資産運用は「資産配分がすべて」と言い切れるワケ、注意すべき「リスク分散」の落とし穴とは?

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資産運用のイメージ写真はイメージです Photo:PIXTA

資産運用において100点満点に近い「99点」をとる方法であれば誰でも実践できると述べるのが、通算300万PVを達成した人気記事の書き手Hayato Ito氏。リスク分散のためにいろいろな商品を買うと投資効率が落ちるという、その理由とは。Hayato Ito著 『普通の人が資産運用で99点をとる方法とその考え方』(日経BP)の一部を抜粋・編集したものです。

同じリスクで最もリターンが高い資産配分の構成は
現金とインデックスファンドの組み合わせ

個別株に投資することは投資効率(シャープレシオ)(*1)の観点でいえば、「リターンのブレ」が大きくなります。資産配分(アセットアロケーション)においてリターンは変わらないのにリスクだけが大きくなります。

*1 投資効率(シャープレシオ)とは、異なる投資対象を比較する際に、同じリスク水準においてどちらのリターンが優れているかを評価する指標。リターン÷リスクで求められる。筆者は、個々の投資商品に対してのみでなく、個人の資産の全体に対しても投資効率を用いて評価します。

別の言い方をすると、同じだけリスクをとっている資産配分の間で比較した場合、個別株の入っている資産配分はリターンが低いとも言えます。

資産配分から個別株を除いて、その分インデックスファンドの割合を増やすことによって、より有利な資産配分をつくることができます。

本書の結論編では、資産配分を「現金」と「投資効率が最も高い商品(インデックスファンド)」だけを組み合わせて構成しています。その理由は、この2つの組み合わせだけでどのようなリスク許容度であろうと、同じリスク水準において、最もリターンが高い資産配分を構成できるからです。ちなみにこれを「トービンの分離定理」といいます。

トービンの分離定理を使用した簡単な例を見てみましょう。以下のような2つの商品A(インデックス)、B(ある個別株)があったとします。

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