしろ野心的な選択でもある。

米半導体メーカー、マーベル・テクノロジーの最高経営責任者(CEO)を2016年から務めるマーフィー氏は、同業大手インテルのトップの座を最近降りたパット・ゲルシンガー氏の後任として取り沙汰される数少ない候補者の一人だ。これを受けて珍しい場面が見られた。CEOが決算説明会で自分自身が売りに出ていることを否定したのだ。

「私は全身全霊を傾けている」。マーフィー氏は12月3日に開いたマーベルの決算説明会でこう述べた。その前日にインテルがゲルシンガー氏の退任を発表し、複数のメディアがマーフィー氏も後任候補だと報じていた。「当社は傑出している。うちの技術は業界最高水準だ。マーベルより良い職場は考えられない」

タイミングは良かった。マーベルの株価は先週初めの時点で年初来60%上昇していたが、好調な決算報告とアマゾン・ドット・コムとの協力関係を拡大するニュースを受け、一段と弾みがついた。3日の決算発表後に株価はさらに18%上昇し、マーベルの時価総額は一時、初の1000億ドル(約15兆円)超えを果たした。マーフィー氏のCEO就任時は50億ドル前後だった。

年初来の時価総額の推移
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足元の株価上昇で、マーベルの時価総額は苦境に立たされるインテルを超えた。それでもインテルの年間売上高はマーベルの10倍の水準にある。

マーベルの最近の業績から考えると、売上高の差は今後も引き続き縮小するだろう。データセンター部門の爆発的成長はここにきて、従来の部門(通信機器やケーブルTVのセットトップボックス、自動車などに使用される半導体を売る部門)の低調さを補って余りあるほどに達している。

データセンター部門の2024年8-10月期売上高は、前年同期比ほぼ倍増の11億ドルだった。マーベルの今四半期(11月-1月期)見通しを踏まえると、25年1月期通期のデータセンター部門の売上高は同社全体の売上高の約72%を占めると予想され、前の年の40%から大きく上昇する。

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